215話目 脅迫を受ける!?
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「そうなのだ……そうなのだよな……
昨日の襲撃で国王をはじめ、王国の幹となる大貴族達を
命を懸けて守った若者に褒美で爵位一つも与えない
老害がいっぱいいるのが嘆かわしい……すまないな、マコト」
「え? いや、俺としては老害最高!だけど?」
そんな俺の言葉を聞いた瞬間にクワっ!!っとこちらを睨んでくるオリヴィア。
……殺される!?
っと思わず、椅子に座っているため後ろに下がることが出来ないが、
上半身だけは後ろに下がる。
「……安心しろ、マコト。
今すぐにっとは言ってやれないが、
出来るだけ早く老害を葬ってやるからな……物理的に」
「……物理的に?」
「もちろん、地位や富など失っても奴らはどこからでもまた生えてくるからな。
根から断たねばならん」
「……国のお偉いさんを雑草扱いはどうかと思いますけど……」
「そうだな……雑草に失礼だな。
あれでも雑草は役に立つからな。
マコトの言う通りだな、あいつらは雑草以下の存在だな」
「いやいや、そういう意味で言ったわけではないのですけど!?」
「それでな、今日ここに来たのは、マコトにとっていい話を持ってきた」
「いや、俺の話を聞いてもらっていいですかね?
さっきから全然人の話を聞いてくれない人しかいないんですけど!!」
そんな俺の抗議なんて一切オリヴィアには届くことなく、
オリヴィアは話を続けていく。
「少し前から辺境では盗賊や山賊が増えてきているのだ」
「……何でまた?」
「どうやら辺境に物資が届かなくなってしまったらしく、
物価の上昇が起きてしまい、その影響で少数ではあるが
貧しい平民達が生きていくために盗賊や山賊に身を落としているということだ。
そして物資を届ける商隊を盗賊たちが襲い、
ますます平民達に物質が届かなくなり、
盗賊や山賊たちになっている……まさに負の連鎖が起きているのだ」
「……ひどい話だな……」
「うむ、まさにひどい話だ。
そこに傷に塩を塗るように、その地域を治めている貴族共が
物資を買い占めて、ますます平民が苦しんでいるのが現状だ」
「……最低な貴族達だな……」
嫌悪感が湧いて来る話に思わずこぼれた俺の言葉。
その言葉を聞いてオリヴィアは頷いて、
「そうだろう、最高の貴族だろう」
「……え、いや、俺は最低って言ったんだけど?」
オリヴィアの中で、俺の言った言葉がすり替わっているんだけど……
最低って言ったのに、何で最高って言葉に変わっている?
「喜べマコト。鴨が葱を背負って来たぞ!
大義名分と共に手柄が向こうから来たのだからな!
盗賊どもを駆逐して、ついでに最低な貴族共も駆逐できる!
そして手柄までもが手に入る!!
一石二鳥とはまさにこのことだな!!
この手柄ならあの老害共も手柄を認めないとわけにはいかないからな!
一石二鳥どころか、一石三鳥だな!!
私の日頃の行いの賜物だ!!」
「……いろいろとツッコミたいところが多すぎてコメントに困るのだけど……
とりあえず俺、今授業中だけど?」
そんな俺の言葉にああっと言ったかと思ったら、一枚の紙を俺に渡してくる。
「……受け取りたくない」
絶対に不幸な内容が書かれている手紙だと分かっているのに
受け取るはずなんてないだろう!!
そんな俺の思いは一切に読み取ることなく、
俺宛の手紙をその場で封蝋を壊して、広げるオリヴィア。
「喜べ、マコト! 国王からの勅命だ!
授業を公的に休むことが出来るぞ!」
「全然喜べないけどね!! って、言うか……」
俺が立ちあがって、身をひるがえそうとしたところで……
「……自分の行動に恥じることはない?」
俺の言葉にオリヴィアが、フフフと笑って、
「いやぁ~心はもちろん痛んでいるぞ?
ただ……国王からの勅命だからな。
心を鬼にして勅命にマコトを従わせねばならないのだよ……
ああぁ~、心が痛い! 痛いなぁ~……」
そう言いながら、微塵もい違った様子もなく、
ケロリとした表情でいうオリヴィア。
ちなみに現状は、扉という扉には騎士たちが配置されており、
俺が逃げだすことが出来る場所はない。
何なら、その一団とは別に俺の周りの女子達の周りに騎士たちを配置していて、
抜刀すらして構えているのだけど……
エラとかエリーを人質に?
……いや、エラとエリーなら……っと、いや、大事な友達だ!!
エラとエリーからの鋭い視線が俺に注がれる!
「ちなみに今日連れてきているのは、
ノースベルト家が誇る騎士たちから選抜した連中だ。
試してもいいぞ? ただ、あまり時間をかけていると……」
そう言って、ニッコリとほほ笑むオリヴィア。
……完全に悪役なのは気のせいでしょうかね?
いや、まあ、従うしかないのでしょうけど……
「……は!? もしかして学校に来させたのは!?」
俺の言葉に反応するようにオリヴィアはニッコリとほほ笑む。
俺が屋敷にいる場合には、当然アズーリ家の者達がいる。
そいつらから離すために、この中途半端に登校させたのかよ!?
「国王も心配していたぞ……
もしかしたら断られるかもしれないとな。
だから、まあ、断られないように一計を案じてみたのだ」
……俺……こんな人の婚約者になるなんて絶対に嫌なのだけど……
絶対に何とかして逃げる算段をしないと……
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