Does not start of story
ブクマしている作品の書籍新刊がなかなか出ないので暇つぶし!
宙を少女——否、おっさんが地上に向かって堕ちている。
ゴゴゴゴッ!と、大気は振るえ。
カラダは限界以上に〝く〟の字に折り畳まれ。
お尻は大気圏突破の際に盾になったのか、真っ赤に発熱して丸出しになっている。
ガチ過ぎる堕ち方だ。
どうやら神様がスタート地点を高く設定し過ぎて、圧倒出来物理法則の前に、ファンタジーな要素を差し込む余裕がなくなってしまったようだ。
これでは、何でも受け止めてくれると評判の、鉱山で働く機械工見習いの少年が偶々おっさんの落下地点に居合わせたとしても。全力で受け取りを拒否されてしまうだろう。
まぁ、おっさんの時点で少年はノーセンキューだろが。
地上に一輪、真っ赤な花が咲いた。
take2
宙を少女——否、おっさんがキーーンっ!とかっ飛んで行く。
高さもさる事ながら、どうやら今度は角度にも問題があったようだ。
おっさんはぐるぐると遥か上空を、段々と速度を上げて回り続ける。
ぐるぐる、ぐるぐる。
ぐるぐる、ぐる——ぎゅおおおおんっ‼︎
そして重力の楔から解き放たれたおっさんは、宙の彼方へかっ飛んで行き…帰って来なかった。
宙に一つ、星が流れた。