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異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第六章 城塞都市サウスベルト
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134話目 サウスベルト侯爵の要求 ~航路~

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしますね!

船を出すハメになるのか……と思ったところで、

ふと顔を上げてオリヴィアに尋ねた。




「そういえば、あと1つ要求があるんじゃない?

 船を出すことはわかったけど、そっちは俺はノータッチってこと?」



そんな俺にまたまたニッコリ微笑むオリヴィア。

その笑顔にまったくもっていい予感はしない。




「もう1つは……物流整備が進めば、当然として人の行き来も増えるだろう?」



「……サウスベルトに魅力があれば……だけど、あるとは思えないんだけど……」



観光をするために魔物と日夜戦いがある都市に行きたい! っていう、

奇特な方は少ない気がするけど……


いや、冒険者達にとっては、金を稼ぐために行きたいと思うか?


まあ、航路が出来れるのに合わせて観光地を見つける働きを

サウスベルト侯爵がするのかな?


そんなことが頭を過る中、オリヴィアからもたらされた言葉は、




「いるわけないだろ。

 あんな不毛の土地で、さらには無能なサウスベルト侯爵になにができる?

 冒険者たちも稼ぎにはなると思う奴もいるだろうが、

 食料もなかなか簡単に手に入らない土地で不自由しながら生活する気にはならないだろう。

 すぐに王都に戻ってくるか、ノースベルトにでも来るだろうな」



「……辛辣ですね……」



会ったこともない人物に対して、コメント出来ませんって。

っというか、そういうってことは、




「オリヴィアは会ったことあるの?」



「ああ、何度も会ってるが、朴念仁で小心者。日和見主義のイライラする男だ」



「そっか……」



辛辣な言葉にどういってよいか困っていると、

オリヴィアの言葉にふと疑問が頭を過る。




「……何でそんな人物が、王様に楯突いたの?

 あり得なくない?

矛盾するじゃん、今の説明とは」



その言葉に頷くオリヴィア。




「私の持っている印象とは今回まったく違った対応に驚いているのは事実だ。

 最初に執事がいないからと言われて対処を王に相談された時は、

 サウスベルト侯爵が相手なら簡単にいくなと思って、

 これで恩が売れるのなら安いものだと思って二つ返事で受けたのだが……

 サウスベルト侯爵と話をしているといつもと違ってな……アレは誰かが入れ知恵してるな」



「……順当に考えれば……襲われた娘さん?」



その言葉に頷くオリヴィア。




「そうだろうな。襲われるように仕向けたのなら、大したものだ。

 たまたまこの状況になったのでと考えたとしても、なかなか面白い娘だ」



クククと笑い褒めるオリヴィアに、




「俺からすれば迷惑な娘さんだよ。

 その娘さんの入れ知恵で手間をかけるはめになるとはねぇ~」



そんな俺の言葉にクスリと笑い、



「マコトにしても、今回の件で港の整備とサウスベルトと王都の交流で

 一儲け出来るのだからいいだろう?

当面の間は、どこぞの貴族が船を造るまでは独占できるぞ?」



「まあ、そうだけど。

 販路を拡大するにあたっては人手も船も準備しないといけないのは事実だから、

 素直に喜べないんだよね~」



と、困ったと言う顔をしたのだが、あのオリヴィアには通じなかった。

っというか……




「ふふふ、それで船の製造費用と人件費も王国に出して貰う腹か? だが……」



言葉を言いかけて、こちらを見てくるオリヴィア。


あれ……これって……バレてない?




「すでにサウスベルトではないが、南部のどこかと物流を結ぼうとして

 情報収集と船の製造着工、あと人材の育成を始めていると聞いているがな?」



「……なぜその情報を……まだ南部は情報収集をしている段階だし、

 製造や育成は表だって何も言ってなくって、

 当の本人たちすら知らないはずなのに……」



やっぱりバレてますやん!?



どこから漏れた!?



驚愕する俺に、ニヤリと応えるオリヴィアはまだ話を続けていく。




「サウスベルト侯爵に……」



「え!? サウスベルト侯爵から聞いたのか!?

そんな情報網を持っているとは……娘さん侮れないじゃんかよ!!」



驚く俺に、




「いや、私が漏らした」



「はぁ!? 何してくれてんの!?」



「そしたら、勢いよく手をあげたぞ」



「そりゃ~そうでしょうね!!

船が来るし、しかもこちらの金で来ると聞けば喜んで手をあげるでしょうね!!

 出費ゼロで物流が改善するんだからさ!!」



そこまで言ったところで、あることに気づいて……




「もしかして……そのために情報を漏らしたな?

そうすれば道の整備から話を変えることも可能だし……」



オリヴィアを睨むもオリヴィアはフフフと笑い、




「情報とは素晴らしいアイテムだと思わないか?

これで王国の財務局からはもろ手を上げて喜んでくれたよ。

 私の響きも関係省庁内でよくなった」



「俺を罠に嵌めたおかげでね!! 」



「罠に嵌めたというのは心外だな……

 一応、港湾整備には王国から費用は出るのだから」



「いやいや、それは出してもらわないと絶対に引受けはしないけどね……

 ああ……せっかくの費用を出して貰えるチャンスをフイにするとは……」



嘆いている俺にオリヴィアが、




「欲を出しすぎたら身を滅ぼすぞ」



「そっくりそのまま返すよ」



オリヴィアの言葉に即座に返答すると、

オリヴィアはフッと笑ったかと思ったら、




「私を滅ぼしに来たものを潰すまでだ」



……オリヴィア節は今日も絶好調でした……


いつも読んでいただきありがとうございます。

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