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342話目 邪な目で見られるのはちょっと・・・

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「あら? 肘を痛めたのじゃなかったかしらね?

 そんな万全な状況でないあなたに無理はさせられないわ。

 だから、代わりに私が踊ってきてあげるわよ、エミー」



いい笑顔で微笑んでいるねぇ~、エラさん!


さっすがは人を煽る才能は今日も絶好調で!


当然、そんなエラに噛みつくようにエミーが吠える。




「私は大丈夫よ!! 踊りの一つや二つくらい余裕で踊れるわよ!!

 だから、代わってもらわなくて結構よ!

 さあ、私と踊りないさい! マコト!!」



「もう遅いわよ、さっき断言したのだからね?

 私とマコトが踊り終えたら、ちょっとは時間が経って回復したとでも言えばいいのよ。

 ゆっくりと二人っきりで踊ってくる間にね♪

 それじゃあ、行きましょうマコト。

 あの年増が戻ってくる前に踊りだしてしまえば、何も言えないもの」



いい笑顔で言い切ったかと思ったら、オリヴィア方へと視線を向けるエラ。


その視線に気づいたのかオリヴィアがガッツリと睨んでくるのだが、

それを良い笑顔で返した後で俺の腕を引っ張りながら

舞踏会場の中央に引っ張っていくのであった。




「マコト様、大丈夫ですか?」



すでに代わる代わるエラから始まって、

エミー、スノウホワイト、アリス、遅れてきたルビーとも踊った。


踊るだけならこんなに疲れたりはしなかっただろう。


……みんな言いたい放題言うのですよ……


楽しく踊るだけではダメなのかな?


そんな疲れ切った俺は、今はラプンツェルと一緒に踊っている。

心配そうにこちらを見て来るラプンツェルにほほ笑みながら、




「大丈夫だよ。それよりもいつも苦労をかけてすまないね」



ラプンツェルは労りの言葉と俺の身体のことを心配する言葉以外は何も言ってこない。


いい子だ……


どうやったら、私の前で四つん這いになるの?とか、

私に跪いて足の甲にキスをすることを許してあげるわよとか言わないし……


俺の周りにいる人間の中でトップクラスにいい子だよ!!


そんなことを考えているのを知ってか知らずか、

ラプンツェルは、俺の言葉にフフフっと笑いながら、




「いつもマコト様に助けていただいてばかりですから。

 これくらいでしかお返しすることが出来ません。

 ですので、気にする必要はございません。

 これからもずっとマコト様をこうやって支えていければと思っておりますので、

 今後も頼って貰えればうれしいです」



……良い子です! ラプンツェルさん!!


お姉さんがエラとは思えないよ!!


どこで遺伝子が曲がった??


もしくは遺伝子しっかりとエラにも働いて!!


そんなことを考えているのが顔に出たのか、苦笑するラプンツェル。

静かに踊るとあっと言う間に一曲が終わってしまう。




「さあ、次はフィラ様と踊ってください」



そう言って踊りっている輪の外で待っていたフィラと交代するラプンツェル。




「もうちょっと踊っていたかったな……」



そんな思わず漏れた言葉に嬉しそうな笑みを浮かべてラプンツェルは、




「私もですが、そうは言っておれません。

 舞踏会自体は今年の学園の舞踏会に送られた品々の査定が終わる

 2、3時間ほどで終わってしまいます。

 その時間しかございませんので、出来る限りマコト様に

 好意を抱いております女性と踊ってください」



「え? いや、別に知らない人と踊らなくても……」



そんな俺に対して、きっぱりと言い切るラプンツェル。




「いいえ、このような時しか思いを伝えることが出来ない方もおられます。

 その方の思いを聞くのも貴族というか、男性の務めだと思っております。

 ですから、次はフィラ様と、その後はコレット様、

 その後も続々とマコト様と踊りたいと思っている女性達と踊ってください」



そう言われて、フィラとその後ろにいたコレットを見る。


まあ、ここまでは理解できる……出来るけど!!


その後ろの奴らの目が尋常ではない気がするのは気のせいだろうか!?


いいや! 絶対に気のせいではない!!


あれは……獲物を狙った目だ!!


見たことがある……戦場で!!




「……ねえ、ラプンツェル。

 あの中には邪な目で俺と踊りたいと思っている女性もいると思うけど?」



「……その時は、貴族として対応してください」



苦笑しながら、諭すように話すラプンツェルさんだけど……




「……ムリ……だって、あの必死さにドン引きしているし……

 何よりあいつらの目には、俺がお金に見えているとしか思えないもん!!

 絶対に金蔓としか見てないって!!」



そんな俺の言葉を聞いて苦笑しながらラプンツェルは、




「大丈夫ですよ、マコト様。

 常に私はマコト様におります。

 何かあればすぐに助けに参ります。

 ここは私がマコト様のために戦える戦場ですから、

 絶対に私が助けにまりますので」



……ラプンツェル様!! おっとこまえですやん!!



ちょっと神々しくラプンツェル様が見えるのですけど!!



そんなラプンツェルの頼もしい言葉に背を押されて、

俺はフィラの手を取って踊り始めるのであった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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