901話目 王都からの脱出・・・失敗49
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「……ただいま留守にしております。
御用のある方はピーという発し音の後に、会話を諦めてください」
「諦めるか!! 目の前にいるにも関わらず留守ってなんだよ!?
留守なわけがないだろう!! 何、逃げようとしているんだよ!!
お前か!! お前が犯人だな!!
じゃないと、オリヴィアがここに現れるわけがないんだよ!!
チャッピー!! お前、なぜ俺を裏切った!!」
そんな叫び俺の声に完全におびえたチャッピーは静かに海の中へと戻ろうとするのだが、
「チャッピー……逃げられると思うなよ!!
剣を持っている俺から!! ドロシー!!」
そんな言葉と同時に俺の影が海へと伸びていき、
勢いよくチャッピーを縛りつけていくのである!!
当然、縛れることで自由が奪われるとチャッピーは、
こちらへと顔を勢いよく向けると同時に泣き叫びながら懇願してくる!
「お、お許しくださぁ~~~い!! 主様ぁ~~~!!」
「……何で裏切った?」
俺の影によって縛り付けられて、許しを泣き叫びながら
懇願してきたチャッピーをギロリと睨む。
そんな睨まれたチャッピーよりも早くオリヴィアが愉快げな笑いを浮かべながら、
「私とマコトとの人徳の差だな。それ以外、何もないだろう?」
「……え?」
「あぁん?」
オリヴィアの言葉に驚きの声を上げた途端、オリヴィアからの睨みを受ける。
だけど、おかしいだろう?
オリヴィアに人徳で負けるって……本当に人としてどうかってレベルじゃない?
決してオリヴィアは人徳があるタイプでもないし、というか、人徳はない……
で、なければ何で何度も本気で殺されそうにならないといけないわけ?
そんなオリヴィアにこれ以上踏み込んでいくとやはり命の危険を感じるのでチャッピーに、
「……で、何で俺の居場所を教えたよ?」
グイッと影を引っ張りチャッピーの顔をこちらへと近づける。
俺に睨まれたことでチャッピーは完全に恐慌に襲われている感じでガクガクと震えながら、
「だ、だって……」
「だってなんだよ? 何を言われた?」
詰め寄るように一歩前へと進みチャッピーに近づくと、
それに応えるように唾をゴクリと言わせて飲み込んでから、ゆっくりと震えながら口を開き、
「……と言ったから……」
「え? 何? 最初の言葉が聞こえなかったけど?
オリヴィアに何と言われた? 何て言われて俺を裏切るっていう選択肢をとったわけ?」
ガクガクと震えが一段と強くなってきた後で、チャッピーが意を決したように、
「紹介してくれるって……可愛い女の子を紹介してくれるって言ったから!!」
「いやいや、お前はリヴァイアサンだろうに!?
ドラゴンだろう!? 竜族なのだろう!?
それなのに何で人族の女性を欲しがるんだよ!? いらないだろう!?
種族の壁があるだろうに!?」
驚く俺に、もうチャッピーの勢いは止まることなく、
「我だって同族のメスともイチャイチャしたいわ!! だけど!! だけど!!」
身体を震わせながら、鬼の形相へと変わって、
「今の流行りは人族のメスを侍らかせることなのだ!!
寝そべるオスのドラゴンに団扇で扇がせ、果物を口にまで運ばせて、
果物をちまちまと食べることが竜族で流行っているのだ!!
どこのドラゴンもそうしているって言われているのだ!!
流行りに乗らなければ、メスに嫌われてしまうではないか!!
イイネが貰えないではないか!!」
「いやいや、そんな腐ったような流行りなんて今すぐにでも廃れさせろよ!!
っていうか、イイネってなんだよ!?
何? 承認欲求が強いわけ? いらないだろう!!
ドラゴンてプライドが高いんだろう!?
他人からイイネなんてもらわなくてもいいんじゃないのかよ!?」
そんな俺の言葉に噛み付くように、
「いるし!! 絶対に欲しいのだ!!
イイネの数だけ同族のメスに憧れられるんだ!!
一緒にイイネを貰おうって言われるのだ!!
何なら一緒にお風呂に入って、金銀財宝を撒き散らしながらヒャッホーって叫べるのだ!!」
「思っていることが酷すぎるし、内容も酷すぎる!
どごぞのパリピじゃないんだからな!!
そんなものに憧れるな!!
っていうか、そんな目的のメスが近づいてきたって、
いいように使われて貢がされて扱き使われて終わりだからな!!」
思わず捲し立てるように言葉を述べたことで、肩で息をしてしまう。
それからしばらく肩で息をした後に落ち着いてから、
「そんな理由で裏切るとはいい度胸をしているじゃないかよ……
蒲焼にされる覚悟は出来ているんだな?」
睨みながら剣に力を込めると、慌てた様子でチャッピーがオリヴィアの方へと顔を向けて、
「助けてくれ! 頼む! 約束したではないか!!
主にバレた時は、助けると!!
だから協力してほしいと言ったではないか!!」
「……記憶にないなぁ~、だいたい私のマコトを裏切るようなウミヘビを許すと思うか?
この私が?」
チャッピーからの必死の懇願に首をひねるオリヴィア、それと同時に睨みつけるのだ!!
当然予想だにしていなかったチャッピーは驚愕の顔を浮かべたのは言うまでもない!!
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