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異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第六章 城塞都市サウスベルト
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144話目 サウスベルト侯爵

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますねー!

まあ、目の前にいないオリヴィアのことは、とりあえず横に置いておいて、

プルメリアが渡してくれた地図を眺めるのだが、

俺にとっては大変都合のいい場所を提案してきている。


あの汽水域付近の川沿いの土地も含まれているし、

そこから南の土地もある購入指定場所になっている。

というか、




「……何でこんな川沿いの土地を俺に購入してい欲しいと来てんだ?」



「それは内陸部はまだ井戸を掘れば飲める水が手に入るのですが、

 購入して欲しい土地に関しては、死の水の川に近いためか

 井戸を掘っても その水が死の水と同じようで農地には全く適しておらず、

 まさに不毛な土地になっているからだろうと思います」



想定通りの回答だな。


だから、俺に売りつけたいと……うんうん、良くわかった。

どうやらサウスベルト侯爵とは仲良くできそうにないな。


いや、候爵ではなくて、その娘の方が考えているのか……

まあ、面倒くさいのでサウスベルト侯爵家とは仲良くできないでいいか。




「ちなみにこの土地は買わないっと言ったら、港の建設許可はおりるの?」



「今のところは、港となるこの土地の購入で建設許可は下りると聞いております」



俺の指摘に何とも言えない表情をするプルメリア。

契約書があるわけではなく口上での言葉なので、

もし仮に俺が提案のあった土地を買わないと言えば、

建設許可に難色を示すかもな……


何か面倒くさいなってきたし、許可がおりませんでした!テヘ!

って言って、逃げようか……


いや、その場合はサウスベルト侯爵だけではなくて、

王様まで敵に回すことになるのか……無理だな……




「まあ、何にせよ実際に契約を交わす時にサウスベルト侯爵がどう出るかだな……」



意を決して、プルメリアと共にサウスベルト侯爵が待つ屋敷へと向かうのであった。






「ようこそ、お越しくださいました! さあさあ、こちらにお座りください!」



そう言って上手のソファーを進めてくるサウスベルト侯爵に促されるように

上手のソファーに座ると、サウスベルト侯爵がすぐに使用人たちに指示を出して、

俺やプルメリアのために飲み物を準備させる。


普通、侯爵なのだから自分が上手に座る者じゃないの?

それに先ほどから至れり尽くせりの対応をしてくるのだけど……

だいぶ腰が低いというかなんというか…‥‥


ちなみにローズはただいま絶賛情報収集中で、俺の傍にはいない。


いないけど……




「マコト様の傍には私の手下……

 陰から見守るマコト様の部下がおりますので、ご安心ください」



「いやいや、手下って言っただろう!?

 それってあの秘密結社のメンバーだろうに!?

 というか、そんなメンバーが俺の傍にいるの!?

 今も!? まったくもって気配を感じないんだけど!?」



驚く俺の言葉に、ニコニコほほ笑むだけで何も答えないローズ。


いるってことか!?


まったく俺に気配を悟らせない手下って何者!?


というか、確実に秘密結社が健在ですやん!!


え? え? これ、将来問題起こす可能性が残ってるってこと??




「お疲れですか? アズーリ子爵様?」



サウスベルト侯爵の言葉にハッと意識を戻して、




「そうですね……さすがに数日とは言え、

 船で来ましたのでさすがに疲れが出てしまうようです。申し訳ございません」



「いえいえ! そんな滅相もございません!

 しかし、あれが噂に聞いておりました帆船と呼ばれる物ですか……

 あれほど大きな物が水の上に浮いているというのは、

 この目で見たにもかかわらず未だに信じられません」



素直な感嘆の言葉を伝えてくるサウスベルト侯爵。

先ほど部屋の窓から帆船が見えると言って教えてくれたのだが、

どうやらその大きさに本当に驚いているようだ。


というか、俺の方が身分が低いし、年下というか……

サウスベルト侯爵の横にいる娘さんと同じ年ぐらいの小僧に

ここまでヘコヘコするオッサンって……


今も汗をハンカチで拭いながら、おべっかをしてくるサウスベルト侯爵。

ずっと俺に対して褒める言葉を掛けてきている。


それと対照的なのが、隣にいる娘である“ルビー・フォン・サウスベルト”だ。

今もこちらを睨んでくる……何で睨んでんだ?


普通はそこはほほ笑みながらもこちらを

見定めてくるような目をしてくるんじゃないかな?


そんなことを思ってルビー・フォン・サウスベルトを見ていると

向こうは更なる睨みを聞かせてこちらを見て来るのである……


あ、これ、ガンつけてると思わてる?


慌ててこちらが目を離すと、フンっといった鼻息が

聞こえて来たので間違いないのだろう……


何でそんなところで張り合ってんだ?

一応、貴族の娘だろうに……


そんなことを考えているとは露知らずに、

こちらがチラリとルビー・フォン・サウスベルトの方を見ると

勝ち誇った様な顔で踏ん反り返っていたのであった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

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