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190話目 メフィスト伯爵2

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

にこやかに話すメフィスト伯爵。

それに対峙するように対面のソファーに座る俺とルビー。


メフィスト伯爵のソファーの後ろには、こちらをねっとりとした目で

殺気を放ちながら見てくるデスが立ち、それに呼応するように

俺の後ろにローズとホフマンが立っている。


二人の殺気が尋常でないほど放たれているせいか、

何人かの使用人たちが体調を悪くして部屋から出て行っており、

代わりにローズ直属の使用人たち……



何なんだローズ直属の使用人って?


ローズからそんな風に説明を受けたけど……


いまでも普通に殺気が込められている部屋の中で飄々と……は、ウソだな。


めちゃめちゃ殺気立っている…


ちなみにルビーは毅然とした態度で背筋を伸ばして、

メフィスト伯爵と笑みを浮かべて対面していた。


まあ、どうしていいのか分からず、

とりあえず笑顔を浮かべているって感じなのだろうけど。




「そう言えば、ルビー嬢は、うちの娘と同じクラスなようだね?

 うちの娘とは話したかい?」



「い、いえ。

 ……な、何分、王都に来て日も浅く貴族の方々との

 付き合いも今までなかったものですから……」



「そうなのかい?

 そうか、王都に来たのも学園に入学が決まってからだよね?

 それまではサウスベルト侯爵領で過ごしていたのかい?」



「ええ、はい」



「それはいけないなぁ~。

 こんなに可愛らしいルビー嬢がいるのを他の貴族が知らないなんて!

 そこは男としてアズーリ子爵がリードしてあげるべきじゃないのかね?」



急に話題を振られて一瞬ギョッとするのだが、すぐに返事を返す。




「何分、僕も王都での生活は日が浅い上、

 そもそもアズーリ家は成り上がり者で

 貴族との付き合いもほとんどないものですから」



「そんな謙遜する必要なんてないだろうに。

 ロイヤルハイアット王国になくてはならない存在に

 なっているんだよアズーリ子爵、君はね。

 国王からの信頼も厚く、北壁の異名をもつノースベルト公爵からの信頼も厚い。

 そんな君を成り上がり者なんて誰が言うのかな?」



……まあまあ、言われていますけどね……


とは言うこともなく、それよりも俺が聞きたいのは、




「それよりも本日の来訪は、どういった用件で来られたのですか?」



「うん? そんなの君と話をしたくなったから来たのだよ、

 それ以外に何かあるかな?」



あっけらかんとそんなことを言ってくるメフィスト伯爵だが、

どう考えてもそれ以外のことがあって来たとしか思えないのだけど!?


だいたい悪の親玉自ら、俺のところに来るってどういうこと!?




「まあ、それにうちの娘も同級生になったということだし、

 ヨロシクって挨拶もしておきたいなっと思ってね」



「そちらは残念ですが、僕はBクラスなので仲良くはできないですが、

 ルビー嬢が仲良くすると思います」



話をルビーに振ると、




「え、ええ。もちろんですわ。

 こちらこそよろしくお願いしますとお伝えください」



そんなルビーの言葉を受けて笑みを浮かべるメフィスト伯爵。




「そっか、そっか、仲良くしてくれるかぁ~。

 いやぁ~良かった良かった。

 父として心配していた点なのだよね。

 だけど、聡明なルビー嬢が仲良くしてくれると言ってくれたんで

 肩の荷が下りたよ。

 まあ、私と違って真面目ないい子に育ってくれているからね、

 是非とも仲良くしてやって欲しい」



……自分でまじめではないということは自覚しているんだね……



などと思っていると、メフィスト伯爵が急にポンと手を叩いたかと思ったら、




「そう言えば、私はこれから少々用事があることを思いだしたよ。

 こちらから押しかけたというのに、すぐに去らないといけないのは

 心苦しい限りだけど」



……どうやらやっと帰ってくれる気になったようだ。


というか、本当にメフィスト伯爵は何をしに来たのだろうか?




「そうですか、名残り惜しいですが……」



そこまで俺がいいかけたところで、メフィスト伯爵が俺の言葉を遮ってくる。




「その前に私が渡した物を見てくれると嬉しいのだけどね……

 今、見てもらえないかな?

 渡した物は実は服でね。私の見立てで仕立てたのだが、

 もしかしたら直しが必要かなっと思っていてね。

 出来れば、ここで着てもらうと助かるのだけどね」



ニッコリとほほ笑んではいるのだが、断ることを許さない様子である。




「……ローズ、メフィスト伯爵からのプレゼントを用意してくれるか?」



「かしこまりました」



メフィスト伯爵に促されるがまま服を着ると……




「うぅ~ん、やっぱり君には黒と青が似合うね!

 どうやら私の心配は無用に終わったようで、サイズもピッタリだね!」



嬉しそうにほほ笑むメフィスト伯爵だが、

俺の方は逆に恐怖を感じてしまう。


だって、どうして俺のサイズが分かってのだよ!?


久しぶりに会ったというのにさ!?


え? 何? アズーリ家にスパイでもいる? メフィスト伯爵家のさぁ!?


それに何で俺に礼服なんて送ってきてんのメフィスト伯爵は!?


いつも読んでいただきありがとうございます。

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