第八話「校外学習の行き先」
前回のあらすじ
千景先輩なんか悲しい笑顔…?どうしたまじで。
あの千景先輩の顔、気になるなぁ。何だったんだろう……。
まあ、それは置いといて!ここ、何やら騒がしいと思いません?
そう!なんと来月校外学習に行くのです!ちなみに、一年生と二年生は行くところが違うし、三年生は修学旅行があるため学校側の都合でお留守番。
そして、この学園の校外学習の良いところは!違うクラスの子ともグループが組めるのだ〜〜〜!!!!勿論りんちゃんを誘うつもりだ。断られなければ一緒に回りたい。だって俺友達全然居ないもん。……もんってキモいわ〜。
んで、今体育館に居ます。さあ!りんちゃんを探せ!
「りんちゃんどこかな」「なにみーくん」はや。てか今の独り言だし。
「おんなじ班組みたいの?いいよ?ただ他の子も入れてあげてね。去年みたいに先生といっしょに回りたくないから」「ゔっ!はーい」
なんと、去年、りんちゃんにべったりしている俺に引いたのか二人だけの班になって先生と回るハメになったのだ。アレはきつかった。先生が大人気なくあれ食べたいこれ食べたい、あれがほしいこれがほしいってうるさいのなんの。あの気持ちはもう二度と経験したくない。
あ!あそこに学級委員ちゃんが余ってる!よし!誘いに行こう!
「学級委員ちゃーん!よかったら俺達と一緒に回らない?」「えっ誰!?って…。姫野くんでしたか。いいですよ。それにそばにいるのは…もしかして(蘭華学園BL同好会で)有名な杠美凛さん!?どうか私と握手してください!!」
…………りんちゃんって有名だったの?!初耳なんだけど!?
「あぁ!(もしかして蘭華学園(ちなみに元から私立だったけど経営者?が変わって学園の名前も変わった)BL同好会の副会長!?)あなたも有名人よね!?喜んで!いや最早握手してください!」
そう言いつつ、二人は握手をする。
…………そっか。学級委員ちゃんも有名なんだね。二人はまだ握手をしている。いやハグしてる。学級委員ちゃんに至っては泣いてるし。
「…………あの〜そろそろ良いかな?」そう言うと、二人はシュバッと離れる。急に動いたからビックリしたわ。仲いいんじゃなかったっけ?
「ごめんなさい…。杠さんにあったので興奮していました…」「もう!美凛って呼んでよぉ〜!」「わわわわかりました美凛さん」「さんはいらないし敬語もいらない!だって同い年じゃん」「美凛さ…美凛、よろしくお願いします。ていうか敬語は素です」「そっかならしかたないね」
俺は何を見させられているのだろうか。「学級委員ちゃん、入るなら入るで早く先生に言わないといけないんだけど…」「ああ!そうでした!入ります!」「じゃあ私、先生に言ってくるね〜!」「りんちゃんありがといってらっしゃい!」
◇◆◇
「………姫野くん。一つ訂正良いですか?」「なんでしょう〜?」「私の名前は学級委員ちゃんじゃないんですけど」
「………………ずっと心のなかでそうやって呼んでたからつい」「まったく」
「ごめんなさい…」「謝らないでいいですよ。おそらく私の名前は覚えていないでしょう?」「うっ。はい…………」
これは本当だ。覚えてないんだなぁ〜これが。元々記憶力は悪い方。それに人の名前を覚えるのも苦手だ。生徒会メンバーだけで2週間以上はかかっているはず。
「改めて自己紹介しますね。私の名前は朝比奈彩葉。朝と比例の比と奈良の奈に彩る葉って書きます」「へぇ!すごい可愛い名前だね!」「あ、ありがとうございます…」…彩葉かぁ。あだ名はあーちゃんかあーやかな。あーやかな。
「たっだいまぁ〜!」「りんちゃんおっかえりぃ〜!」で、勢いでハイタッチ。
で、どこ行くの?まだ聞いてないんですけども。
「美凛、校外学習ってどこに行くんですか?姫野くんも気になってる顔してますし」「そうね、今年は研究所に行くみたいよ。研究所の所長はこの学園の理事長と同級生だったんだって。知ってた?」「知りませんでした。美凛はものしりなんですね」「へっへ〜ん!」いやそこはふっふーん♪って言えよ。
◇◆◇
「あーや!あーやはお昼ごはん何持ってくの?」「あーや?」「あーやって、もしかして私のことですか!?」「へ?そうだけど」「美凛美凛、私に不似合いなあだ名をつけられてしまいましたどうしましょう」「大丈夫よ。だって彩葉は可愛いし。うーん、私もあーやって呼ぼうかな?」「りんちゃん、それ良いと思う」
「もう!良いですから!ほら、持ってくものは準備しましたか?」
「やべっ!全然準備してない〜!」「私はもう終わったよーだ!」「美凛、一応月のもののアレ、入れましたよね?」「うっ。だって私まだ来ないよて」「油断禁物です。いいですね?」「は、はい」
ちなみに。今みんなでりんちゃんのお家にいます。俺の家は隣。部屋も隣なので窓から行き来できるのだ!
「はっ!ちょっと部屋に忘れ物してきた!ごめん取りにいってくる!」「いってらっしゃーい」「ちょ!どこから行こうとしてるんですか!?もしかして最初入ってきた時に靴がなかったのって…!」「え?昔からずっと窓から行き来してるからだけど?」「危ないです!」「だいじょぶだいじょぶ。じゃね」「ちょっと姫野くん!」
✿美凛サイド✿
あーやすごい心配してたな。そっか、これって普通じゃないもんね。てか専用の橋が取り付けてあるから危なくないんだよな。
「美凛!姫野くんを注意してください!!」「あそこそんなに危なくないよ?だって専用の橋が取り付けてあるから絶対に落ちないもん」「本当ですか!?」「私、嘘は言わないよ〜」
そう、見かねたお父さんたちが橋を取り付けてくれたのだ。感謝。
「じゃあ姫野くんが怪我してないか見てきてください!」え、メンドクサ。…しょうがない。可愛いあーやのお願いだ。「わかったわ。行ってくる」
そう言ってこそこそ進んでくと、何やら音が聞こえてきた。ガサゴソ。ガサゴソ。ドッターン!ぽすっ!「みーくん?何してんの?」「ひゃゎ!?な、何もしてないよあははは」なんて動揺している声が聞こえたから。
「えい」ガラッと窓を開けるとそこには。みーくんが柊野千景と抱き合っていた。
◇◆◇
「へえ。つまりこういうことね?柊野先輩が来たことを知って、部屋に戻り。先輩と抱き合っていたと?」「だ、抱き合ってなんか!」「でも何も知らずに入ってきた人がいたらそう感じるわよ」「杠さんはそう感じただろうけど、俺はただコケかけた湊を受け止めただけだ」
現実のBL、ちょっと生々しくて…あまり好きではない。(美凛としてはです。気分を害された方がいれば本当にごめんなさい。)
取り敢えず写真撮っといたからあーやに送ろう。
「そうですか。なら良いんですけど。みーくん、準備の途中で何してるんだろうね?」「ひぅ!りんちゃんごめん!今すぐやるね!」
◇◆◇
✿湊サイド✿
まだドキドキしてる。多分今顔がものすごく赤いだろう。実はりんちゃんが来る前にセカンド・キスをしてしまった。コケかけて千景先輩の顔が近づいてきたと思ったらあたっちゃった。あれは絶対に事故。事故だから。
取り敢えず戻ろう。もう赤みは引いたはず。いる荷物も全部持ったしあとはつめるだけ。
よし!頑張ろう!!
読んでくださりありがとうございます!!誤字脱字があったら教えてください!