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54話目 ラプンツェル・フォン・シンダー

シンダー枢機卿の娘登場!!


・・・が!期待のドSの方ではないです・・・

「・・・パーティーに出席したことは?」



「ありますけど・・・

 こんな大きなパーティーなんかに出たことなんてないですよ・・・。」



俺とエヴァさんは、もっか壁の花になっている。


そもそもこんなパーティーになんか現代でも参加したことがない俺が、

どう立ち振る舞っていいのかなんて分からないし、

この場に知り合いなんかオリヴィアとエールしかいない。


ちなみにオリヴィアは、本日の主役のため大勢の人に囲まれている。


エールの方はと言えば・・・




「ねえねえ、ちょっとそこでお茶でもしない?」



・・・他人のふりをしておこう。


目があったエヴァさんも無言でうなづいて、エールの方を見ようともしない。

どうやらお互いの気持ちは一致したようだ。


とりあえずパーティーに参加したという目的は果たしたのだから、

帰ってもいいのではないだろうか?


11歳の子供がいてもいなくてもたいした問題ではないだろうしな。

エヴァさんもすでにいっぱいいっぱいになっているようだし・・・




「じゃあ、帰・・・。」



エヴァさんにそう言いかけたところで、俺に声がかけられた。

その声は聞き覚えのある声であり、あまりここで聞きたい声ではなかった。


・・・が、無視するわけにもいかない。




「アズーリ準男爵様、こんなところで壁の花などをしなくても

 よろしいかと思いますが。」



「・・・残念ながら、11歳の身ですし、社交的ではないもので・・・。」



俺は、言葉と共に声をかけてくれた方へと顔を向ける。

その先には・・・シンダー枢機卿がいたのである。


シンダー枢機卿は、俺の視線に応えるように笑みを浮かべて、話を続けた。




「ふふふ、オリヴィア様は本日の主賓ですからね。

 ふむ・・・確かにアズーリ準男爵様は、

 これまで社交界に出ているというお話は聞いたことがありませんね。

 それでは私が同伴を・・・と思ったのですが、

 ちょうど都合よく本日は娘もおりますので、同伴させましょう。

 いろいろと貴族同士のルールがありますから、

 きっと役に立ってくれると思います。」



「「・・・え?」」



俺の声とエヴァさんの漏れた声が見事に重なった。


エヴァさんには、俺が見たことを伝えたのみだが、

あの戦場に現れた信者を四つん這いにして乗って現れた

エラ・フォン・シンダーの話はしている。


だから、当然この場にあのエラが現れるのかと驚いたのだ。


え?こんなパーティーで現れんの?あの・・・馬と共に!?


そんな俺の驚きを知りもしない様子で、

後ろを向いて娘に前に出るように促すシンダー枢機卿。


俺たちは思わず唾を飲み込んだのだが・・・




「お初にお目にかかります。ラプンツェル・フォン・シンダーでございます。

 先の戦では父と姉の命を助けていただきありがとうございます。」



・・・誰?


こんなキャラを俺はゲームで見たことがないけど?


・・・あ!?姉って言ったね!ってことは、エラの妹か!!


・・・悪いところをすべて姉が貰っていってもらったんだね・・・


残った良心だけで作られたような子だ・・・


双子であるため姉が美人であり、当然妹の方も美人ではある。

美人であるが、残念ながら姉のような派手さは一切ない。



・・・地味・・・


そんな俺の考えを悟ったのか、エヴァさんが気がつけば耳元にまで顔を近づけていて、




「・・・失礼なことを考えないようにしてくださいね。

 ちゃんと挨拶をしてください。」



「あ、う、うん。」



エヴァさんの指摘に動揺しながら・・・なぜバレたんだろうか?

俺は、慌てて軽く咳ばらいをして、返事をする。




「マコト・フォン・アズーリ準男爵です。お見知りおきを。」



さっとノースベルト公爵家の使用人に仕込まれた挨拶をして、

ラプンツェルの方へと顔を向ける。

そんな俺に微笑みながら、




「父からお話は聞いております。

 私と同じ年でドラゴンを相手に真っ向から挑んでいったとうことで、大変驚いておりました。

 自分と同じ年でそんなことが出来るほどの人がいるのかと思い、

 どんな人なのかと思っていたのですが・・・。」



「大して変わらないでしょう?同じ11歳ですからね。」



そう答えながら、俺は頭の中では、同じ年?どういうこと?

エラも同じ年だよな?あ?うん?あ!?もしかして双子なのか!?


そんな結論に達した頃に、ラプンツェルの方から真実を教えてくれた。




「私の姉・・・双子の姉のエラも11歳で“聖壁”の魔法が使えます。

 才女に相応しい才能を持っております。

 マコト様も“聖騎士”をお持ちとのことで、

 その才能に相応しいだけの力をお持ちなのですね。

 素晴らしいことです。」



その言葉に少しだけ影を感じられた。

姉が才女と呼ばれていることに引け目を感じているような・・・




「・・・別に他人と比べる必要なんてないよ。

 自分の出来ることを一つずつやっていけばいいいんだよ。」



そんな俺の言葉に驚いたような表情を一瞬見せたかと思ったら、

少し間を開けてほほ笑むラプンツェル。


その後は、先ほどまでとは少し変わって、

明るくなったラプンツェルとエヴァさんを伴って、

挨拶をしていくことになるのだけど、

オリヴィアに挨拶に行った時には何とも言えない顔をされたな・・・


気づいた点は修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークと評価をよろしくお願いします。

そのワンポチが・・・僕を救いますよーーー♪

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