293話目 舞踏会
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話を戻して学園主催で行われる学年末の舞踏会だが、これがただの舞踏会ではない。
1年生時には決闘があるので関係ないが、2年生からはしっかりと参加できるために
舞踏会の内容は記憶している。
舞踏会だから当然優雅に踊り、踊らない時には同級生や先輩、後輩たちと談笑する。
もちろん立食式で用意されている食事を摂ったり、お酒を嗜んだりする。
学生なのにお酒? という疑問はあるけど、ゲームの中ではそんな設定だ。
というか、このゲームの世界では年齢制限はないことになっている。
本当に一般的な舞踏会のようだが、一点だけ通常とは異なる点がある。
「持参する料理のこと?」
俺の言葉にニヤリと口角を上げて笑ったかと思ったら、
「さすがだな、マコト。
お前のことだから抜け目はないと思っていたが、
やはり抜け目がなかったな。安心したぞ」
そう言いながら、上機嫌に紅茶を啜るオリヴィア。
この舞踏会においてちょっと変わっている点は、
料理を一人一人が持参することになっている。
いや、ちょっと違うな。
持参しなくてもいいけど、だいたいの貴族達が持参する。
そこには当然自分の家の財力を示すためにという意味も含まれているが、
もう一つ持参する理由がある。
その理由はこの持参した料理を評価し、そして上位3人に入ることが出来れば、
学園長からご褒美を貰えるのである。
今回の場合は国王が学園長なので、国王から貰えるとなれば、
一段と皆が気合を入れるはずだ。
というか、その後ろにいる当主達がであるけど……
学園の生徒達ための舞踏会ではあるが、
すでにそこは大人のいやぁ~な黒さのある世界となっている。
ちなみにゲーム上では、持参する料理に対して金を積めば積むほど
一位を獲る可能性があるシステムになっていた。
だから、それに習うと俺も金を積んでいき、
高級料理を持参すれば一位をとることができるのである。
ただ疑問点は1点!
ゲームの設定はそうだったけど、実際にゲームにいる場合はどうなるのだろうか?
ただただお金を積んでいけばいいとは思えないのだけど……
ちなみにこの舞踏会の食事で競い、一位を獲ることで得られるものがある。
それは学園卒業後に王宮で働くことが出来る権利である。
しかも幹部としていきなりの大出世付きで!
いわゆる課長みたないポジション?
その後もすぐに昇進して、部長? 取締役?
そして大臣に就任みたいな感じになるのかな?
だいたい若く大臣になった連中はこの道を通って就任するということ
がゲーム内の情報であった。
ちょっと今度調べておいてもいいかもね。
まあ、主人公は王太子殿下という立場だったので別に一位を獲る必要はなかったけど、
二位には大変興味……というか、たいていのゲームをしていた連中は
二位と三位を本気で狙っていたのは言うまでもない。
というか、狙わないといけなかった!
「そこまで知っているのなら……狙う順位は分かっているだろうな?」
ジッとこちらを見ながら俺に尋ねてくるオリヴィアに俺は頷いて、
「二位、もしくは三位を狙う」
俺の返答を聞いたオリヴィアはニヤリと笑う。
どうやらオリヴィアの狙いも二位、もしくは三位ということなのだろう。
「ふふふ、良く分かっているじゃないか。
その通りだ。狙うのは二位かもしくは三位を狙うのだ。
間違っても一位なんかを獲るんじゃない。
順位外なんてのはもってのほかだがな……」
ちなみに二位と三位では大きな違いがあることはない。
いや、違いは当然あるのだけど、ゲーム上ではどちらかに入ればいいのだ。
二位の褒美としては学園長が1つだけ願いごとを叶えるという褒美で、
三位の褒美は学園にある宝物庫から一つだけ持ち出すことが出来る権利だ。
このためゲームでは、二位になった場合にも
宝物庫から1つだけ持ちだしたいとお願いをすることになり、
実質的に二位と三位のご褒美の内容が同一のものになって問題ない。
そして学園の宝物庫にある持ち出したいアイテムについては3つの選択肢がある。
1つ目がどんな敵でも斬り倒すことが出来る聖剣!
これは魔王を討伐するのには欠かせない武器である。
何でそんなモノが王国の宝物庫ではなく、学園内の宝物庫にあるのかは
ゲームだからというところだろう……
じゃないと、そんな大事な聖剣なら即王国が没収してそうだし。
2つ目が聖女用のアイテムで聖具と呼ばれるものだ。
これをつけることでメインヒロイン達はグッと強くなる代物だが、
それ以上に役に立つのがメインヒロインの好感度を上げることが出来るアイテムであり、
メインヒロインと結ばれるためには絶対に必要なアイテムであった。
エラ以外は聖女でないんじゃない?
と思うけど、なぜか装備が出来る代物だ。
っというか、聖女じゃないからと思ってそのままシナリオを進めていくと
結ばれないというトラップにエンディングで気づくことに!!
……それはひどくないかい?
っと思ったのは言うまでもない……そしてやり直しへ……
だから、絶対に2年時は聖剣を、3年時には必ずこの聖具を手に入れて、
自分が押し(推し)ていたメインヒロインの一人に渡すことが必須であったのは言うまでもない。
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