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第57話 不審な動き

 イルゼがヴィズィオネアに帰る前に会わなければいけないため、すぐに日程を決めた。

 返事は送ったその日に届いて、予定の時間に屋敷へ行くと書いてあり、ちょうど今ウィノラの乗った馬車が屋敷に着いたところだ。


「おはよう!」

「おはよう。今日はよろしくね」

「はい!情報収集のためでもルーと街に出かけられるの嬉しい!」

「私も嬉しいよ」


 ウィノラはルーペアトと一緒に街に行きたいと何度も言っていたため、凄く嬉しそうにしてくれている。

 移動中もたくさん話せて楽しくなりそうだ。


「早速行きましょう!」


 ウィノラが乗って来た馬車にルーペアトも乗り込み、街へと向かう。

 時間はまだ昼前だが、何とか夕方までには情報を聞き出したい。


「リヴェスからもう話はしてあると聞いて驚いたよ」

「私に直接というより、ノーヴァを通じて話が来てたの。最近ノーヴァはリヴェス様と頻繁に連絡を取ってるみたいだし」

「そうだったんだ。でも仲が戻ったわけじゃないよね…」


 ノーヴァの近くに居るウィノラが、最近になってノーヴァとリヴェスが手紙のやり取りを始めたと言っているということは、その前まではしていなかったということだろう。

 そう考えれば関係は良くなっていそうではあるが、私的な話ではなく仕事の話をしているだけだと思われる。


「でもノーヴァは嬉しそうに手紙書いてるよ!」

「じゃあ良くなってるってことで良いのかな?」

「それがね…ノーヴァが最近不審というか、隠し事が多い気がするんだよねぇ…」


 色んな情報を持っているノーヴァなら、隠し事なんて山ほどありそうだが、ウィノラの言う隠し事はルーペアトが思う隠し事とは違うだろう。

 ウィノラにも隠す話となれば、恋愛か危険な目に合わせないために言っていない、などを思い浮かべるが。


「どう不審なの?」

「人に会ってるみたいなの。依頼者だと思うんだけど、その人がどんな人物なのか誰にも話してないみたいで…」

「それは怪しいね」


 例えばそれがヴィズィオネアの人間なら、大きな問題になる。ただ情報を集めてるだけなら良いが、誰にも話していないことを考えるに良くないことの可能性が高い。


(何か企んでる…?)


 正直なところ、ノーヴァがそんなに悪い人ではないとわかったものの、信用に値するほどではない。

 ウィノラには悪いが、こればかりはノーヴァを疑ってしまう。


「そういえばノーヴァはどうして商会を運営してるの?」

「確か情報収集が得意だから、それを活かして誰かの役に立ちたいって言ってたと思う。何年も前の話になっちゃうけど」

「その誰かは決まった人物じゃなくて皆のことを指すのかな?」

「私はそう思ってるけど、実際居るのかどうかはわからないね…」


 情報収集が得意ならどうして皇宮で補佐や宰相などの仕事に就かなかったのだろうか。

 今ティハルトの右腕はリヴェスだ。ノーヴァが皇宮で働かないことにリヴェスが関わっているのかもしれない。


 役に立ちたくて商会の仕事を始めたなら、何かを企んでいるわけじゃないのかと思うが、どうしてもウィノラに人と会っていることを話していないのが気に掛かる。

 ずっとノーヴァはウィノラが悲しむ様なことは絶対しないと思っていたけど、絶対とは言い切れない可能性が出てきた。


 ノーヴァはウィノラが喜ぶと思って何かをしていたとしても、それがウィノラにとってどうなのかわからないように、相手を、人を完全に理解することは出来ない。


(難しいな…)


 いくら考えても疑問しか浮かばずきりがない。そのうちわかるだろうし、今はノーヴァについて考えるのを止めることにした。


「そういえば、今日は新しい剣持って来たんだよね?」

「持って来たよ。何かあってもウィノラのことを守れるように」

「何も起きてほしくないけどルーに守ってもらえるの嬉しいな!剣見てもいい?」

「良いよ」


 ルーペアトは両腰に携えた剣をウィノラに手渡した。


「凄い…かっこいいね!私は弓なら経験あるけど剣は全くだから」

「弓出来るんだね。ノーヴァに教えてもらったの?」

「そう!本当に少しだけなんだけどね。ルーならすぐに使いこなせそう」

「そうかな?」

「うん!見せてくれてありがとう、返すね」


 ヴィズィオネアで弓を使っている人はあまり居なかったから、ルーペアトは弓を触ったことすらない。

 でも反射神経や動体視力は良いため、ウィノラの言う通りコツを掴めばそれなりに出来そうではある。


 ウィノラから剣を返してもらったあと、ルーペアトは弓を構えた自分を想像してみた。


(…私にはやっぱり剣の方が良さそう)


 遠くから一人ずつ狙撃するよりも、近くで相手を一掃する方がルーペアトには向いていそうだ。


 その後も楽しく話していれば街へと到着した。

 これから情報収集が始まる。

読んで頂きありがとうございました!


次回は5月12日の日曜7時となります。

本当に申し訳ないです。


27日が12日ぶりの休日で、次の休みが翌月11日でして…(´;ω;`)

仕事が落ち着く5月中旬以降まで、今のペースで投稿するのが難しく、又寝不足が続いている状態でちゃんと話が書けると思えず、皆様に楽しんで頂き自分も満足のいく作品に出来るよう、投稿頻度を落とす判断を致しました。

もちろん、仕事が落ち着けば元の投稿頻度に戻るので、それまでお待ち頂けたらと思います!


激しい気温変化で体調を崩したり、熱中症になった方もいらっしゃるので、皆様もお気をつけてGWを楽しんで下さいね(≧∀≦)

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