347話目 国王が暴走し始めるのだけど!?
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俺が必死に抗議して抵抗していたのも無駄だったようで、
気がつけば引っ張られて司会者の前へと連れられていた。
見下されたような目で司会者が俺を見て来るのは……そうですよね……
……不本意ながら、俺も同じ気持ちだよ!!
どうして俺が一位なのだよ!ってところはね!!
俺と司会者の視線が飛び交う中でローズが急に俺に声をかけてきて、
「火の鳥の価格は11億でした!
さすがは伝説の火の鳥です!
11億だというのにも関わらず出した途端に売れたという報告を聞いた時には、
私もビックリしました!!」
「いや、もう遅いからね!
そんな情報はもういらいないよ!!
ここに連れて来られた時点でね!!」
そんな俺からの抗議を受けて、ハァ~っとため息をついて、
「ホウレンソウが大事だと言われたのに……
わがままですね……
そんな朝令暮改みたいな感じだと使用人たちは、
大変苦労することになるのですよ?
主としてしっかりと芯を持った言動をしてください!!」
「今は、主人が苦労していますけどね!!
おもに使用人たちのせいで!!
それなのに何で俺にダメだし出来るの!?
逆じゃない? 現状、逆だよね!!」
そんな俺の抗議なんて気にした様子もなくローズは、
「さあ、早くブレイブ王太子殿下様とプライド様の横に並んで、
皆様の期待に応えるべきだと思いますが?」
こちらの言葉を無視して、式典を進めるように促すローズ。
ルビー達もローズの言葉と同様に俺が並ぶのを促してくるので、
仕方がないなぁ……
そう思った矢先に……
「……俺……これが終わったら、とりあえず王国の片田舎にでもいって、
しばらく誰の目にも触れずに過ごした方がいい気がしてきた……」
列に並び、前を見ると生徒達や関係者たちからの視線が痛い……
鬼のように刺さってくる気がするな……
ちなみに一番痛いのは……オリヴィアさんです……
目が一瞬俺とあうとニッコリとほほ笑みながら、
親指を立てて下向きにしたかと思ったら、自分の首をきる仕草をする……
あ、ダメだ、俺この舞踏会が終わると世にも恐ろしい殺し屋に命を狙われる……
とりあえずオリヴィアの方を見たらダメだ……そう思ったら矢先に、
「そこまでして、儂の元で働きたいのか!!
分かっている! 分かっているとも!!
その期待に儂は応えたい!!」
そんなことを泣くほど喜びながら叫ぶのは……ロイヤルハイアット国王である……
そんな国王様が泣きながら天を仰いで神に感謝の言葉を述べる。
「ああぁ~なんて嬉しい日なのだ!!
こんな幸運を儂に与えてくれた神様に感謝を述べさせてください!!
ありがとう神様!! ビバ! 神様!!
そしてこれからもドンドン私に幸運をもたらしてください!!
素敵な女性とたくさんの出会いをください!!
あと素晴らしい部下たちをください!!
そして私を苦しめる様々な問題を、どんな問題でも解決させてください!!
よろしくお願いします!!」
「いやいや、邪すぎて神様も絶対に叶えてくれないお願いばっかりしないで貰えます!?
それと自分に降りかかってきた課題は、
自分の手で解決するようにしてもらっていいですかね!?」
そんな俺の抗議を一切無視して、俺に抱き着いてきた国王様!
「ちょ、ちょっと離れろ! この疫病神!!
いや!! 間違えた!! は、離れてください!! 国王様!!」
思わず漏れた本音を慌てて訂正するのだが、
そんな俺の言葉がこの国王様に届くはずがない!
本当に嬉しそうに抱き着いてきたまま、
俺の方へと顔を向けて、とんでもないことを言ってくるのである!
「あぁ~本当にアズーリ伯爵が、私の息子であったら……どんなに良かったことか!!」
「いや、隣に本物の息子さんがいますけど!?
いるんだから、そちらに頼って貰っていいですかね!?」
……鬼の形相で睨んでくるのはやめてください……ブレイブ王太子殿下……
「アズーリ伯爵なら安心して王位を譲れるというのに!!」
「いや、いらないからね!? こんな今にも沈む泥舟なんてさぁ!!」
グリグリと抱き着いてきて、俺の言葉を一切効かない国王様。
キッチリと誰かさんの地雷を踏み抜くのは、狙ってかな?
それとも本気で天然で気づいてないだけかな?
……人間、本当に怒ると血の涙が流れるのだな……
ブレイブ王太子殿下の目から赤い何かが見えるのは気のせいだろうか?
「わかった! アズーリ伯爵!
次代の国王にするのは無理だが、そなたを大臣にしてやろう!!
そうすればきっと儂の生活が良くなるはずだから!!」
「結構です!
あと、この場合は、民の生活が良くなるって言ってもらえませんかね?
みんなからのヘイトが、どんどん上がっているのを
骨身にしみて理解できるのですけど……」
絶対に良いことなんて何もないはずの大臣になんて
なりたいとは微塵もおもわないし!!
「そんなに喜ばなくてもいいではないか!」
「まったくもって喜んでいないけどね!?」
俺の話を一切聞かずに話を進めて行こうとする国王様に、
さすがに待ったの声がかかるのである!!
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