表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
299/960

264話目 籠絡されたルック子爵

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「はぁ~!? 貴様、本気で言っているのか!?

 そんなバカなことがあるわけないだろう!?」



「本気ですよぉ~、アズーリ君は……男色なんですって!」



「そんな話なんて……今まで一度も聞いたことがないぞ……

 そんなバカな話があるか!!

 その根拠を言え! なにか根拠があるのか!?」



「そんな耳元で大声を出さないですよぉ~。

 こんなに近いんだから大声出されるとビックリしちゃうだからさぁ~」



そう言いながらルック子爵の頬を指でつつく。


そんな私の仕草に笑みを浮かべながら、

私の腰に回している手に力を込めて

わたしを自分の身体に手繰り寄せるルック子爵。




「もおぉ~、誰か来たら変な誤解をされちゃうわよぉ~」



今、私はルック子爵の膝の上に座っている。

会う度に魅了していった成果であるのだが……


いやぁ~男子生徒と一緒で簡単に籠絡出来たのは滑稽だけどねぇー!


いつも上から目線で喋ってきていたわりには、本当にチョロい男よ!


初めは一応私のことを蔑んだ目で見ていたけど、

今や熱い熱を帯びた目で私を見てきているわ!


私に首ったけな目でこっちを見ていると思うと

なかなか気分がいいものねぇ~♪


しっかし、本当にちょろい奴だったわね……ただ……


私は微塵もあなたに興味がないけど、利用できるうちは利用してあげるわ♪




「貴様の能力は、確か……本心を見破るの……だったな?」



「ええ、そうよぉ。 ただ見破れるのは断片的だし、

 私に関することしか出来ないけどねぇ~。

 そんな使い勝手が悪いし、断片的な本心とは言え

 これを使えば相手が私にして欲しいことが分かるから

 簡単に籠絡できるんだよぉ~」



全くの嘘だけどね!!


見破る魔法は、聖光教会で有名だからあってもおかしくない。


本心を見破るなんて出来ないけど、私に魅了された男なら

私のしたことが勝手に自分のしてもらいたいことに変換されているだけなんだけどね。


恋なんてそんなものじゃない?


勝手に好意があるとか、俺のためにこんなことをしてくれたって

こっちは全然そんなつもりもなくやっただけなのに

妙な変換をされちゃうのよねぇ~……


そういえば学生の時に、隣の子にパンを少し分けてあげたら

気がつけば勝手に私が好意を持っているとか思ったらしくて、

彼氏面するようになったわね……


あいつ、何をどう考えたらそんな結論に達したのかしら?

話をまともにしたことすらないのに……


何か……その男に似ている気がするわ、ルック子爵って……


ルック子爵を見ながらそんなことを思いながら、現状に意識を戻す。


すでにルック子爵は私に籠絡されているのだから、

本当のことなんて言うわけもないじゃない。

魅了のことを意識されるとけっこう簡単に看破される可能性があるしねー。


意味ありげにルック子爵がこちらを見てくるので、

その視線に気づいて意識を思考からルック子爵へと戻す。




「……なあ、ウィッチよ……お前の本当の名はなんと言うのだ?」



髪を撫でながら私に尋ねてきたのだが、




「ひ・み・つ・よ♪ 

 ……女は秘密がある方が魅力的じゃなぁ~い?

 秘密を持つ女こそあなたにとって刺激的だと思うけどぉ~?」



そんな私の言葉に笑いながら、




「ふふは、そうだな。

 これも仕事であったな……だが、この仕事が終わったら

 今度は個人的な付き合いをしようじゃないか。

 私の女になれば本物の貴族の生活を堪能させてやろうじゃないか!」



死んでもお断りだけどね!


あんたの女とか考えだけで吐き気しかしないわよ!!


そんな本心とは全く真逆の言葉がスラスラ口から出てきて、




「いいわよぉ~。た・だ・し! 私を満足させられたらね♪

 なかなか私が満足できる人なんていないわよぉ?」



「フフフ、この私に満足させられないと? 貴族の嗜みだぞ」



そう言ってキスをしてこようとしたので、

それを躱すようにルック子爵の唇に指を当てて、




「今日はメフィスト伯爵様にお会いになる日でしょう?

 お忘れですか?

 私とのあまぁ~い時間を過ごす時間がないんじゃなくて?」



そんな私の言葉を聞いて、しかめっ面を作りながらため息をつく。

そしてそのしかめっ面同様に、口から出てくる言葉も苛立ちを含んだものだった。




「……確かにな。今日は……メフィスト伯爵に会う日だ。

 あいつも必ずウィッチと会う日に約束を取り付けてきおって……

 そんなに私とウィッチが仲良くなるのが気に入らないとは……

 本当に小さな男だな」



ブー! 残念です!


私がメフィスト伯爵が約束を取りつけようとした日の情報を先に入手して、

一歩早く予約を入れているのよ~!


ここまでずっと被っているのに気づかないのぉ?

どれだけお馬鹿さんなのよ!! 笑っちゃうわね!!


現実に引き戻されたようで、私との甘い続きを諦めたようだったので、

私の腰に回して拘束していた手から力が抜かれた。

なので、ゆっくりとルック子爵の膝の上から降りると、




「……あのクソガキは……抱けたのにな!

 ……不愉快だな……

 今考えると安直な手を打ってしまった。

 あのクソガキ……殺してくれようか……

 私のウィッチに手を出したことを後悔させながら殺してやるか」



うわぁ~、嫉妬しているじゃない!


気持ち悪い~!


メフィスト伯爵のことを小さい男だとか言っていたのに、

自分も小さい男だって気づかないのかしらね?



いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

そのワンポチが…私のやる気につながります!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ