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第141話 エデルの屋敷近くにあるもの

前回140話の執筆が途中で切れてしまっていた為、バックアップで復元し追加しております。

気づくのが遅くなってしまい申し訳ありません。

再度140話を先に読んで頂きますと幸いに存じます。

 ティハルトとノーヴァ、ウィノラを見送るために、皇宮の門へと出てきたルーペアト達。


「またしばらく会えなくなるし、無理をしないように困った時はいつでも手紙を送ってくれて良いからね」

「ああ、ハルトも大変だと思うがちゃんと休息を取るんだぞ」

「それをリヴェスに言われる日がくるなんてね」


 今までリヴェスが自分の意思で仕事に根を詰めており、ティハルトとの仕事の割合が五分五分だったのが、八割くらいになったわけだ。

 リヴェスが心配する側になるのは当たり前なのだが、いつも自分が心配していたからかおかしな気分になる。お互いに皇帝なのだから仕事量は大して変わらないだろうに。


「ノーヴァとリオポルダ男爵令嬢も、両親から許可が出ることを祈っている。ノーヴァの望み通り口を挟むつもりはないが、どうしても駄目だったら俺かハルトに頼れよ」

「本当にどうしようもなくなった時は頼らせてもらうよ。きっとその必要はないと思うけどね」

「次からは私も居るから大丈夫だよ!…たぶん」

「想いが通じ合った二人なら大丈夫。ウィノラの両親も納得してくれるよ」


 自信を失くしてしまいそうになっていたウィノラをルーペアトは励ます。

 ウィノラはルーペアトと離れる寂しさから、涙を浮かべて抱きついた。


「うん!頑張る!できるだけ早くこっちに住んで、ルーとたくさん会って話したい!」

「ウィノラ、一応彼女は皇后だからね。多少の自重は必要だよ?」

「うぅ……」

「気にしなくて良いからね。会える時に会っておかないと、この先どうなるかわからないし」


 まだまだ先は長いと思っていても、終わりがいつ来るかなんて誰も知り得ない。だからこそ生きている今を大切に生きていかなければならないのだ。


「…そうだね。よし!気にしなくて良いって言ってくれたから、早く帰って両親を説得しないと!」

「その意気だよ、頑張って!」


 こうして三人と別れの挨拶を済まし、それぞれ仕事に戻ることに。

 しかし考え事をしながら歩いていたリヴェスは、ルーペアトの部屋まで気づかずについてきてしまった。


「リヴェス、どうかした?」

「…っ!悪い、考え事をしてたんだ」


 執務室の方向に進まず、無意識にルーペアトの自室まで来てしまうなんて、一体何を考えていたのかと気になったルーペアトはリヴェスに問う。


「それは私に話せることだったりする?悩みがあるならやっぱり一緒に解決したいから」

「ありがとう。…最近色々あったし、皆と別れを済ました後だから、ルーにいつ話をするか迷っていた」


(気にしなくて良かったのに…)


 いつも自分より相手の気持ちを優先してしまうリヴェス。そんなところも愛おしくて思わず笑みをこぼす。


「いつでもどんな話をされても良いように覚悟はしてるよ」

「それは心強いな」

「だから今聞きたい」

「わかった。中で話そう」


 ルーペアトの部屋に入り、ハンナにお茶も持ってきてもらった。

 これで話を聞く準備は万端だ。


 覚悟していると言ったものの、リヴェスの雰囲気から良い話なのか悪い話なのか判断できず、少し不安が募る。

 リヴェスが口を開き始めたところでルーペアトは固唾を呑む。


「…実はルーを育ててくれた義両親のお墓がある場所をエデルに聞いたんだ」

「え……?」


 そういえば義両親が亡くなった後、どうなったのか詳しく知らなかった。

 住んでいた家をエデルが綺麗に保ってくれていたし、エデルがルーペアトの義両親を知っていることもわかっていたのに。

 忘れていたわけではないけれど、あまり思い出したくないことだったからだろうか。


「エデルの屋敷近くにあるそうだ。それで義両親に挨拶を、と思ってな。行く日程や最初は一人が良いとか、ルーの希望を教えてほしい」


 リヴェスの言葉に何も返せなくなってしまっていた。お墓があることにも驚きなのだが、何より驚いたのがエデルの屋敷近くにあることだ。

 ルーペアトはヴィズィオネアに来てから、エデルの屋敷に数日泊まっていた。つまり近くに居たのだ。


 色々な感情が押し寄せて戸惑いを隠せないルーペアトに、リヴェスが優しく言葉を続ける。


「返事は急がない。いつまでも待つからゆっくり考えてくれ」

「…うん、ありがとう」


 リヴェスはルーペアトが一人になりたいだろうと考え席を外す。


 一人になったルーペアトは静かに涙を流した。いつも自分を想ってくれるリヴェスにもだが、エデルにも改めて感謝しなければならないなと強く思う。

 会ったことも話したことなかったのに、姉の義両親だからと大切にしてくれていたのだ。

 それに、エデルはルーペアトが聞くまで、自分からお墓があることを伝えようとしなかっただろう。

 リヴェスが話すことを躊躇していたのも、そのことが関係しているかもしれない。


 ゆっくり考えて良いと言ってくれたが、できるだけ早く答えを出して義両親に会いに行きたい。

 でもその前にエデルと話をしておくべきだ。

 そう思い至ったルーペアトは立ち上がり、すぐにエデルの部屋へと向かった。

読んで頂きありがとうございました!


次回は17日7時となります。


仕事が忙しくなかなか思うように執筆や投稿が出来ず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです(´;ω;`)

読んで下さっている方々のためにこれからも精進して参ります!


話が変わるのですが、私の2作目の作品に初めて感想を頂きました!(*´꒳`*ノノ゛パチパチ

応募していたコンテストの運営様からです。

とても嬉しく感動です…!

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