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172話目 偽物!?

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「おはようございます、エミー様、エラさん」



二人が悪態をつく中、先に動いてきたのはスノウホワイトだった。

こちらの様子に気づくとすぐにエラとエミーの傍へと足を運び、優雅に挨拶をしてくる。

その後ろには取り巻き達がぞろぞろとついて来ており、さすがは侯爵令嬢だな。


そんなスノウホワイトからの挨拶を受けて、すぐに動き出したのはエミーの方で、

サッと身だしなみを整えるとこちらは、さすがは王族である。優雅に挨拶を返す。




「お久しぶりです、スノウホワイト様。お元気そうで何よりです」



ニコリと返す笑顔はさすがである。

そんなエミーとは真逆にしかめっ面を直すこともなく、

不承不承といった感じで、身だしなみを整えて、こちらも優雅に返答を返すエラ。




「スノウホワイトさん。今日も多くの取り巻き達に囲まれて、さすがは侯爵令嬢ですね」



……ちょっと返答に棘があるように感じるのは気のせいだろうか?



さきほどの態度といい、何やらスノウホワイトを嫌っている様子がうかがえるのだが……


そんな姉の態度を見てか、諫めるようにラプンツェルがエラに声をかける。




「お姉ちゃん、ちゃんと挨拶をしないとダメですよ」



そう言われたエラはバツの悪そうな顔をする。

そんなエラは一瞬苦笑したかと思ったら、

いつもの優しい笑みを浮かべたラプンツェルが、




「これから3年間、同級生として宜しくお願いします、スノウホワイト様」



そう言って挨拶をするとそれに応えるようにスノウホワイトが、




「こちらこそ宜しくお願いします、ラプンツェルさん。

 それと様は不要ですよ。

 これから3年間は同級生として、過ごすのですから。

 学園の方針として、家柄は学生のうちはないものとするとされておりますし」



……ないものとするという割に、クラス分けは露骨に家柄で選んでいますけどね?



それと後ろに控えている取り巻きの方々は……完全に家柄に従う方々ですよね?



そんな言葉が頭の沸いて来るのだが、それを声に出すなんてことはしない。

スノウホワイトの言葉を受けたラプンツェルが、笑みを浮かべながら、




「かしこまりました。スノウホワイトさん、これから3年間宜しくお願いします」



「ええ、ラプンツェルさん。宜しくお願いしますね」



朗らかに二人が挨拶をしている中で、




「「チィ!!」」



小さな舌打ちが二人からもたらされる。


何でこの二人がこんなにスノウホワイトに敵意を抱いているのかは分からないけど、

どうやら二人はスノウホワイトにいい感情は抱いていないことだけはわかった。


そんな中で、スノウホワイトが俺の方へも視線を向けてきたので、俺は軽く手を上げて、




「久しぶり、スノウホワイト。元気だった?」



俺が軽く挨拶をしたことで、取り巻き達がバッと一斉にこちらを見てくる……だけではなく、




「あなた!! 自分がどなたに話しかけているのか分かっているの!!」



取り巻きAが俺に怒声を浴びせてきた。

それを皮切りに取り巻き達が怒声を浴びせてくるし、さらには人だかりの中からも




「あいつ、何でブバルディア様に声をかけているんだよ!」



「貴族の常識も知らないのか? 普通上の方に声をかけるなんて、失礼だろうに」



「そんな常識もないんだろう。所詮成り上がりだからな」



中傷の言葉と鼻で笑う声がヒソヒソと聞こえてくる。


まあ……事実が大半何だけど、そもそも貴族って爵位が下の者が

上の者に声をかけちゃあダメなんてルールがあるんだなぁ~っと

ちょっと勉強になったなぁ~っと思ってしまった。

そんな俺に慌てたのが、ラプンツェルで、




「マコト様、大変失礼しました。

 私が付いていながら、礼節を欠いてしまうことになり、

 周りから失礼な言葉を浴びせられることになるなんて……」



といきなりラプンツェルが謝罪の言葉を述べてくる。




「?いや、別にラプンツェルが謝ることじゃないし。

 俺が知らなかったってのはあるけど、そもそも俺は

 スノウホワイトとは初対面じゃないくて、昔から知っているんだよ。

 だから話しかけたんだけど……」



視線をスノウホワイトに向けると、

その視線を受けたスノウホワイトはしばしの沈黙の後、




「申し訳ございません、失念しておりました。

 お名前を教えていただけませんか?」



「まあ子供の時に会ったきりだったからな、マコトだよ、マコト」



そう言いながらふと一点気になった。


俺……スノウホワイトに名前を教えたっけ?


そんな俺の言葉を聞いて……めっちゃ睨まれた!?


ただ、それも一瞬ですぐに温和な目に変わり、こちらに諭すように、




「どこでその噂を聞いてきて、マコト様の名前を出してきているのかはわかりませんが……

 私の知っておられるマコト様はマコト騎士爵であり、

 今もノースベルト公爵様にお仕えしておられる身でございます。

 その名を騙って私に話かけて来られるのは……いかがなものかと思いますが?」



……目が全然笑っていないんだけど……



顔をは笑顔のままだが、一切笑っていない目でこちらを見てくるスノウホワイト。


俺が本物のマコトなのに、どうやらスノウホワイトの中では

自分の命の恩人はあのヴァインとシャンパンになっているようだ……



あいつら、次に会ったら殺す……



嫌がらせのように俺の名前を使いやがって!!


なぜかあいつらがドヤ顔で俺の方を向いているような想像が湧いてきて、

その顔を思いっきり殴りたい衝動に駆られてしまった。


そんなことを俺が考えているとはさすがに知る由のないスノウホワイトは、




「今後……マコト騎士爵様の名を騙ろうものなら……

 ブバルディア侯爵家の全権力を持って排除させていただきます」



恐ろしいほど冷たい視線を俺に向けてくるスノウホワイト……



絶対に……



あの二人、ぶっ飛ばす!!


そう心に決めるには十分であった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

そのワンポチが…明日の更新に影響を及ぼす!? かも!!

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