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335話目 橙色のドレス

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「ここにいるそうだな! エラ! 迎えに来たぞ!!

 さあ、私のために着飾った姿を見せてくれ!!

 その妖艶なボディを惜しげもなく私のためだけにさらしたドレスを!!

 さあ、早く!!」



そう言って扉を開け放ったのはスター・フォン・プライドだ!!


……いや、入ってくるなり言うセリフじゃないと思うけど?


興奮を抑えきれない様子のスターが着ている服の色は……



橙色!!



何でだよ!?



どうしてブレイブ王太子殿下とおそろ……は!?



ここで俺は直感的に確信する!



ローズは知っていた!?



もしくはスターとブレイブ王太子殿下の服の色を橙色になるように仕組んだのか!?



そんな考えが頭の中を駆け巡る中、いい顔でこちらに指でグゥを作り、

こっそりと示してくれたウィッチ先生が視界に入った……


どうやら後者のようだな……完全にローズが仕組んだ罠?だな。


ですよねぇ~……


そんな結論を出している間にもスターの方は

何も気にしていない様子でエラの方へと向かうのだが、

なぜか俺を一睨みしてからエラの傍へと進んでいった。


ただ、その間にもルビーが目に入ると目を見開いて驚いてから

こいつもまた上から下までルビーを舐めまわすように見る。


見る……


見る……


そして、結論が出たのかルビーと視線を合わせてから

やれやれと肩を竦めながら、




「何だ女、お前は私に抱かれたいのか?

 私の女にするのは無理だが、そうだな……

 まあ、そんな平凡な顔と身体を一度……

 いや、たまになら抱いてやってもいいがな。

 女として生まれた喜びを私が教えてやってもいグフゥ!?」



……うん、見事に槍の石突の部分でスターの頬をぶん殴ったな……


まだ槍を手放してはいなかったのね……


ドレスに槍、他にもドレスにナイフを仕込む……


これから行くのは戦場? 舞踏会ではなくて?



ドヤ顔で自分に酔った感じで目を瞑って喋っていたため

ルビーの行動を完全に把握できていない状態だったスター。


振りぬかれた石突が完全にクリーンヒットを受けたかと思ったら、

そのまま地面に倒れてピクピクとするのである。



……また一体死体が出来上がったけど……この死体はどうしたものかな……


この控え室には多くの人がいるにも関わらず

倒れたままの状態のブレイブ王太子殿下とスターを

誰も介抱する様子はないし……まあ、とりあえず放置で!


完全に振り切った状態で肩で息をしながら停止しているルビー。

しばらくその状態であったが、息が整った同時に顔を上げて、




「どいつもこいつも!!

 私の容姿はいい方なの!!

 誰が平凡よ!! 誰が能面よ!! 誰が特徴のない顔よ!!

 あなた達の目は節穴なの!?

 っていうか、完全に節穴じゃない!!

 一度医者にかかってから私を見直しなさいよ!!」



……誰もそこまで言っていないけど……




「だいたいどこが平たいって言うのよ!!

 ちゃんとあるわよ!! どこ見ていっているのよ!!

 私は着やせするタイプなの!!

 脱いだらちゃんとあるのよ!!

 それを確認もしていないで、勝手なことを言って!!

 絶対にないとか言わせないわよ!!」



……どうやらルビーの中で相当溜まっていたようだ……


確かに入ってくるなりブレイブ王太子殿下とスターの二人から

同じような内容の言葉を言われたのだから、そりゃ~たまるな。


いや、たぶん本人がめちゃめちゃ気にしている地雷なのだろう。


うん、今度からちゃんと気をつけよう……


そんなことが考えている中で目の前にいたルビーは更に一段と震えたかと思ったら、

ルビーが天に向かって吠えた!




「だいたい何で私が振られたことになっているのよ!!

 しかも二人から!!

 無理? こっちこそ無理に決まっているでしょう!!

 そもそもこっちはどちらにも求婚なんて一ミリたりともしてないわよ!!

 なのにどうして振られているのよ!!

 ありえないんだけど!!

 はぁ~? こっちからあなた達二人なんてお断りよ!!

 願い下げにきまっているじゃない!!

 身体しか目当てがない連中なんて!!

 将来性も何もない連中なんて!

 いつ潰れてもおかしくない家柄の二人なんて

 金輪際こちらからお断りさせてもらうわよ!!

 そうよ! 私の方からお断りなのよ!!

 わかった!! 聞いているの!!

 私の方からお断りなのよぉ~!!」



「……いや、二人とも見事に気絶しているのだから

 聞こえているわけないけど……」



ルビーの一撃でねとは口が裂けても言わないけど……


そんな勢いのままルビーは、




「ローズ!! あなたね!! こんな状況になったのは!!

 あなたのせいで二度も振られたわよ!!」



クワっと目で睨むルビーに肩を竦めてローズは、




「ですが、そのドレスは本当に似合っていると思います」



「いや、似合っているわよ!! それは分かっているわよ!!

 だけど、似合っているとか今は問題じゃないのよ!

 こいつらの対色の色のドレスを用意したことよ!! 問題はね!!」



「そう……そうなのです……

 私も本当はルビー様に橙色のドレスを用意しておりまして……」



そう言うと指を鳴らすローズ。

それに反応するようにどこからともなく使用人たちが現れたかと思ったら、

使用人達が手にもっていた橙色のドレスを広げたのであった。



……あるじゃんかよ……


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

そのワンポチが…明日の活力につながっておりまーす!

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