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異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第六章 城塞都市サウスベルト
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138話目 サーペント来襲

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!

ローズとエヴァさんのことを思いながら川の両岸を何気なく見る。

両岸ともに高い崖となっており、接岸できる感じはない。


それに灌漑で取水をしようにもなかなか簡単には出来そうにないな……

まあ、出来ないことはないけど……とか、

取り留めのないことを考えていると、遠くの水面に違和感を感じた。


それはローズも感じたようで、ブツブツと怪しい企み……




「拷問してる時の飲み水に飲ませれば、絶望に変わるかしら?

 飲んででも飲んでも乾きが潤されず、

 そして自分が飲まされている水が原因だと知れば……

 いや、それよりも傷に水をかける方が……」



……聞いちゃダメだと耳を閉じる……



ブツブツ言っていた状態からハッと意識を戻して俺に、




「こちらに何かが近づいてきます!」



「だなあ!」



ロースの言葉に返事をしながら水面を凝視する。

その間にもローズが船員達に指示を出して臨戦態勢をとっていく。




「こちらをどうぞ」



「……なに?」



ローズから差し出されたし槍を受け取るのだが、

何故に今このタイミングで槍を渡してきた?




「この状況下で聖剣技を使われると、下手をすれば船が沈みますので」



ニッコリと微笑み俺に忠告してくるローズ。




「……分かってるよ」



分かってなかったけど……


確かにローズの言う通りで両岸が崖になっているこの状況下で

協力な聖剣技を使った際、もし崖にあたったりしたら

崖に当たって落石を引き起こすのは間違いないだろう……


分かってたよ! 分かってたさ!!


で、その代わりに……


そう思いながら槍に力を込めて、




「槍を投げろってことね!!」



思いっきり槍を水面に違和感のある方に投げると、




「グエェェエエ!!」



雄叫びのような声を上げて、水面からその違和感の正体が飛び出してきた!!




「蛇!? てか、デカ!?」



今乗船している帆船に巻きつけるくらいの大きさの蛇が

水面から出てきたと思ったら、




ドバシャーン!!



浮き出してきた体を水面に叩きつけ、

激しい水飛沫とともに激しい衝撃音を響かせるのであった。




「……あ!?」



その光景を見て何かを思い出したような声をあげるローズ!




「どうした!?」



エヴァさんを片手で抱えて、水飛沫が起きた影響で激しく船が揺れる中、

ローズに尋ねると、急にローズが舌を出して、テヘとしたかと思ったら、




「そう言えばサウスベルトの近くは死の水である上、

 海蛇サーペントの巣になっているというお話でした」



「そう言うことは……早めに言えよ!!

ってか、巣!? 巣って言った!?」



水中を蠢いてこちらに近づいてくる群れの魔力を感じている。

ローズが巣って言ったのだから間違いない……




「畜生がぁぁ!! 来るぞ! サーペントの群れが!!」



俺が叫びながら船員達に伝えながら、




「エヴァさん! すぐに船内へ! ここは戦場になる!!」



「はい! ご武運を!!」



そう言ってフラフラしながらも船内へと向かうエヴァさん。

その後ろを一緒に走る……



ガシッ!!




「……ローズはどこへ行こうと?」



首根っこを掴まえて、船内へ行こうとしたローズを掴まえた。




「……か弱いので」



「王都を1日で陥落できるのに?」



「いえいえ、陥落でないです……王都民を皆殺しに出来るだけです……」



「……そんな訂正は求めてないけど……」



想定の斜め上の返答に何とも言えない表情をしてしまう。

その状況でも手にした槍を投げて、一匹、また一匹とサーペントを殺していく。


遺体となって水面に浮き上がり、そして霧散していく遺体を見ながらローズが、




「ああ、もったいない……」



と呟く。

霧散していった後、露になった魔石が水中へと沈んでいくからだ。




「本当にね! こんな! タダ働きなんて!

いや! むしろ! 槍を! 投げてるから!

その分だけ! 損失かよ!!」



次から次へと槍を投げて近づいてくるサーペントを殺していく。


これが魔物じゃなかったら、サーペントの血の海になってたし、

遺体で身動きとれなくなっていたから、その点だけはよかったと思うけど!!




「数が! 多すぎる!」



ひっきりなしで槍を投げているにも関わらず、

次から次へとこちらへと近づいてくるサーペント。




「はい! 頑張ってください! はい! ほら、すぐ次がきます! はい!」



投げた端から俺に槍を手渡してくれるローズ。

手渡された槍を投げてはまた受け取り、また投げては受け取り……




「いやいや!?

ローズ! お前も投げろよ!! 何で俺一人だけ投げてんの!?」



「私……アサシングダガーよりも重い物を持ったことがなくて……」



ヨロヨロとして茶番をするローズ。

だけど、しっかりと俺に槍を渡してますけど?




「……普通に槍を渡してくれてるけど?」



「……」



俺の質問を無言で無視して、

そのまま何事もなかったかのように槍を渡してくるローズ。




「あとチョイス!

何で! アサシングダガー!?

全然! か弱さアピール! 出来てないからね!!」



「……だったら、何だったらいいんですか?」



……なんで逆ギレされてるんですかね?


ちょっとムクれた感じのローズに、




「……フォークとか? ナイフとか?」



優しく返事をすると、




「じゃあ、スプーンで」



「いやいや! “じゃあ”って!?

完全に取って付けたような返事を!!

あと! 俺の提案に! スプーンはなかったけど!?」



「……ちょっとカチンときたので……」



「君の主人は俺だけど!?

あと、至極全うなことを言っているはずだけどね!!」



めっちゃ強くて、下手すれば俺より強いローズに手助けを求めるのは

普通のことだと思うけど!!


何より迫ってくるサーペントの数が多すぎるし!?


投げ手は数が多い方がいいに決まってるし!


そんな俺の意見を聞いたローズの返答は……




「頑張ってくださいね!」



……まったく響くことはなかったようだ……



いや、投げるよ? 投げるけどさ!!


いつも読んでいただきありがとうございます。

是非ともブックマークおよび評価をお願いします。

そのワンポチが…私にとっての人参です! 走りますよー!

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