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2話目 ギルド職員の魔の手から逃げれません・・・

誤字脱字を遅まきながら修正しています!・・・ごめん!

画面越しに観てきた光景が眼前に広がっている。



北部で最大の都市“ノースベルト”


何でここが北壁なんて異名を持つ都市なのかは、王国の最北端にある都市であり、

ここより北は、魔境と呼ばれる魔物が多く存在する領域が広がっている。


魔境には魔物を統べる魔族がおり、人は一切住んでいない。

そのため人々から魔境と呼ばれていた。

その魔境からの魔族や魔物の侵入を防いでいる都市が、

このノースベルトであり、そのため“北壁”と呼ばれているのである。


だから、この都市を治めているノースベルト公爵は、

“北壁”という二つ名で呼ばれることもあった。




「確か人口は50万人とか言っていたな・・・。」


端が見えないほどの城壁が眼前に広がり、

多くの人がその城壁に入ったり、出てきたりしていた。


その流れに従うように歩を進めていき、いざ城壁に入ろうとしたところで

急に衛兵から声をかけられる。




「どうした坊主?一人なのか?」


衛兵からは親切心で尋ねてきたであろう言葉に俺は事実を述べる。

・・・ちょっと邪な思いも込めて・・・




「ここに来る間に・・・魔物に襲われて・・・。」


その言葉を聞いた衛兵たちがグッとした顔をして、沈痛な空気が流れた。


俺に話しかけてきた衛兵が俺に対して手を差し伸べようとした瞬間に

差し伸べていた手を止めるように隣にいた別の衛兵が、首を横にふる。

それを見て、衛兵はハッとして手を止める。




「・・・今は、孤児はどこもいっぱいだ。」


「・・・分かってる・・・よ。」


二人ともが何とも言えない表情をするのだが、

どうやら俺の甘い計画は受け入れられそうにないとことを悟る。


あわよくば同情を買って、世話をしてくれればと思っていたのに・・・


しっかし、ノースベルトは、ゲームの時代だとめちゃめちゃ栄えていたはずだ。

孤児院もしっかりあり、厳しいという話は上がってなかったけどな?


ゲームの中とは違うのか?っと思いながら、ノースベルトのことを思い出していると、

そう言えばゲームの時代は、女傑のノースベルト公爵が治めていたけど、

その女傑の前の父親が治めている時は、めちゃめちゃ最悪で、

冬の時代とか言われてたんだよな?ってことは・・・


今はその最悪な公爵がノースベルトを治めているってことか?

今の時代っていつの時代なんだ?


そんなことを考えていたせいか、

顔が落ち込んだように見えていたようで、

衛兵の方が気を利かして尋ねてくる。




「坊主・・・何か売るモノはないか?坊主だと現金化するのが難しいかもしれんが、

 衛兵の俺ならできるからな。」


そうだよな・・・確か、魔石を売るのも冒険者ギルドか商人ギルドを通じて売ることが

義務づけられていたよな。


ギルドで売るためには、当然ギルド登録した者、それと先ほど言ったような衛兵や兵士、

騎士、それに貴族であれば売ることが出来る。


まあ、資格を持っていなくても個人で売ろうと思えば売れるだろうけど・・・

そんなリスクのあることを今出来るわけがない。


さて、何を売るか・・・ってか、魔石だろう。

アレ以外は現金だし、あとの剣とかは、今後に必要だしな。




「・・・護衛のおじさんが最後に・・・倒したコレを。」


幼い子供を装いながら魔石を差し出す。



“子供”という状況を使う!


使えるモノは、俺はなんでも使うタイプなんでね!


それにちょっとひどい状況じゃん!


たくましくないと生きていけないよ!マジで!コレ!




「これなら結構な額になるな・・・しばらくは・・・大丈夫だな。

 じゃあ坊主、一緒に行こうか。」


そう言って、隣にいた衛兵に断りを入れて、俺を案内してくれる衛兵。

ゲームの中でも北壁は、歩いた記憶があり、

まじめに冒険者ギルドに向かっていることがわかる。


門から立ち並ぶ家々や城まで続く道は、まさにゲームの世界と一緒の光景であり、

ちょっと感動していたのだが、脇を見ると何とも言えない気分になってしまう。


ノースベルトの街中を歩いて気づくのは、覇気もなくただ座り込んでいる人が

結構な頻度で目につくことだ。


ゲームの中では、かなり活気にあふれていた画像しか見ていなかったので、

思わず目を見開いてしまう。


悲惨だったってのは・・・こういう状態だったんだな・・・


そんなことを思いながら、衛兵が優しく俺に話かけてくれる言葉に、

笑みを浮かべて返事をしていると気がつけば冒険者ギルドへとたどり着いていた。




「坊主のためにもここにいかにゃあならんのだよ。」


そう言いながら、扉を押し開き衛兵が中へと進んでいった。

俺も従うように中へと入っていく。


ノースベルトの冒険者ギルドには入ったことがなかったが、

俺の目の前に広がる冒険者ギルドは親近感が強く湧く。


あ、これ、ゲームの冒険者ギルドと作りと配置が一緒じゃん!!


そう思ったところで、衛兵が俺に対して、

こっちに来いと手招きをしてくれるのが見えて、

それに従い、衛兵の傍へと駆け寄った。




「・・・この子・・・ですか?」


「ああ、身寄りもないそうだ・・・道中で魔物に両親が殺されたらしい。」


見知っている制服を着たギルド職員がやりきれない顔をしながら、こちらを見てくる。

正直言って、別に気もしてないのだけど、とりあえず悲しくしょげた雰囲気を醸し出しておく。


それから結構な間をおいた後、長い溜息をついてから、




「この子のギルド証を作成しましょう。

 それがあれば身分の保証もできますし、仕事を引き受けることもできます。

 それで・・・生きてはいけますからね。」


「そうしてくれ。」


衛兵とギルド職員の間で短い言葉が交わされて、ギルド職員は奥へと引っ込んだ。

衛兵の方は、こちらへと向き直ってから口を開く。その言葉は俺を諭すような言い方だ。




「いいか坊主。ここで冒険者として登録を今からするんだ。

 そうするとここで手に入れたモノを売れるし、仕事だって斡旋してくれる。

 坊主の歳で仕事をするってのもおかしなことだと思うがな、これが現実なんだ。

 生きていくためにはお金を稼がないといけない。その手段を今から手に入れるんだ。

 いいか、どんなに辛かろうと必死に働いていたら、それを神様が見ていてくれて、

 きっと坊主を助けてくれるはずだ。絶対に仕事を投げ出すなよ。

 遊びたいかもしれないし、周りの同じ年の子達が遊んでいるかもしれないが、

 坊主は生きるために働かなきゃいけないんだ・・・

 だから、絶対に仕事をさぼったりするなよ。

 サボれば・・・生きていけなくなるからな・・・。」


衛兵が俺の頭を撫でてくる。



ってか、内容がめっちゃヘビーなんですけど!?


子供にそんな諭すかぁ!?


・・・いや、まあ理解するけど、普通の子供だったら理解なんてできないだろうに・・・




「お待たせしたね。じゃあ、文字は・・・書けないか・・・。

 じゃあ、僕が代筆するね。名前はなんて言うのかな?」


「マコト。」


「マコトか・・・珍しい名前だね。」


優しくほほ笑んでギルド職員は、手にしていた羽ペンを使って、

羊皮紙に俺の名前を書き込んでくれる。


・・・これでマコトって読むのか・・・言葉は通じているけど、字は全く読めない。


ここって、翻訳チートとかって普通はあるんじゃないの?

ずうっと思ってるけど・・・

俺まったくチート能力がないんですけど?おかしくない?


ギルド職員が書いてくれた後、これまた見たことがあるモノを出してくれる。



これで・・・俺の年が分かる!


ギルドの判定石だ!!


ステータスが判明し、年齢はもちろん、どんな能力があるのかが分かる。


いったいなんと出るのか!?


お、年齢が出てきた!!!



“10歳“


・・・思ったよりも幼いな・・・


で、いつが誕生日なのかと言えば・・・うん?


あれ・・・これって・・・


誕生日は11月15日で実の誕生日と一緒なので、大した問題じゃない。

それよりも問題なのがそこの前の年式の方である。




“ロイヤルハイアット歴92年”


ちなみに現在ロイヤルハイアット国王が治めている王国である。

なので、ロイヤルハイアットに何の問題もない。

問題は92年の方が問題なんだ・・・


北壁ことノースベルトが魔族による侵略を受けるのが、95年である・・・


・・・このままこのノースベルトにいると3年後に命の危険があるんじゃねえ?


あともう一点気になるのは、97年にゲームの主人公が学園に入学するのだが、

それがまったく同じタイミングじゃねえかよ!?


その後、3年間の学園生活の卒業間近の100年に王太子が魔王を討伐した功績と共に

国王に就任するのが、ゲームのストーリーである。


魔王倒すの学生なんですか?っという、ツッコミがあるけど、

それはゲームの世界なので仕方がない。



ただ・・・


15歳での入学が一般的で・・・これは・・・ある意味ラッキーだ!


だって、学園の中でならイベントもなんでも知っている!


それなら頑張って生きて行けば、俺の知識が活きる!!!


それまでの歴史は正直、ゲームの中での情報としてちょいちょい出てきた内容程度しか知らない。

だから、魔族による侵略を受けることは知っているけど、どんな風にとか、

どれくらいの規模でとかは知らない・・・うん?あれ?いや、規模は分からずとも

少なくともどこから来るのかはわかるんじゃないか?・・・思い出せ俺!


あれは、学園内のイベントで魔族による北壁襲撃があって・・・

その時に、前はこのダンジョン・・・!?


そう!


ダンジョンじゃん!!思い出した!


魔族がノースベルトに侵入してきた入り口の穴を見ている!!


だから、学園イベントでも穴からの襲撃だとなって、追い払うことが出来たんだ!


これなら北壁襲撃イベントを防げる可能性があるんじゃないか!?

ナイス俺の記憶力!なら、何とか生き残れる可能性がある気がする。


そこを生き残って、何とか学園に入学することが出来れば、ゲームの知識を使って・・・


そこそこ金持ちの奥さんをゲットして安定した生活が見えてくる!!


よっしゃー!


俺の運気もいい方向に向いてきた!!


そんなことを考えていた俺だから・・・


完全に見逃していた・・・


自分自身の能力というか、ジョブのことを・・・




聖騎士パラディン


ギルド職員にも見せたくないという場合には、見せるのを拒否することも出来るし、

だいたいみんな隠してギルドの登録を行う。


なのに・・・俺ときたら隠すことをすっかり忘れていて・・・



ガシ!!


もうそう音が聞こえるほどの勢いで両手で俺の手を掴んでくるギルド職員。

その手には絶対に俺を逃がさないという意思が、何も言わずにも伝わってくるほどだ・・・

そこで俺も何が起きたのかを理解した。



目に入るのは、ギルドの判定石である!!


し、しまったぁ!!!


心の中で叫ぶが、そんなの完全に後の祭りである。


少ない幸運としては衛兵には見られていないことだけであり・・・

最悪なのはギルド職員に見られたことであろう・・・




「ギルドが責任を持ってあなたを保護しますので、何の心配もいりませんからね。」


ニッコリとほほ笑んでくれるギルド職員の顔には、

育ててこき使うことを考えていることがにじみ出ていることが分かる・・・



邪な顔になってますけど!?




「あ、トイレに行かないと・・・。」


何とか俺がこの場から逃げ出そうとするのだが、

それを察したのかギルド職員が先回りして、




「そっか、じゃあ私が一緒に行ってあげます。

 子供一人で行かせるなんて大人としてダメですからね。」


そう言って俺が振り払おうとした手を決して放すか!!

という意思を示すかのようにガッツリと握り返してくれる。


ちなみに衛兵の方は、どうしてこのようなことになっているのかは分かっていないのだが、

俺がギルドで面倒を見てもらえるということを知ってか安堵を浮かべてくれて、

満面の笑みで喜んでくれていた。


衛兵さん・・・いい人だ・・・


それに比べて、目の前にいるギルド職員さんの目は・・・完全に汚れ切った目をしているし・・・


ダメな大人の目だ・・・


聖騎士はゲームの中でも上級職の中でも上級職にあたり、

王国全土で現在一人だけしかいないジョブである。


その一人が王国六守護神の一人とあっては、

絶対に見逃してくれるジョブではない。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークと評価をよろしくお願いします。

そのワンポチが・・・僕を救います!!

やる気をください!!

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[気になる点] 正直言って、別に気もしてないのだけど、
[良い点] 主人公馬鹿すぎ ゲームってわかってんだから1番気をつけなきゃいけないとこじゃん 笑
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