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推しのVTuberからの愛が重すぎるんだが?  作者: 薄明


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9/11

銃撃戦のあのゲームの話3

『武器は?』


「M4持ってます」


『得意武器……ある?』


「得意……とかはないんですけど、狙撃系は好きですね」


『いっしょ』


「ほんとですか!」


上手い人と好きな武器が一緒なのは、なんか嬉しくなるな。


狙撃族とか言われてる人の神プレイをTikTokやYouTubeのショート動画で見るのが好きだから、それもあるのかもしれない。


ただ、エイム(銃で敵を正確に狙うこと)は苦手だけど。


ヘッドショット決める人がおかしいんだよ。

あいつら人間じゃねえ!(某アニメキャラ風)


なんて考えてると、足音や複数の銃撃音が聞こえてきた。


『物資探してて』


「了解です」


ここはLさんを信じて、俺は武器を探す。

出来れば狙撃武器が良いんだけど、包帯とかドリンクとか、スコープとか回復アイテムしか拾えない。


お、SVD。

スコープあるし、俺でも扱いやすいからこれだな。


『1人落とした』


「本当ですか!ナイスです!」


左にLさんが倒したことが分かるアナウンスがあった。

マジすげぇ。


「自分も狙撃武器ゲットしたので、参加します」


『ん』


そんなん言ってる間に、恐らく倒した相手の相方を倒していた。

化け物すぎる……。


『北のほう』


Lさんの言った通りに、逃げようとする敵が2人見えた。


「自分左行きます」


『ん』


俺は4発、Lさんはヘッドショット1発でそれぞれ倒した。


Lさんやべぇ。



銃撃音も足音も聞こえなくなったため、一息つくことが出来た。


「いやぁ、それにしても流石ですね……ほぼヘッドショット決めてません?」


『経験』


「すごいなぁ」


『何歳?』


直球すぎんか??


「えっと、俺は25です」


『そう』


……いや、俺だけかい!!

普通自分より年上とか年下とか言わないのか??


あ、女性に年齢の話はNGだ。


『敬語……いらない』


そう言ってもらえるのは有難い。


「じゃあお言葉に甘えて。Lさんはどんくらいの頻度でこのゲームしてます?」


『………仕事の息抜きで』


「めっちゃ間が空いてるっすね。仕事はどんなのしてるか聞いても?」


『配信者』


「マジすか???」


え、この人配信者なの???

めっちゃ喋らないのに???


失礼だが、配信向いてないんじゃ……。


『配信頻度……少ない』


「あ、なるほどっすね」


『……向いてないって……思った?』


「んな事ないですよ」



危ねぇ………勘が良すぎだろ。

平常心を保て……平常心を。


『今配信中』


「もっと早く言ってぇ!?!?」


『あなたの声も入ってる』


「最初に聞くよね!!!???」


『てへ』


「感情が入ってない(泣)」


『アーカイブ……消すから』


「別に声入って良いし、アーカイブとかも残してて良いよ」


『ほんと?』


「うん。俺は配信好きだからさ。俺のせいで動画が残らないとか嫌だから。配信は始まったばかり?」


『うん。1人目、声出して配信は……初めて』


「そっか!それは良かった。次からは先に聞いてからが良いかも」


『……ありがと』


ε-(´∀`;)ホッ

1人目で良かったわ。


絶対神プレイだし、初の声出しなら残さなダメだ。


「配信者って、YouTuberすか?」


『……ん』


「へぇぇ、ゲーム配信がメイン?」


『そう。頻度少なめ』


「チャンネル登録したいのでアカウント名聞いても良い?」


『黒井りさ』


「は?」


『黒井りさ』


「はあああああああああああああ!!!????」




俺が驚くのも無理はない。

そして俺はようやくこの声の主について思い出した。



黒井りさはVTuberである。

普段はイラストレーターだが、個人チャンネルでVTuberとしても活動している。


そして、宵月メイのイラストを描いた本人でもある。


ただ、


『VTuberなのに声を出さない』


という肩書きが有名で、メイちゃんが逆凸で電話した時に初めて声が聞けたのだ。



ただ2.3回やり取りして通話は切れたから、俺も思い出すのに時間がかかっていた。


嘘でしょ、メイちゃんのママじゃん……。


チャンネル登録はしてたけど、流石に配信は喋らないから全然気づかんかった。



ま、まあ嘘ってこともある……よな。

パソコンでチャンネル登録欄を見てみる。


黒井りさは……生・放・送・中!!



しかも初の声出し配信ってこともあり、視聴者は3万人を超えているし、メイちゃんのコメントも見える。



『ってことよろしく』


「まじかああああ」


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