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865話目 王都からの脱出・・・失敗13

いつも読んでいただきありがとうございます!

今日も宜しくお願いしますねー!

捲し立てるように喋っていたローズだが、言葉が徐々に小さくなってきて、

顔を下に向けるローズ。


ただ、それも束の間で顔を上げたと同時に……




「……その権利をくれるって言われたら、当然もらいますよね!!

 絶対に受け入れますよね!! 何があっても絶対に手に入れますよね!!

 マコト様だって絶対に受け取るはずですよね!!」



「……いや、受け入れないけど?」



そんな俺からの反論なんて聞く気もないようで、

さらにローズは捲し立てるように喋っていく。




「当然じゃないですか!! 科学の進歩を促す実験が出来るのですよ!!

 私は、自分がどれだけ汚名を被ってもいいのです!!

 その代わりにこの王国が!!

 この世界が一歩でより良い世界に進んでくれるのなら、

 私は汚名をすべてかぶりましょう!!

 それだけの思いが私にはあるのです!!

 この王国に対して!! 私のすべてを尽くして発展させていきたいのです!!」



「……本心は?」



上っ面のペラペラの言葉など心に全然響いて来ない。

それは皆同じ考えなのだろう。


部屋にいるオリヴィアもそうだし、他の騎士や使用人たちも

ジト目でローズを見ている。そんなジト目のせいなのかもしれないが、ケロッとした表情で、




「楽しいじゃないですか!! 人が苦しみもがく姿なんて!!

 それも私の手によってですよ!!

 もがき苦しみ私に懇願するんです!!

 助けて欲しい!! 許して欲しいって!!

 そんな……そんな……そんな姿を見たいと思うじゃないですか!!」


きっと本心なのだろう。

そこは分かる……そこは分かるけど、その本心の内容がひどい……


だから、口から洩れた言葉は、




「……一ミリも伝わらないね……その思い……」



予想していた答えとは言え、言葉にされるとひどいな……


そんな中で、オリヴィアが一枚の紙をヒラヒラさせながらローズに向かって、




「ほら、マコトをここに閉じ込めることに成功した報酬だ。

 貴様の欲しがっていた牢獄への通行許可証だぞ。

 これがあれば、貴様の欲しがった試験用の罪人を自分で選ぶことが出来るぞ。

 だが、どいつも死罪が確定しているような連中だ。

 生半可なことではいうことを聞かないから注意しろよ」



そう言いながら一枚の紙をヒラヒラさせるオリヴィアの横に、

気がつけばローズが移動していて、




「フフフ、やはりあなたとなら、今後もうまくやっていけそうですね」



オリヴィアから髪を受け取りながらほほ笑むローズ。

そんなローズの笑みに、オリヴィアもいい笑顔を浮かべながら、




「ああ、もちろんだ。

 私としても何を欲していて、その欲しているものを手に入れるために、

 しっかりと成果を出してくる者は無下にしない。

 むしろ、お互いの腹の中が分かっていて扱いやすい。

 そこら辺の腹芸の出来る奴なんかよりも付き合うのは清々しい気分になるぞ」



「……一ミリも清々しさなんてない……」



俺の目の前で最悪のコンビが結託した。

ダメだ、この二人がまじりあうと決していい未来は見えてこない。


むしろ最悪に近い、いや、最低最悪な未来しか見えてこないのだけど……


思わず二人の悪い笑みを浮かべている様を見ながら、一歩、また一歩と後ずさりしてしまう。

そんな俺の行動を見逃してくれるオリヴィアとローズではない。


一歩下がった俺に勢いよく顔を向けてきたかと思ったら、

笑顔をむけてローズが尋ねてくる。




「マコト様、どちらに行かれるのですか? 先ほどご実感されましたよね?

 マコト様の力では窓も壁も壊すことが出来ないと?」



さらにローズに続いて、不敵な笑みを浮かべながら、




「そうか実感したか……ならば、どこからも出られないということは理解したな?」



そこまで言ったところでオリヴィアは、指をパチンと鳴らす。

その行為を皮切りに次々と使用人たちが部屋に入ってくるのだ……



手に……




白いタキシードを持って!!




「いやいや、何でだよ!! 何でタキシード!? それも白い!?」



いや、自分で言っているけど、分かるよ!! 何がしたいのか分かるけど!! 


オリヴィアはニッコリとほほ笑みながら、




「さあ、好きなデザインを選べ。

 私的には一番目と二番目に入って来た使用人が手に持っているタキシードが

 好きなデザインだ。まあ、他のデザインは、ヘビ女や枢機卿の娘ども、

 それにブバルディアの小娘たちが選んだモノだが……

 まあ、悪くはないと思うが、パッとせんな。

 華がないというか、マコトにはもっと派手なデザインが似合うと思うぞ」



そんなことを言いながら使用人たちを壁に並べて、俺に見えるようにする。


あぁ~見えやすくなったね!! じゃない!! 




「いやいや、俺の意見を聞いてくれる!?

 何でタキシード!? さっき俺の意思がとか言ったじゃないかよ!!」



そんな俺の言葉にオリヴィアは首を傾げながら、




「だから、マコトの意思で衣装を選ばせているではないか。

 ちゃんとマコトの石を聞いているぞ?」



「ち・が・う!!

 そこの意思を言っているわけではなく、結婚するっていう意思の方だよ!!」


いつも読んでいただきありがとうございます!

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