第8話 わくわく!ドッキリ大作戦
おはようございます、現在の時刻は朝五時、どっきり日和の天気なので今日は春寧ちゃんにドッキリ...という名で起こしに行きたいと思います。ちなみにこれは中学校時代から新学期恒例でうちの親も大町夫妻も了承してる、つまり本人以外全員仕掛け人ドッキリという摩訶不思議な起こし方になっています。
なぜこんなに不思議な起こし方になったかというと中学校時代にさかのぼります。
春寧ちゃんは初日と二日目はちゃんと早起きしてこれるのに三日目だけなぜか油断するのか、もれなく寝坊して遅刻しちゃうので、それを阻止しよう!という試みから始まりました。
遅くなりました、本日は春音ちゃんの親友(自称)の莉橋琴夏がお送りします。ちなみに裏の理由がありますが、それは追々お話ししましょう。
...なんか丁寧に話すのって疲れるね、これからいつも通り話すよ。
ちなみにこんなに朝早く行っても大町夫妻はまだ起きてないから六時くらいまで家でアニメでも見ながらだらだら過ごすよ。ただ見てるだけっていうのもつまらないから春寧ちゃんに関する情報を二つくらい話するよ。
まず一つ、中学校で花粉症が判明したということ。かなーりどうでもいいよね。もう一つは春寧ちゃんって実は左目と右目で視力が違うということ。これに関しては少し詳しくお話しするね。春寧ちゃん、どうも夜中にゲームをしてたらしいんだけど、それの態勢がちょうど右目だけ隠れる形になっちゃってて、結果、こういうことになったって話してた...気がする。まあ、眼鏡姿の春寧ちゃんを拝めるのはすごいありがた...なんでもない忘れて。
さて、春寧ちゃん情報を話したことだし、アニメ見ながらご飯を食べようかな。
ご飯を食べて朝支度を済ませたところでいい感じの時間になってたからそろそろ出発するよ。
「ちゃんと大町さんの家でもご挨拶しなさいよ」
「わかってるって、それ何回目?」
「まあ琴夏のことだからきちんとご挨拶するとは思ってるけど念のためにね」
「もう、何回も言ってるんだからいちいち言わなくてもいいよ」
「母さん、それくらいにしておきな。琴夏、ちゃんとしっかり驚かせてから起こすんだぞ」
「お父さんもそれ何回目よ」
「はっはっはっ、面白そうなことをしているとつい口をはさみたくなってしまってな」
「まあいいや、いってきます。ちゃんと起こしてから学校に行くからね」
「それは当然でしょ。起こしに行ってるんだから」
「はいはい」
...とこんな感じの会話を済ませて、いざ出発!
春寧ちゃんの家までは自転車で五分もかからないくらいしか離れてないから正直アクセスの弁はいい。なにか悪いことあるかって...それはないからヨシ!
とりあえずついたからインターホンを押す...と言いたいけどインターホンの音で起きたらいやだからアナログにノックをするよ。
コンコン
「はーい」
「莉橋で~す」
「上がっていいわよ」
「ではお邪魔します」
「春寧ちゃんのお父さん、お母さん、おはようございます」
「いいのよそんなに毎回改まったあいさつしなくても」
「そうそう」
「でも私の親が挨拶はきちんとという教えなので、せめて挨拶だけは改まった形でさせてください」
「しょうがないわねぇ。ところで今回はどんなことをして春寧を起こすの?」
「今日はすごいシンプルにアラームを耳元でならします。あと『朝だぞー!!』みたいな感じで大きな声で起こします」
「あらそうなの、じゃあ私たちは朝ごはんの準備をしていればいいかしら」
「そうですね。ただ、私はもう家で済ませてきたので大丈夫です」
「せっかくなんだから食べていきなさい」
「そうですね...ではお言葉に甘えて軽く食べていきます」
現在時刻は六時半、作戦会議は終わり、いざ本番へ...
部屋に合法的に潜入し、まずは春寧ちゃんのベットの近くへ。なにやらうなされているっぽい。
「う~ん、やっちゃえ~」
うなされているというより何やら楽しそうな夢を見ている?正直、寝顔を見れただけでかなりの収穫なのだけれども、まさか寝言まで収穫できるとは。
さてと、そろそろ裏の目的とやらを言いましょう、ずばり、推しの寝顔が見たい!
おそらく推しって思った人が多いかもしれないけど、私にとって春寧ちゃんは親友であり、推しなのです! なんでって...さぁ...気が付いたら推してた?
おっとっと、危なくメインの目的を忘れるところだった。今日の目的は春寧ちゃんの寝顔を見る...じゃなくて春寧ちゃんをドッキリで起こすんだった。でも春寧ちゃんは今どんな夢を見てるのかな。やっちゃえっていってたしアクション系なのかな。まあ、私が春寧ちゃんの夢の内容を見るわけにはいかないからこれはずっと不思議のままにしておこう。
なんて考えていたらそろそろ起こす時間になったよ。春寧ちゃんはまだ起きてない。
アラームをかけたスマホを仕掛けて...三、二、一!
ピピピピピピピピピピピピ
「うーん...うるさい」
「春寧ちゃん、朝だよ!今日も学校だよ!」
「うーん...あと五分....ってあれ琴夏じゃん...どうしてここに...?」
「もちろんねが...ゴホン、起こしに来たんだよ」
「あー...毎学期恒例のか...今年は来ないだろうって油断しきってた...」
「そんなこと言ってないでご飯食べるよ」
「はーい。ファァァァ...」
ちなみに春寧ちゃんが眠そうなのは仕様だよっ