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70話目 チューベローズの首領

会話が終了したと思った俺におずおずとローズが俺に尋ねてくる。




「そのチューベローズという組織の特徴は、何かあるのですか?」



その言葉に俺はうなづいて答える。



「彼らの人数や特徴は、公になっておりませんが、

 彼らは必ず“チューベローズ”の何かを身にまとっております。

 指輪やイヤリング、それに服にチューベローズの刺繍を入れていたりしております。」



そんな俺の言葉にローズは口角を上げて笑い、




「・・・ペンダントとか・・・もでしょう?」



「ええ、そうです。身に付ける何かを・・・。」



そこまで言ったところで、目の前にいたエルフの王様が立ち上がった!


それに引っ張られるように周りにいたエルフの貴族たちも一斉にローズへと視線を向ける!


シンダー枢機卿までも同じような行動を取るのだ!!!




・・・なんで?



その行動の意味をよく分からずにポカーンとしていると、

そんな俺の姿を見てか、さらに口角を上げて笑うローズ。


まるで子供のような笑みに、今までキレイと思っていた彼女に対して、

幼さのようなものを感じてしまう。


俺が呆けている間に事態はドンドン一変していく!


エルフの王様が肩をワナワナと震わせながら、実の娘を睨むのである!




・・・なんで?



実の父親からの睨みを受けながら、そんな睨みなど気にした様子もなくて、

ローズは俺の方だけを見続けるのだ。そして、口角を上げた口から言葉が漏れる。




「・・・いつから気づいていたの?」



・・・何を?



ローズが尋ねた言葉の意味が分からずにどう返していいかと思っていると、

何を勘違いしたのかローズは、




「・・・答える気は・・・ない・・・ですよね。なるほど・・・。」



・・・何を一人で勝手に理解してるんだ?




「今回の敗因は、子供と侮ったことでしょう。

 それがすべてですね。世界は・・・広い・・・。」



・・・だから何で一人で勝手に結論を出してるんだ?



意味が分からないまま、勝手に話が進んでいるのに困惑していると、

エルフの王様が声を荒げてローズに言葉を掛ける。




「ローズ!自分が何をしてるのか分かっているのか!!!

 いつから・・・いつから、貴様はチューベローズの一員になったのだ!!」



・・・え!?どういうこと!?



エルフの王様の言葉に驚愕する!


どうしてローズが犯罪組織チューベローズの一員なの!?


っていうか、どうしていきなり気づいたの!?


・・・は!?


それで皆、ローズに対して一斉に警戒している!?


エルフの王様の言葉にまったく答える様子もなく、

こちらだけを見て、言葉を続けるローズ。




「兵士たちを遠ざけたのも私をおびき出すためよね・・・。

 私がこの状況では表に出てこないから、表に出す計略を謀ったと・・・。

 それにおめおめと引っかかって出てくるとは・・・

 本当に我ながら自分のバカさ加減に呆れてしまうわ。」



・・・いや、別にそんな理由で兵士を調査にあてているわけではないのだけど・・・


どこにいるか全く分からないから、外に兵士を向けただけですけど・・・


はぁ~と額に片手をあてて、ため息をつくローズ。


そんな自分の言葉を完全に無視して、

俺と会話?を続けるローズに業を煮やしたようにエルフの王様が、号令をかける!!




「いつからチューベローズなる犯罪組織に加担していたのかなどどうでもよい!

 今すぐ捕まえて、牢獄で吐かせる!!

 皆!ローズを捉えよ!!!」



エルフの王様の命令で壁際にいた兵士たちが一斉に・・・死んだ!?




「邪魔よ・・・。」



短い言葉だけを発したローズは、気がつけば後ろを向いており、

その両手にはナイフが握り締められていて、

さらにそのナイフには血が付いていた。


滴り落ちる血が数滴落ちたところで、壁際に立っていた兵士たちが

一斉にバタバタと倒れ始めるのだ!!


倒れた兵士たちの身体からは、じわじわと血が流れ出し、床に広がっていく!




「な!?」



短い驚嘆の言葉がエルフ達から洩れる中、

そんな言葉など気にする様子もなく、

血塗られた手でナイフを持ちながらも器用に胸元にあったペンダントを摘まんで、

そのまま口元へ持って行くローズ。



そこで俺は気づいた!!



ペンダントがチューベローズじゃんかよ!!!



そこから先ほどまでの会話の意味を理解した!!



それであんなことを俺に言ってきたのか!!



ってか、周りの人達気づくの早くない!?



そしてチューベローズの一員なら、この光景に納得がいく。


メフィスト家のデスと同じように一瞬で動き回る狂殺人者が一人いるからだ。




チューベローズの首領だ!


ゲームの時は、マントをかぶっていて、倒しても殺すことが出来ずに、

そのまま退散していくためその姿はまったく分からなかったけど、

その中身がローズなんだろう。




「チューベローズの首領・・・

 いや、そもそもチューベローズを作ったのがローズだろう?」



俺の言葉にクスっと笑ったかと思ったら、

口にくわえていたチューベローズのペンダントを離して、俺の言葉に返答をくれる。




「・・・すべてはお見通しなのね・・・。

 どこで私の情報を掴んだのかは、私程度では分からないけど、

 素晴らしい能力の持ち主なのね。

 ねえ・・・アズーリ準男爵様。

 私と共に・・・この世界を狂わせない?」



口には手に付いていた血のせいで、血の跡がついており、

手は血だらけで、その手を俺に向けて差し出してくる狂気じみた光景なのに、

ローズがすると恐ろしい程美しい。




「・・・どうみても血塗られた道でしかないと思うけど・・・。」



差し出された血まみれの手を見て、思わず口から出てきた言葉に、




「・・・そう・・・いいわ。

 私とあなたは違う道を選ぶと言うのね。

 それもまた・・・いいかもしれない。

 あなたと私は別々の道だけど、

 きっとあなたは私を追ってきてくれる。」



・・・いやいや、追わないけど?


何で、恐ろしい敵を追わなきゃいけないの?


それは主人公にお任せだよ!!


モブの俺には荷が勝ちすぎるし!!


俺が言葉を発するよりもローズは一歩早く自分の思いを口にする。




「そんな道もいいのだけど・・・。

 私にとっては最大の壁になると分かっているのなら、

 今この場で排除する方がいいとも思うのよ。」



あ、これ、ダメな奴だ・・・


俺はすぐに剣を取り出して、手に剣を持つ。




「見逃してはくれない・・・て、ところかな?」



俺の言葉に笑みを浮かべて、




「もちろん。そもそもあなたも見逃す気がないのでしょう?」



「それは、これからのことを相談した上で出す結論かな・・・。」



「そう。私と話し合ってくれるの。優しいわね。

 いつかその優しさで私を癒してほしいわ・・・ただ・・・今ではないけどね!!!」



その言葉と同時に目の前にいたローズが消えるのだ!!


気づいた点は修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。


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