271話目 決闘が!?
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そして、剥ぎ取るようにブレイブ王太子殿下の手袋を……取れない?
「うん? どうした? 俺の手を握ってきて? ……は!? もしかして!?」
満面の笑みになるブレイブ王太子殿下!!
「いや、ちがぅ……」
「その手を離せ!! ブレイブ!!」
ウィッチ先生の言葉を掻き消すようにスターが言葉を重ねてきた!
……ただ、握っているのはウィッチ先生の方だけど?
とは、ならないのかな?
そんなスターにニヤリと笑い勝ち誇った顔で、
「貴様よりも俺を選んだのだ! ウィッチはな!! フハハハハ!! 正義は勝つ!!」
「ち、違う!! 私はただ白い手袋を取りたかっただけなの!!」
でしょうね……とみんなは思っているのだが、
当の2人は全くもって理解はしておらず、
「クハハハ! 無様だなスター! 貴様は所詮道化でしかないのだ!! とっとと……」
パシン……
得意気に喋っていたブレイブ王太子殿下の言葉を遮るように……
白い手袋は投げつけられた……
投げつけたスターは投げた姿のまま固まっていたが、
辺りが静まり返ったところでゆっくりと顔をあげて動き始める。
「貴様の横暴……目に余る!! これ以上の横暴は許す気はない!!
天に代わって、貴様に天誅をくらわせてやる!!」
ビシッ!とブレイブ王太子殿下に指を指してポーズをとるスター。
そんなスターにブレイブ王太子殿下は、
口角を上げた顔のまま、いやますますのニタリ顔をして、
「この意味が……貴様に分かっているのか?」
そう言いながらゆっくりと上半身を倒して、地面に落ちていた白い手袋を拾う。
いや、当然分かっているだろう。
だから、投げつけたんだし……
やっぱりこの王太子殿下は、ちょっとオツムが弱いんだろうな……
そんなことを思いながら、スターの次の発言に注意を払う。
「……当然だ。このスター・フォン・プライドの名にかけて貴様を……倒す!!」
うんうん、ゲームで観た台詞だよ。
ここでブレイブ王太子殿下が返す言葉の選択肢は3つある。
『そこまで俺の態度は横暴に……』と改心する台詞を言う選択肢が1つ。
『王太子殿下としてではなく、1人の男としてこの決闘を受けよう!』と公の決闘ではなく、
私闘として受けて、お互いの立場には影響がないようにする選択肢が1つ。
それとあと1つが……
「貴様に出来ると思うのか!? 貴様程度の男がな!!
この決闘に勝ったら、貴様は我がロイヤルハイアット家に牙を向けた逆賊として、
プライド侯爵家はとり潰しにしてくれるわ!!
このロイヤルハイアット家の全権力を使ってな!!
貴様の軽率な、そして数々の俺に対する非礼をここですべて晴らしてくれるわ!!」
うんうん、それでこそブレイブ王太子殿下ですね!
想定していた台詞を迷うことなく選択されて!
一応、決闘が受理された場合、それぞれの希望を述べて、
勝った方の希望通りになることにはなっている。
……本当に大人げないけどね!!
なかなか、王家の権力でもプライド侯爵家を潰すのは難しいけど、
決闘のルールに基づくと出来てしまうんだよね~……
ただまあ、今後のゲームの展開には多大な影響を与えて、
スター不在のためにゲームの難易度は段違いに上がってしまう。
今のブレイブ王太子殿下で残りのイベントを無事にクリアできるのか……
いや、無理じゃねえ?
「俺の願いはただ1つだ……ウィッチを俺だけのモノにする」
当事者そっちのけで話が決まっていっているけど……
チラリとウィッチ先生の方を見ると、右往左往しているウィッチ先生がいた。
そりゃぁ~そうなるよね……
別に2人が好きでも何でもないのに、気がつけば自分の身が誰のものになるのかが
決まっているのだからね。
しっかし、やっぱりゲームの展開通りに
ブレイブ王太子殿下とスターの決闘になるもんだね……
てっきりあの流れからして、俺が2人と決闘すると思ったのに……
それに不本意ながら傍にはメインヒロイン達が終結しているし、
どこかで俺がブレイブ王太子殿下のポジションで主人公だと思ったのに……
全くもって思い通りにはいかないな……
時期的にも早いけど決闘イベントはしっかりゲーム通りに起きたのなら、
これからもゲーム通りにイベントは起きて逝くんだろうなぁ~……
そんなことを思っていると急に、
「た、助けてよ!!
私の意見なんて全く無視されて話が進んじゃっているんだけど!!」
気がつけば傍にウィッチ先生がいて、俺に泣きついてきていた。
「自分で何とかしたら? 得意の魅了でおさめればいいんじゃない?」
「出来ないから困っているんじゃない!!
魅了は確実に効いているけど、だけど私の意思通りにはまったく動いてくれないのよ!!
だいたい2人をあなたにけしかけたかったのに、
2人で言い争うし、決闘までしちゃうし!!」
「……何か大人で策士な感じで最初出てきたわりには、
残念キャラで終わっているな……ウィッチ先生は……」
そんな俺の感想に泣きついてきていた表情から一転して、
キィッとこちらを睨んでくるのであった!
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