マシュマロを食べる配信2
『続いては……好きな異性のタイプ……ですか』
いくつかのマシュマロ(質問)に答えていったメイちゃんに、こんな質問が届いた。
「たしか結構前も答えてたよな……」
リアルタイムで配信を見てなくても、アーカイブを見直してメイちゃんの配信は見ているから、前のマシュマロ配信も覚えている。
まあ、前のマシュマロ配信から期間が空いてるから、メイちゃんも好みが変わってるとかあるよな。
『簡単ですよ。私のことを見てくれる人です』
(俺か)
(いや、これは俺だな)
(いやいや、俺だな)
(甘いぜ、メイちゃんのことは登録者1000人の時から応援してた俺だな)
『それと、配信を見てくれる人……ですかね。全部の配信に来れなくても、アーカイブを見直したりしてくれるととても嬉しいです』
(やった、これ僕だな)
(ワイや)
(見直してるし、切り抜き師のワイやな)
『優しい人も好きですねぇ』
(決まった。ワイや)
(完全に俺だな。メイちゃん、結婚しようか)
(婚姻届は書いてきた。あとはメイちゃんの欄だけだ)
(うっほ、それ俺が書くわ)
『あとは最初にチャンネル登録する人ですね』
(((((師匠やないかい!!!!!!))))
「はは、このノリ変わんねえな」
以前も同じような流れだったわ。
あの時よりも批判してるコメントとか少ないのはありがたいが、視聴者の団結力もすげぇな。
(はあ、負けたわ。師匠なら仕方ない)
(はよ結婚しろよ)
(なんならVTuberデビューしてくんないかな師匠)
(そうだよな。スパチャで御祝儀投げれるのに)
(それな)
「おいい!!なんで俺を配信者にさせようとするんだ!!!そして、メイちゃんも特定させる発言やめなぁ!!??」
思わずコメントしてしまった。
(お、師匠、はよ結婚しろ)
(そうだそうだ!結婚報告待ってる)
「なんでやねん!!」
『私はいつでも返事を待ってますからね?』
「火に油を注ぐようなこと言うなよ!!??」
『さて、次の質問に行きましょうか』
「冗談じゃねえのかよ!?!?」
そこは冗談はさておきって言葉があるよね??
なんでそれを言わないん??
リスナーも配信者もこの空気を容認してるのは何故だ?
メイちゃんの人徳か?
『私は初見なんですけど、ライさんって男の人だと思うんです。ライさんってメイちゃんにとってどんな存在なんですか?』
(あ)
(それを聞いたか)
(非公式wiki見た方が早いぞ)
(始まるぞ)
これはまずい…。
『そうですね…私にとってライさんは本当に大切な存在です。私を見つけてくれた、まさに運命の人なんです。初めて喋った時から……』
始まった……。
何故か俺に対して発言の内容が重すぎるんだ。
こうなったメイちゃんは止まらない。
飽きるまで語り出すんだ。
そりゃチャンネル登録者第1号なら、覚えがあるのかもしれないし、俺としても大切に思ってくれるのはありがたいが……。
かと言ってメイちゃんを止めようものなら、
『聞き飽きた話ですよね…』
って分かるくらい落ち込むから下手に発言ができない。
『例えばこの時の〇月〇日、〇時からの配信の時は~』
結局話は30分続いた。
あ、俺?
配信はパソコンで見てるから、スマホでゲームしてたよ?




