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195話目 メフィスト伯爵7

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「やあやあ、1週間ぶりだね♪ 元気にしてたかい? アズーリ子爵!」



僕の言葉を聞いたアズーリ子爵は目を細めて

険しい表情で僕を睨みながら、




「ええ、まあ元気ですよ……

 メフィスト伯爵様もお元気そうで何よりです……っと思いましたが、

 その手は大丈夫ですか?」



ちゃんと返事を返してくれるし、僕の手に包帯を巻いているのを

気にしてくれるアズーリ子爵。


腹の中では騙しやがって!!っと叫びたいのを抑えていると

表情からでもすぐに分かるよ……フフフ、いい感じだねぇ~。




「うんうん! 私はこの一週間が楽しくて楽しくて元気いっぱいだよ。

 まあ、この包帯はちょっとしたことでね。

 いやぁ~慣れないことをすると本当にね……

 そういえば用意していた礼服は着てくれなかったんだねぇ~。

 残念だよ……君にはきっと似合うと思ったのに」



アズーリ子爵が着ている礼服は僕が用意していたモノとは異なり、

シックな黒いの礼服になっていた。




「……ええ、少々目立ちそうだったので、

 使用人達が気をきかせて準備してくれたんですよ」



まあ、そうだろうね。


僕が用意したのは、黒光りする礼服で、

光が当たればキラキラするしようになっていた。


アレを着ていたら……あのバカ王太子殿下とプライド侯爵のバカ息子達には

勝てないだろうけど、他の連中には勝てるぐらい輝いていたばずなのにね……悪い意味で……


ちなみにバカ王太子殿下とプライド侯爵のバカ息子は、

原色を散りばめたどうしてそうなったという礼服を来ており、

先程から悪目立ちをしているのは言うまでもない。



……アレで本人達が満足気な顔をしている理由が分からないけどね……



僕なら……まあ、楽しむか。そうなるとあの二人と同類ということになるが……


あの二人のバカ達の取り巻き達が必死に媚びへつらっているが、

どう言えばあの二人があんなに得意げになるのかは、

参考になるから聞きに行きたいけど、それより今は目の前にいるアズーリ子爵だよ。


そんなことを考えながらアズーリ子爵に視線を戻し、

ニッコリと微笑むと、アズーリ子爵の表情は一段険しくなった。




「うんうん、君くらいだろうね。

 僕の相手を出来るのは。あとは君の婚約者のノースベルト公爵が、

 君からの情報を得て動いているくらいだね。

 ただまあ、どちらもこの王都で動くには少々力が足りないようだけど」



「……一応、国王にも忠告はしたんですけどね」



「フフフ、あの国王が動くとは思えないけど?

 だいたい君が忠告したにしては、

 警備の配置は変わっていないように思えるけどね?

 まあ、君のことを信頼していないというよりかは……

 君に力を貸してくれる戦力より、とある相手の方が大きいからかもしれないよ?」



そんな言葉を聞いてますます顔をしかめる。

こんな顔を見るとますます苛めたくなってしまうじゃないか……


思わずわいてくる感情を抑えながら、




「そう言えば、アズーリ子爵の使用人達の多くは、

 どうやら会場外に分散させて配置しているようだけど……何か起きるのかね?」



「……起こすつもりのくせになにを言っているんだよ……」



そんなアズーリ子爵からの言葉に

わざとらしくおののいた態度をしながら、




「そんな証拠があるとは思えないけど?

 あるなら……素直に認めるよ。

 当然さ! 僕は潔い人間だからね。とぼけるなんて出来るはずがない!」



苦々しい顔でこちらを睨むにとどまるアズーリ子爵。


まあ、私が証拠を残すようなことはないので、

あるはずがないから、認めることなんてないのだけどね。


そんなアズーリ子爵との楽しい会話は、

お披露目会を主催している司会者が壇上に上がったことで止めることになった。


苦々しい顔をしたままアズーリ子爵が

私に背を向けて席に戻ろうとしたので、




「今日の宴を楽しもうじゃないか……フフフ、また会えるといいね。

 あ、いや失礼。ただのお披露目会なのだから、

 終わればお互い五体満足の状態で会うことが出来る……かな?」



そんな私の言葉を聞いて、こちらを向き直ることなくアズーリ子爵は、




「……最後に笑うのは俺だよ。

 今だけだ……今だけ楽しんでおきなメフィスト伯爵!」



「フフフ、怖い怖い。だけど、そうなるといいね……

 ならなくては、この王国の将来がどうなることやら……」



席に戻るアズーリ子爵の背中を見ながら、

私は自分の席に戻り腕を組む。


そして右手の人差し指をこめかみに当てると、

会場にいた影達が動き始めた!


さあ、アズーリ子爵……宴の始まりだよ!


楽しませてくれよね、君はこの宴の主人公の一人なんだからさ!!


いつも読んでいただきありがとうございます。

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