66話目 3者の視点
セットしていてよかった予約投稿!
月末月初は大活躍です!
(ホフマン視点)
私は、感動していた・・・
何故かと言えば・・・
“レベルが上がりました”
先ほどから私の頭の中にこのメッセージが流れてくるからだ!!
アズーリ様が、エルフ達と共に街の外での調査に参加するということで、
当然私もアズーリ様と共に街の外でのヒュドラの調査をするのだが、
その間に魔物に当然襲われた。
そこで私に奇跡が起きたのだ!!
「ホフマン!そっちに行ったぞ!」
「はい!!」
アズーリ様の言葉に応えて、私の方へと向かってくる魔物と向き直る。
魔物はオオカミの魔物であり、前線でアズーリ様の攻撃を何とか躱して、
後陣に位置取る私たちの元へと駆けてくるのだ。
そんなかけてくるオオカミに私は大剣を振るう!!
横一線に振るった大剣は、見事にオオカミの側面を捉えたと同時に、
深々と刺さり、切断するまではいかずに、大剣に加えられた力によって、大きく弾かれる。
そ
して、何度かのバウンドの後横たえて止まったオオカミは、
無数の煙をだした後に、魔石を残して消えていく。
そして、その直後・・・
“レベルが上がりました”
「また上がったのか・・・だが、どうして・・・。」
レベルが上がらなくて久しい中、このエルフの森に来てから、
急にレベルがあがるようになったのだ。
それはいいことだし、感動してしまうほどの出来事なのだが、なぜなのかが分からない。
一度レベルが上限に達してしまうと、
それ以上はレベルが上がらないと言うのが通説だというのに、
私はレベルがまた上がっていっている。
どういうことだ?
レベルが限界に達しているのにレベルを上げるためには、
格上げの実を食べるなどしなくては・・・
そこでハッとする!
そう言えば、アズーリ様に仕えるになってなぜか、
毎日アズーリ様と共に果物を食べていた。
大して美味しくもない・・・いや、ハッキリと言えばマズイ・・・果物であって、
ある種拷問か?っと思っていたのだが・・・
あれが格上げの実であったのなら納得がいく。
納得がいくのだが・・・
そんな貴重なモノを私のために用意しているということだろうか!?
アズーリ様がこんな私のために・・・・
理由を理解すると歓喜のあまり震えてしまう。
眼からは思わず涙が流れだしてしまう。
私が気を遣ってはいけないっと考えて、
きっと真実は告げずに私に毎日さりげなく渡してくれたんだろう・・・
それに何事もない果物だという意味でもご自分でも私の前で食べている・・・
こんな配慮が出来るのか!!アズーリ様は!!
それに私は知っている・・・
アズーリ様は、行く先々で屋台を覗いては、
「食べたいな・・・だけど、金がないし・・・我慢だ・・・。」っと言いながら
絶対に屋台などで何も買わない。
アズーリ様のような貴族であるのなら、屋台で売っているモノなんて簡単に買えるし、
何なら屋台ごと買うことだってできるだろう。
だが、そんなことはせずに私のためにお金を貯めていて、
そのお金で私のための格上げの実を買われているのですね・・・
くぅうう・・・
このホフマン・・・
一生あなたについて行きます!!!
私が命をアズーリ様に捧げていると、またアズーリ様は叫んで、
「すまん!一匹通してしまった!!」
こうやって私のために魔物の数を絞ってくれて、倒しやすくしてくれる。
ここまで部下のためにやってくれているとは・・・
私は本当に素晴らしい主人に出会えたのだ!!
絶対にこの命果てるまで!
さらには、私に子孫が出来たなら子孫の代まで
必ずアズーリ様に仕えるようにお伝えします!!!
(アズーリ視点)
し、しまった!!!
ビュートやエミーがこちらを見てくるから、
かっこつけて剣を振るったためまた一匹魔物を後ろに通してしまった!!
くっそぉ!!
ダサいな!!
次こそは!
次こそは一発で仕留めないと!!!
・・・ていうか、何でさっきから後ろにいるホフマンは
こちらをキラキラした目で見て来るんだ?
さっき何か泣いていたし・・・なぜ?
・・・ついにバレたかな?
俺があのくそ不味い格上げの実を食べることに最近我慢できなくなって、
ホフマンが必死に我慢して食べている姿を見て、
ちょっと笑いながら食べていることが?
それとも屋台で買い食いするとエヴァさんに怒られていることがバレたのだろうか?
だいたい俺の稼いだ金なら、自分の思うように使っていいと思うのに、
エヴァさんはいつも
「お金があるのなら、開発の方へとしっかりお金を回してください。」
そう言って俺のヘソクリまで没収していったからな・・・
酷い・・
おかげで、屋台を見つけても買うのをためらうようになってしまったじゃないか!!
これでも貴族なのに!!
いつか・・・
俺が大人になったら・・・
屋台まるごと買ってやるからな・・・
あ!?しまった!!!また魔物を後ろにそらしてしまった!!!
くっそう!!エミーやビュートの前でこんなダサい姿をさらすとか!!!
辛すぎる!!
っていうか、神様いるなら、こういう時は、
俺のためにちょっと楽な魔物や数を絞ってくれませんかね!!
先ほどからこっちに向かってくる魔物の数多いし!!!
くそぉおお!!ホント、こっちの世界に来て運が悪い!!!
(エミー・ビュート視点)
「すごい・・・。」
私の目の前に光景に思わず感嘆の声が漏れてしまう。
それにビュートも先ほどから声を上げずに見いていた。
私たちの視線の先には、アズーリがいて、
今、一人で最前線に立って、剣を振るっている。
その剣を振るえば、近づいてきた魔物を数匹まとめて切り倒していく!
それだけではない、斬ったと同時に動き始めているアズーリは、
すでにその後ろから襲い掛かってきた魔物を一刀する。
その剣を振るう姿はあまりに速く強く・・・そして美しかった・・・
だから、ビュートが目を奪われるのがよくわかる。
先ほどから私も感嘆の言葉しか口から洩れていない。
剣に疎い私だけど、アズーリが振るう剣は異質なモノであり、
まるで舞っているように剣を振るって、魔物を葬っていく。
その姿に・・・私は心を奪われていた・・・
魔物襲来が終わって、こちらへ戻ってくるアズーリを見て言葉を掛けようと思うのだけど、
言葉が出てこない・・・
何より心臓がバクバクと早鐘を打ってしまって、頭が回らなくて、
言葉が出てこないのである!
何か、何か言わなくちゃ!
そ、そうだ!
ねぎらいの言葉を掛けなくちゃ!!
「な、なかなかやるわね・・・。」
ど、どうして私はそんな言葉しか出ないのよ!?
そんな私にキョトンとした顔を向けてくるアズーリ。そして、
「・・・まあね。」
「だ、だけど、魔物を後ろに通すところなんかは、まだまだだわね。」
私の言葉にむすっとするアズーリ!
いや、違うの!
言いたい言葉は違うのよ!
もっとねぎらいの言葉を!
ねぎらいの言葉を掛けたいの!!
「疲れているのなら、代わる?」
そーーーじゃーーーない!!
言いたい言葉はそんな言葉じゃないのよぉ!!!
気づいた点は修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。
いつも読んでいただきありがとうございます!
そんな皆様に是非ともブックマークと評価をよろしくお願いします!
小生に活力を・・・ください!




