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167話目 エラ・フォン・シンダー登場!

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

「じゃあ、学園に行こうか」



「宜しいのですか?

 サウスベルト様がまだ準備整っておりませんが……」



「いいんじゃない? どうせ目的地は一緒だし、ローズもいるから

 遅れずに入学式には参加出来るだろう。

 それよりも今回の事のお詫びもかねて席を確保しとくとしよう。

 入学式の座席は、早い者順だったろ?」



「はい、ではご一緒させていただきます」



そう言って控えめに俺の後ろからラプンツェルは付いてくるのだが……




「いや、そこは隣に並んでいいんじゃない? わざわざ後ろにつかなくてもさ」



「で、ですが……」



ちょっと困惑するラプンツェルに、




「俺とラプンツェルの仲だしね」



言いながら自分の頭の中でどんな仲なんだろうか……

とは、頭で思っても口には出さない。


借金した者と貸した者の娘さんの関係?


それとも一緒に死地で戦った戦友の娘さん?


それかめんどくさいことを頼んでくる者の娘さん?


……まあ、とりあえずは同級生ということで!!


ラプンツェルと共にエヴァさんが

用意してくれているアズーリ家の馬車に乗り込む……




「……間違えたか。ごめんラプンツェル、この馬車じゃなかったわ」



そう言って馬車から降りようとした時、中にいた人物が、




「間違ってなんかはいないわよ。

 アズーリ家の馬車で間違いないわ。

 だから、遠慮なく乗りなさい」



そう言って優雅にテーブル?の上に置いてあるイチゴを一粒取って、

パクリと口にいれる。




「お姉様、はしたないですよ」



そんな仕草を窘めるラプンツェル。

そんなラプンツェルに笑いながら、




「別にいいじゃない。

 ここは馬車の中であって、家でもなければ、

 誰かに見られるような場所でもないでしょ?」



「そんな場所だと言ってもです。

 日頃から気をつけておかないと気の緩んだところで出てしまうかもしれませんよ」



「はぁ~い、わかったわよぉ~。ケチねラプンツェル」



「もう……お姉様のためを思って言っているのですよ」



「わかってる分かってるって!

 それよりも揃ったことだし、出発しましょうよ!!

 ほら、マコト! 御者に出発の合図出してよ!」



せっつくラプンツェルの姉エラに言われるがまま御者に……




「いやいや!無理があるから!?

 二点言わせてくれ!

 まずはなぜここにいるシンダー令嬢!?」



「あら、エラでかまわないわ。

 だいたいラプンツェルは名前で呼んでるのに

 私だけ名字で呼ばれるのは…‥‥悲しいわ……」



そんなしおらしい言葉を言いながら、

イチゴを手に取り、またぱくりと食べるエラ。

イチゴが美味しかったのか、満面の笑みを浮かべている。


だから当然……




「……全然悲しさが伝わってこないけど……」



「あらそう? それは受ける側に問題があるのよ。

 少しはまともな感受性を持った方が今後はいいわよ」



呆気らかんとそう言って、またイチゴに手を伸ばして、

パクリと一粒口へと運んだ。




「俺に問題が!?

 ……そこは見解の違いかと思うけど……

 それよりもこのテーブル!!っと言うか、

 四つん這いになって、背中に皿を載せてる男は誰!?

 あと何で普通に馬車に乗ってんの!?

 これ、アズーリ家の馬車だけど!?」



至極真っ当なことを述べているはずの俺に、




「皿を載せるのはテーブル以外あるの?」



キョトンとした顔で首をかしげるエラ。



……ああ、もしかして俺の目には人に見えてるけど、実はテーブルなんだな!


最近、借金に怯えるようになって、

どうやら四つ足テーブルを見ると錯覚で人に見えて……




「あぁぁ!! 痛い!! 痛いです!! エラ様ぁ~~~!!

 はぁはぁ……はぁはぁ……グリグリするのは!!

 ヒールで手の甲をグリグリするのは!!

 いいぃぃぃいいーーー!!」



歓喜の色を帯びた声で叫ぶテーブル……




「いやいや、やっぱり人じゃないかよ!?」



そんな俺にため息をつきながら、




「だいたい質問2つと言ったのに

 どうして3つも質問してくるわけ?

 もういいでしょ、答えたし」



面倒くさそうに俺に答えた後、

御者がいる側の壁を叩いて出発の合図をするエラ。


もう……どう言っても聞く気はないよね……


ため息をつきながら、エラの対面に座る。


エラの横にラプンツェルは座りながら、

テーブルにされている男に心配のために声をかけていた。




「……これが普通の対応だろうね」



エラに嫌みのようにラプンツェルの行為を言うのだが、

どこ吹く風の彼女は完全に俺の言葉を無視して、




「そういえばマコト、あなたと私達は同じBクラスだから、

 これから3年間よろしくね」



「……何でクラスがどちらかを知っているんだ?

 まだ発表もされてないだろう?」



尋ねながら頭の中でゲームの設定を思い出していた。


王太子殿下はAクラスだ。

というか、ゲームの舞台はAクラスで起きている。


なので、メインヒロインのエラがBクラスになるわけがない……普通は……




「だいたい王太子殿下はAクラスだろ?

 それに取り巻きとか、権力ある奴はAクラスに偏ってるだろう? 普通に考えたら」



「ええ、だから簡単にBクラスになれたわよ。

 だいたいあなたが恩にきなさいよ」



「何をだよ?」



「あなたがBクラスだったから、お父様が権力を使って

 私達をBクラスにしたんだからね。

 後でちゃんと感謝の言葉を言いなさいよ」



「……そんなことは頼んでない……」



「色ボケバカ2人はAクラスだからいいんだけど、

 面倒くさいのは、私達がBクラスってことで

 マウントを取りに来る女どもがいるってことよね……

 まったくマコトのせいで、面倒くさいなぁ」



ブツブツと言うエラ。だけどさ、




「……何度も言うけど、俺は頼んでないからな」



「何か私達に女どもがしてきたら、ちゃんと守りなさいよ」



「いや、ちょっとは俺の話を聞いてくれる?」



まったくこちらの話を聞かないエラ。

その後もずっと馬車の中では愚痴り続けていた……



10分間ってこんなに長いんだ……

いつも読んでいただきありがとうございます。

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