136話目 サウスベルトに向けて出発!
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とりあえず不穏な言葉を吐くオリヴィアを無視して、
後ろにいるプルメリアとエヴァさんの方へと顔を向けて、
「ってことになったから、サウスベルトの調査を開始して、
どこに港を建設するかとホテルの建設場所を決めようか」
「かしこまりました。では、情報収集もしますが、一度現地の確認は?」
「する。船の手配を頼む」
「かしこまりました」
と、返答してエヴァさんが踵を返そうとした時、
「ダメだ。マコトは残れ。
ホテルの建設ならば、プルメリア嬢でもかまわないだろう?」
「……何で俺じゃダメなんだよ?」
「マコトはこっちに残って、王の尻拭いを執事が戻るまで私と一緒にやれ」
「……絶対にやだ」
断固拒否を示す俺には目もくれずにオリヴィアは
俺の後ろにいたプルメリアの方へと顔を向けて、
「どちらがいい? サウスベルトに行くか、王都に残るか?
王都に残れば……あの王の尻拭いだ」
「サウスベルトで!!」
オリヴィアの質問に迷うことなく返答するプルメリア。
当然返答はサウスベルトだった……
ですよね~、俺だってその二つの選択肢であればサウスベルトに行くほうを選ぶ!
選ぶけども!!
それから観念して王都に残り、執事が戻ってくる間、何とか王様の尻拭いをして……四苦八苦して……いや、死に物狂いで耐えたね……あの執事の辛さを身をもって体験したよ……
なのに……
……なのに……
「本当に無理なんです!!
だから! だから!! この仕事だけは!!
他の仕事なら何でもやります!!
ですから、ご慈悲を!!
ご慈悲をお願いします!!」
と泣き叫びながら両脇を近衛騎士に抱えられて、
オリヴィアの前に突き出された執事。
その執事に無言で顎を横に振って近衛騎士たちに指示するオリヴィア。
その光景を見ながら執事を見送ることしか出来なかった……
「自分……不器用なんで……」
あの時の光景を思い出して思わず言葉が漏れたのを聞き逃さずに、
「我が身が可愛かっただけでは?
あと……誰が不器用なんですか?」
何を言っているんだ?と言う表情を浮かべてこちらを見てくるエヴァさんに、
「……俺以外いる?」
「……寝ぼけているのなら、一度顔を洗いますか?
すぐに水を手配させますけど」
「そこは……休みますか? ではないの?」
「……冗談がお上手で。こちらの書類にサインをお願いします」
「あ、冗談で終わらされるんだ……」
どうやら俺に休息はないらしい。
書類にサインをして、渡すと次の書類が間髪入れずに差し出されたし……
それから数日間、苦行をこなしていると、プルメリアから書類が届いた。
「サウスベルと妥結段階に入ったようで、
確認にサウスベルトに来てほしいとのことです」
説明をしながら俺にプルメリアからの手紙を差し出してくれた。
手紙を受け取り、中身を確認しながら
「とっとと行って、この件はさっさと終わらせようか。
エヴァさん、船の手配を頼む」
「かしこまりました。手配進めます。
それとどちらの方を護衛にされますか?」
「……あぁ……そういえばそんな取り決めしていたね……」
先日のノースベルト襲撃以降、なぜかどこに行くにも
ホフマンかローズの少なくともどちらか1名が護衛に付く決まりとなった。
なので選ばなくてはならないけど……
「……今回はローズの方が適任だろう。
初めて行く土地だし、情報収集が得意な方が色々と都合がいいかもしれないしね」
そんな俺の言葉を聞いて何とも言えない表情を浮かべて、
「そんな配慮はする必要がないと思いますが……」
「何で? 情報はあるに越したことはないないと思うけど?」
そんな俺に1つため息を吐きながら、
「すでにローズ様の手によって情報は集められております……
なんなら、サウスベルト侯爵のパジャマの色を教えましょうか?
それとも下着の色もご希望ならお答えしますが?」
「……そんな情報……微塵も嬉しくない……」
何でローズはすでにそこまで情報収集をしているんだ?
っていうか、パジャマの色まで調べて何の役に立つの?
男の下着の色とか絶対に知りたくもない情報なんだけど?
……まあ気にしたら負けな気がするし、
それだけ情報を持っているなら役にたってくれるだろう。
「ローズで手配を進めといて」
「かしこまりました。
こちらは準備しますので、マコト様は手を止めずに書類にサインをお願いします。
そちらにある書類の山は出発までにすべてお願いします」
「あ、はい……」
呼び鈴を鳴らし手配を進めるエヴァさんを横目に
俺は必死で確認とサインを進めていくのであった。
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