890話目 王都からの脱出・・・失敗38
いつも読んでいただきありがとうございます!
今日も宜しくお願いしますねー!!
夏なので! 『王女の犬』始めました!
是非ともそちらも宜しくお願いしますねー!!
「フフフ、目の前にこの王国を代表するほどの美人、美少女がいるにも関わらず、
浮気心を持つのはいかがなものかと思うわよ?
まあ、私は心が広いから許してあげるつもりだけど、
他の子達はどう思うかは……フフフ」
……恐ろしいです、エラさん……
何? エラさんって名探偵だった?
しかも質が悪いことに嘘を見抜く力まである名探偵なんですか!?
……ダメだ……一向に俺の未来が明るく見えない……
そんな中で突然、
ムギュぅう!!
「はうぅぁあ!?」
思わずそんな声を漏らしてしまう!!
その理由は……
「……いますぐに使えないようにしてあげてもいいのよ?」
大事な大事な、俺の大事な……ギュッと握り潰されそうになっているんですけど!?
っていうか、すでにギュって力が籠められているのですが!!
ただそれも束の間で、すぐに手を離してからエラが囁くように耳元で、
「まあ、まだ使う価値があるから残しておいてあげるわよ。
これからしばらくはしっかりと働いてもらわないといけないからね」
……使う価値がなくなった場合には……どうなるのですかね?
俺……女性になったりするの?
そんな中で、エラの行動に対して呆れたような声をかけてくる人物がいた。
「やれやれ、自分に魅力がない女は所詮その程度なのですね」
凛とした声ででそんな言葉を発しながら、階段を上がってくるのは、
こちらも着飾ったドレスを着たエミーである。
いつも俺に対する接し方とは異なり、今は距離を感じるような他の生徒達に接する時の
王族の振る舞いのような接し方である。
まだ学生という身分であるにも関わらず、どこか威厳のあるまさにエルフの王族を
思い浮かばせるその雰囲気と言葉遣いで、
「私のようにマコトを他の女性に見向きもしないほどに
魅了できる魅力がないからなのは分かりますが……
それでも余裕を持って接しないといけないのでは?
余裕のない女性は、男に嫌われますわよ?」
淡いピンクのドレスにどこか自然を感じさせる薄緑色の装飾の品々を付けており、
さすがはエルフの王女だと感じさせると共に、
人とは異なるその美しさに思わず息を吞んでしまう。
さすがはエルフって感じだよ……
エミーを見ながら素直な感想が頭を過る。
そんな俺の思いに気づいているようで、ニンマリとエミーは俺を見た後に
エラの方へと視線を向けてからほほ笑み、
「……これが女のとしての格の違いっていうものよ」
……さっきまでの澄ました言葉遣いと表情はどうしたよ?
一瞬でいつも俺に接するような言葉遣いへと変わっている。
こいつ……本当に王族かよ?
王族っていついかなる時も威厳を持った……
そこまで思ったらところで、自国の王族たちを思い出す。
……いや、違うな……
誰もが己の欲望に忠実に生きているし、
言葉遣いや態度もその欲望に忠実な生き方が出ているわ……
そんなことを思っている間にもエラがエミーに対して、
「……面白いことを言うわね。
あなたの目にどう写っているのかは分からないけど、
貴方に私が一歩でもおよんでいないとは思っていないわよ?
何なら女性として、貴方に勝っているとも思っているわよ?」
その瞬間にエミーの視線が鋭くなったかと思ったら
エラもまた鋭い視線をエミーに向ける!!
お互い顔は笑っているにも関わらず、その目は一切笑っていない。
何なら今にも殺し合いを開始してもおかしくないほどの殺気を込めて睨みあっているくらいだ!
そんな中、先に口火を切ったのはエラの方で、
「つい先ほどまで余裕を醸し出していたのにも関わらず、
次の瞬間には余裕が一切なくなるのね……
エルフ王国の王女様ともあろう御方が心が狭いようでは、
エルフ王国に住む住民たちは戦々恐々、怯えて暮らすことになるのは……
不憫で仕方がないでしょうね」
当然そんな言葉を聞いたエミーの方は、笑顔を浮かべているが、
すでに臨戦態勢なような目をして、
「フフフ、面白いことを言いうわね。
エルフ王国の住民たちは、私が王女であることを本当に喜んでいるのよ。
だってそうでしょう?
私はどこかの誰かさんのように男を馬として扱わないわ。
それに鞭で打つことも蝋燭の蝋を垂らすこともしない。
そんな気持ちが悪い変態ではないのよ」
エラに宣戦布告のような言葉を言った後で、こちらに不意に顔を向けてきたかと思ったら、
「ねえ、マコト。あなたは鞭で打たれたいの?
それとも馬として上に乗せて、そこら辺を走り回りたいの?
それに加えて、口に轡を咥えさせられたいの?
違うわよね? ゆっくりと何もすることがない中で、ゆっくりと部屋で過ごしたり、
どこかの川や湖に行って泳いだりしたいのよね?
そこで私の水着姿を見たいのよね?」
……最後の言葉がおかしいと思うのだけど……
そして別に水着は見たいと思わない……とは、口が急けても言えないけど……
いつも読んでいただきありがとうございます!
是非ともブックマークおよび評価をお願いします!
そのワンポチが……明日のやる気に!!




