表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第十一章 リベルタス王国 ~別名ゴートゥーヘル王国~
385/960

350話目 チャッピーのせいか・・・

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「なあ、とりあえずチャッピーを呼んできてもらえる?」



目の前にいるシーサーペントにチャッピーを連れてくるように話しかけると、

どこからか取り出してきた大きな岩に殴り書きで書かれた文字を見せてくるシーサーペント。




“お腹が痛くて、今は寝床から出られないそうです”




「ほっほぉ~! 面白いこというね……チャッピーは……」



ちょっと殺気の籠った俺の言葉を聞くと大きなシーサーペントが身震いをして、

俺に対して明らかなおびえを示してくる。


そんなシーサーペントを唖然とした表情で横にいたアリエルが言葉を失いながら見ていた。


うちの連中ならこんなことはないから、新鮮だな……


そんな思いでゴートゥーヘル王国からの使者であるアリエルを見てしまう。

まあとりあえずアリエルのことは、今は放っておいて、




「ちなみにだけど、俺が乗船していた船を襲ってきたのは……

 どういう了見なのかな?」



俺から一睨みで震えながらも、シーサーペントは次の岩を取り出して、

自分の顔を近づけて何やら文字を掘り出して、出来た岩をこちらに見せてきた。




“アズーリ様の船以外は、襲っていいということになっているので……”




「なるほど、なるほどね。確かに襲ってもいいことにはなっているよ。

 そこは事実だ。お前らだって生活があるのは知っているし、

 海で稼ぐのは俺達だけにするためにもいい案だから了解したよ」



そんな俺のセリフに目を聞いて、先ほどまで固まっていたアリエルが、

急に正気に戻ってきて目を見開いて驚きながら、




「そ、そんな約束をしていたのか!? あ、アズーリ伯爵様!!

 ひ、人としてどうかと思うぞ、そんな約束!!

 民すべてに幸福を与えることこそが貴族の務めではないのか!?

 それを稼ぎを独占するために魔物をけしかけて潰すなど!?」



うわぁ~……こいつも真面目な優等生タイプなのか……


スノウホワイト辺りとは気が合いそうだな…とか思いながら、




「だけど、人は襲わないようにしておりますよ。

 ……なあ、そうだよな? 俺はそうお前たちに伝えているよな?」



俺の殺気を込めた視線を浴びたシーサーペントは勢いよく何度も頷く。


うんうん、よくわかっているじゃないか!


ちなみにそんな約束をした覚えは一切ありません。

そして、現状襲われた船に乗船していた乗員たちの中で

海面上にいるのは俺とアリエルのみです。


もしかしたら粉々になっている船の瓦礫のどこかにはいるかもしれないけど、

シーサーペント達が餌を見逃すとは思えないし……


……まあ、気づいてないからアリエルには言わないけど。




「まあ、アリエルの話はいいとして、俺が乗っているのに……気づいていたよな?

 一応、分かるようにと思って魔力を軽く出していたのだから。

 確かにうちの船を使うことを今回の渡航では禁止されていたから、

 アリエル達の乗ってきた船に乗ったとはいえ、

 俺が乗っていると分かるように魔力を出していたし。

 ……で、気づいていたよな? お前達、魔物は魔力を察知する能力は高いしね?」



その俺の問いにシーサーペントは悩みに悩んで……

結果頭を垂れながら岩を出す。




“YES”




「そうかそうか、分かっていて俺を襲ったと……

 ちなみにだけど……お前の意思じゃないよな?

とある奴の意思で襲えと言われたりしたか?」



殺気がこもった俺の視線に怯える様な仕草をしながら、

しばらく何かに葛藤するようなシーサーペント。


しばし固まっていたシーサーペントは、覚悟を決めたような表情に変わると

また岩を出してきて俺に返事をする。




“YES”



「だと思たよ。そうだよなぁ~!

 イヤイヤだけど誰かさんの命令で、仕方がなくやったんだよな?」



そんな俺の問いには、もうすでに覚悟を決めたようで、

勢いよく岩を出してきて




“YES”



「うんうん、辛かったよな……分かる、分かるよお前の気持ちが。

 どうせチャッピーに人質……

 この場合は蛇質を取られて従うしかなかったんだよな?

 違うか? あいつならやりかねないと思うのだけどね」



そんな俺の問いにもう躊躇はないようで、勢いよくまた岩をだしてきた。




“YES”



それを見て大きく頷いて、わざとらしいような仕草をとりながら納得してみせる。




「やっぱりかぁ~! じゃあ全責任はチャッピーにあるな!

 チャッピーの命で俺を襲い、この船を沈没させた罪を償ってもらうか!

 そしたらお前がこの辺りの長になることになるからな!

 もうチャッピーの言うことなんて聞く必要はないぞ!」



その言葉を聞いたシーサーペントはいい笑顔になると同時に、

海底から勢いよく海面へと飛び出してきたかと思ったら、怒気を込めて叫んだ。




“何、我を売っているのだぁ!!

 偉大なる我が蛇質なんてとるわけがなかろう!!

 全責任をなすりつけるなぁ~!!”



怒りのチャッピーが一気に浮上してきたのであった!

いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

そのワンポチが…やる気スイッチに直結中です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] かなり話とんだ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ