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第六話「本人の知らないところで、甘い口づけを」

前回のあらすじ

平和なランチタイム

 学校が終わり、帰路につく。ちなみに先輩の家は逆方向だ。一緒に帰ってみたかったのになぁ…。

 

 家に帰ってすぐに手洗い・うがい。これは我が家のルールだ。すごいめんどくさいけど、バイキンを持ち込まないためにも、うつさないためにも重要だ。


 今日は一人か。母さんも父さんも仕事で遅くなるらしいし姉さんと兄さんは今日も朝までバイト。


 ……………一人って案外寂しいんだよなぁ。

 

 取り敢えずご飯を炊いて、卵かけご飯(TKG)の用意。

 

 洗濯物取り込んで、あとは………風呂洗ってスイッチ押すだけか。


 眠い。さっさとご飯たべて風呂入って寝よう。



                ◇◆◇


 よし、あとはもう寝るだけ。


 …………あれ?今日気になってたアニメが放送されるっぽい。これはリアタイで見なくては!あと録画も!

 

 録画をして、アニメのチャンネルに切り替える。

 まだアニメはやっていなかった。代わりに流れているのは催眠術の番組だ。


 それを見ていたらだんだん眠くなってきた。


 あ、髪の毛乾かしてない…。でも、もう動けない。

 

 俺は眠りの世界へ(いざな)われるのだった。



              ◇◆◇


 光が目に飛び込んできた。朝…?

 

 え、もう朝!?アニメは!?もしかして催眠術の番組の時に寝落ちしたのか。


 うー。なんかだるいし熱い。気のせいかな。それに頭も痛くなってきた。寝不足かなんかだろう。メイビー。アニメ12時ぐらいからだったし。


 朝ご飯を食べて用意をして家を出る。朝日が眩しい。


                ◇◆◇

 お昼ごはんの時間だ。朝からずっと頭痛に苛まれている。ズキズキする…。


 「せんぱい、お昼ごはん食べましょー…」先輩のクラスに行って声を掛ける。

そしていつも通り、「あ、湊!柊野呼んでくる…って、大丈夫か?顔赤いぞ?」

加藤先輩に呼んでもらう。

 

 「大丈夫です。今日は暑いだけなので」「そうか…?今日は涼しい方だと思うんだが…取り敢えず柊野呼んでくる」「ありがとう…ございます」


 「湊、大丈夫か?滅茶苦茶顔赤いぞ」「大丈夫ですって」「それにいつもみたいに元気がない」「…っ先輩は俺のことよく見ててくれるんですね」「大事な後輩だ。当然だろ」あ゙ーーーーー。かっこいい!俺は心のなかで悶絶する。


 まだ目的地にはついていない。なのに、体がぐらぐらするし視界もぼやけてきた。なんでだろう。


 そして遂に俺はよろけて、倒れそうになる。「千景先輩、支えてくれてありがとうございます」だんだん力が抜けてくる。「どいたしまして」ごめんなさい千景先輩。迷惑かけます。俺は心のなかで謝って意識を手放した。


                ◇◆◇

 ✿千景サイド✿


 隣を歩いている湊がよろけた。危ない!そう思って体を支える。


 熱っ!こいつ、発熱してる!?


 そう思っているとズシッと重みが増した。どうやら意識が無くなったようだ。慌てて医務室に運ぶと先生が居ない。出張のようだ。


 しょうがない。授業をサボるか。取り敢えず加藤にスマホで連絡する。

送った瞬間既読がついた。『OK。湊はどうする?』こっちでやるからいい、と返信をした。


 ……前に湊のパスワードを教えてもらったことがある。湊のスマホを使えば問題ないが、プライバシーの問題が出てくる。だが…背に腹は代えられない。


 ごめん、湊。そう心のなかで謝ってから湊のスマホを手に取る。あの時から変わっていなければ俺の誕生日の筈だ。ちょっと恥ずい。


 合ってた。取り敢えずこの”りんちゃん”という子に連絡する。おんなじクラスだと良いが…


 「もしもし」『あんた誰』「柊野千景という。湊が熱出して倒れたから取り敢えず連絡してみたんだ」『なるほど。私は杠美凛です。…みーくんのクラスは隣ですよ』「そうか…では湊と同じクラスの子に連絡を取ってくれるか?」『みーくんのためならしょうがない。連絡、取ってあげますよ』「ありがとう、恩に着る!」『柊野先輩のためではないので』「それはわかってる」『じゃあ切りますね。終わったら連絡します』「了解」


 もやもやする。りんちゃん、みーくんと呼び合う仲だ。二人はそれなりに仲が良いのだろう。


 ちらっと湊の方を見る。汗が額から流れてどこか色っぽい。…湊は苦しいだろうに俺は何を考えているんだ。


 「ちかげせんぱい…」寝言だろうか。「だいすき…」


 ………寝言だよな…?これ、起きてないよな?

 

 「俺もだよ、湊」そっと呟いてみる。自分で言ったが、赤面する。すると、


 ぐい、と手を引かれた。俺はそのまま湊の方へ倒れ込む。

 傍から見ると俺が湊を押し倒したように見える構図に俺は慌てる。


 だが、体がまるで金縛りにあったように動かない。それに対し目線は湊の唇へ注がれる。


 ―――とても美味しそうで柔らかそうな、瑞々しい唇。

 

 そう思った途端体が勝手に動いた。


 唇と唇が重なり合う。湊の唇は甘かった。貪るように唇を重ねる。


 その時、不意に足音が聞こえた気がした。


 ハッと我に返る。俺はなんてことをしてしまったんだ。今すぐ湊の前から消えたい気分だが、湊は体調が悪い。そんな湊の前を離れることもできず、距離を取って看病することにした。

ラブシーンは筆が進みますね〜(*^^*)

読んでくださりありがとうございます!誤字脱字あったら教えてください!

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― 新着の感想 ―
熱はね……最高のイベントなんだよwww
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