35話目 ルック子爵の暗躍3
誤字脱字の修正しました!
読みにくくてすいません!
それから、数日後、王都内にある建築組合に
用事があるから来いと一報入れると、
すぐに私の元へと組合の会長が来たのである。
「さすがは、彼のルック子爵邸でございますな。
こんなに素晴らしいデザインが施されたお屋敷を
私目見たことがございません。それに・・・。」
長々と続く賛辞に最初は気分よく聞いていたが、
それも長々と続くとめんどくさいことこの上ないな。
だから、この会長が送ってくる賛辞を遮って、
「とっとと本題に入るぞ!忙しいのだぞ貴族である私はな!」
「は、はい!し、失礼しました!そ、それで本日はどういったお話で?」
「何だ貴様は、私が呼び出した理由がわかないのか?」
「も、申し訳ございません!!!」
頭を下げて謝罪をしてくる会長を見ながら、
王都の連中は情報収集の遅さに辟易してくる。
これほど大きな都である王都にいる商人なのだから、
その耳はいつでも立てておいて、金になることはすぐにでも行動すべきなのに、
私自ら呼び寄せなければ来ない始末で、
それに呼び出されたのなら、何があるということは理解しているだろうに?
なのになぜ、事前に情報を集めて来たりしないものなのか・・・理解に苦しむな。
所詮は平民なのだろう。気高き我々貴族とは違うということだ。
・・・フン!まあ、その下賤の者に教えをするのも気高き貴族の務めだろう。
ならば、一から説明をしてやろう。
「私はノースベルト公爵令嬢の命を受けて、王都からノースベルトまでの道のりに
宿場町を建てていくことになった。まあ正確に言えば、ブバルディア領があるから、
ブバルディア領の手前から、ノースベルトまでの道の各点にだがな。」
「な、何と!?それはそれは・・・なんと大きな事業を!
そうなるとノースベルト公爵家は、ますますご高名を受けることになるでしょう!
そんなお話を聞けるということは、その事業に私も
協力することが出来るということですか?」
先ほどまでの胡散臭い笑みを浮かべていたが、今度は貪欲な顔へと変わる。
こいつらは、金が絡んでくると本当に意地汚い存在になる。
だから下賤の者などクズ・・・なのだ。
「・・・だから、私の言うように建材や人手を集めて回れ。」
「はい!喜んでその話を受けさせていただきます!!!
それで、宿場町はどういったように建設していけばよろしいのでしょうか?
こちらで建設予定図や計画を準備して、お見せさせていただく手順でよろしいですか?」
ここで、しばし考える。いつもの公共事業であれば、
この下賤共に丸投げしているのだが、今回は宿場町となる。
それもその後の運営を任せられる。
ならば・・・私に相応しい街並みにする必要があるな・・・
それも7つもの宿場町があるのだ。
これは、私の美的センスで作れば、それを見た者どもが感動し、
そして私に建築の設計を依頼してくるようになるのでは?
・・・武の才能だけではなく、私の文化的な才能までもが皆に認められる・・・か。
「・・・いや、私自らが宿場町の図を書いていこう。
それに従ってお前たちは建設を進めていけ。」
「ルック子爵様、自らが設計されるのですか!?
それは大変素晴らしい宿場町となるかと思いますが・・・
ですが、お忙しい身と思いますが・・・。」
チラリとこちらへと何かを含んだ言い方をする会長に、私は一瞥して、
「この私に出来ないことはない。」
「で、ですが・・・。」
私が断言したにも関わらずさらに食い下がろうとする会長に、
「くどいぞ!私ならできる!私が図面を書き終えたらすぐに事業は開始するのだ!
その準備をしておけ!」
「じゅ、準備ですか!?それはさずがに図面がなければ・・・。」
「何を言っているのだ!わかるはずだ!
それで飯を食べている者ならわかるだろうに!!」
「で、ですが・・・。」
「くどい!いいか!しっかりと準備しておけ!!」
まだ何か言いたそうにしている会長をすぐさま追い出そうとして、
あることを思い出したので立ち去ろうとする会長へと声をかける。
「ノースベルトにいる下賤な二人の騎士がお前の所に来たら、
建材はもちろんのこと人材を派遣するなよ!」
「そ、そんな・・・ですが、こちらも商売がございまして・・・。」
「くどいぞ!いいのか!貴族であるこの私に対して、そのような態度で!
この事業をお前の所を通さずに別の所・・・
そうだなノースベルトの組合に持っていってもいいのだぞ?」
その言葉に会長が慌てて、
「・・・か、かしこまりました。ノースベルトからの騎士様からの依頼があれば
お断りさせていただきます。」
「そうだ、それでいいのだ。最初からその態度をしておればいいものを・・・
まあ、いい。こちらが準備出来たら呼ぶから、
呼ばれたらすぐに来るようにな!しっかり準備して待っておれ!」
「は、はい・・・。」
それ以上の話もなく、すごすごと私の執務室から出ていく組合の会長を見送り、
私は自分の机へと向かう。
そうだな、私に相応しい宿場町を描かなくてはいけないな。
中央には、王城とは言わないが、絢爛豪華な城が必要だ。
このルック子爵の権威を見せつけるための城がな・・・
いいぞ!
俄然やる気が湧いてきた!!
ならば、まずは今夜からしばらく英気を養うためにもパーティーを開くとしよう。
私が王都に戻って来たと目聡い者がいるだろうしな。
その者たちのためにもパーティーだな。
ふ、ふ、ふ・・・・早速執事を呼んで宴の準備を進めていくのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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