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349話目 どこに行くの!?

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「国王様! ならばアズーリ伯爵には……

“ロイヤルハイアット王国の大使”として派遣を体験させて、

 国政とは何ぞやと実務を積んでもらいましょう!!」



「ナイスアイディ~ア!! それ採用! いい案だすじゃぁ~ん!!」



「軽いわ!! っていうか、大使ってなに!?

 そんなの聞いたことがございませんけど!?」



大使としての派遣なんて、ゲームのイベントはなかった! 一切なかった!!


何でここでそんなイレギュラーなことが起きるのだよ!?




「半年だ! 半年間隣国に行ってもらう!!

 ふふふ……今ちょうどいい案件があるのだよ……」



黒い笑顔でこちらを見て来る宰相。


絶対にろくなことを企んでいないのが丸わかりだよ……


だけど、確かにいい案かもしれない……


今、俺がこのロイヤルハイアット王国にいると

最恐の殺人鬼オリヴィアに命を狙われることは間違いない。


とりあえずほとぼりが冷めるまで、それも公然の理由で

この王国から離れることが出来ればオリヴィアと言えど納得する……する?


いや、とりあえず正規の理由で逃げられるのならいいや!! 


いい案だ! 本当にナイスです!!


……あれ? 王国の隣国って……どこ?


思い当たる隣国なんてエルフ王国くらいしか浮かばないけど……




「ゴートゥーヘル王国への大使任命をここに命ずる!!

 いいですね、国王様!

 半年間だけとは言え、これで外交を通じて

 国政がなんたるかを経験することができますから!!」



「ちょっと名前が物騒過ぎやしかせんかね??

 そもそもそのゴートゥーヘル王国ってどこ?

 名前を一度も聞いたことがないのだけど??」



エルフ王国とか聞いたことがあるところではなく、

そもそもこのロイヤルハイアット王国って周りを魔の領域に囲まれているのに、

どこに隣国があるというのだかろうか??


頭の中に地図を思い浮かべても全く持って思い当たる箇所がない。


そんな俺にいい笑顔のまま説明をしてくれる宰相。




「フン! 隣国も知らない者が宰相を務めようとするなど鼻で笑ってしまうわ!!

 いいか、ゴートゥーヘル王国と言うのは、

 王都からずいぶんと川の向こうにある島を支配している国だ!」



「……具体的な場所を宰相も知らないのでは?」



そんな俺の質問にグッとこちらを睨んできた宰相は、




「だ、黙れ!! この式典が終わればすぐにでも王宮に来い!!

 向こうの使いとやらがすでに王宮にいて、

 派遣する兵力を……おっほん!

  派遣する大使を待っているのだからな!!」



「いや、ちょっと待って!? 今、兵力って言ったよね!?

 え? え? それは大使を求めていなくて、

 手を貸してくれる兵力を求めているんだろう!?

 魔物どもにでも襲われて、今にも潰されそうな国ってことじゃないの!?」



どうやら俺の指摘がビンゴだったようで、

子供のように地団太を踏みながら宰相が、




「黙れ! 黙れ! 黙れ!!

 これは王命であるぞ!! いいですね、国王様!

 これで問題が一石二鳥で解決されますから!!

 ゴートゥーヘル王国は兵力が借りられて万歳、

 我がロイヤルハイアット王国もアズーリ伯爵に

 外交という国政の一環を経験することもできる!!

 我ながらいい案です!! どうですか!?」



そんな宰相のドヤ顔にニヤリと国王が笑いながら、




「まあ、儂はどちらでもいいがな。

 半年後に貴様の職がアズーリ伯爵にとって代わられる準備をしておけばいいのだよ。

 そしてお門違いに儂を恨むのではなく、

 アズーリ伯爵をしっかりと恨むのだぞ」



「フフフ、そうなることを願っておりますとも、当然!

 ああ、楽しみでございます。

 アズーリ伯爵が無事にすべて終えて帰ってくる日が

 これほど楽しみになった日はございません!!」



こいつ絶対に俺が帰ってこないと思っているな……


こういう奴の伸びた鼻を思いっきり折りたくなるのが俺の性分なんだよね……


オリヴィアの魔の手からも逃げることができるし……


2年生になってからの大きなイベントとしては、

ヒュドラ退治とそのヒュドラの毒を治療するためのドラゴン狩りくらいしかないし、

何よりそれは2年時の後期に起こるイベントだ……


時期的にも前半の半年いなくなっても大丈夫だと思う……


……行くしかないな!!


よし、ちょっと行ってきて、パパっと解決してくるか!!


ついでに宰相の座を何としても断る方法を考えながら!!


そんな決意をしたことが顔に出たのか、

そのタイミングで国王様が俺に向かって声をかけてくる。




「アズーリ伯爵、そなたをゴートゥーヘル王国への大使として派遣する。

 大変つらい外交経験になると思うが、良いな?」



何か国王様ぽいな……


ただ、前提として辛いことが確定しているのはどうにかして欲しいけど……




「謹んでお受け致します! それでいつからゴートゥーヘル帝国へ?

 今が3月なので、4月からでしょうか? それまでに準備を……」



「え? いや、今すぐ」



「……ふぇ?」



思わず間抜けな声が出てしまうのであった……っていうか、今すぐ!?




「だってぇ~、あの使いの者が王宮に居座り続けて目障りなんだもん!

 ちょっと儂の姿を見るや詰め寄ってきたり、

 どこかで人を雇っているのか、王宮から抜け出すたびに

 すぐに見つかってしまうから外に遊びに行くのもなかなか難しいんだよねぇ~。、

 だから、とっととどこぞの田舎に早く戻って欲しいんだよねぇ~。

 ってことで、今すぐに行ってまいれ!!」



……本当にろくでもない理由で……

いつも読んでいただきありがとうございます。

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