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異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第六章 城塞都市サウスベルト
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133話目 サウスベルト侯爵の要求

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いしまーす!

「……で、さっきの話だと手を出したのが、どこぞの侯爵令嬢だったと?」



「ああ、それもサウスベルト侯爵のな」



「……また面倒くさそうなところの令嬢に手を出して……」



不毛な土地であるサウスベルト領。


さらにはサウスベルトと言う名前から想像できるように

南の地で城塞都市にて南側から現れる魔物の侵入を防いでいる貴族である。


不毛な土地にも関わらず、王国のために身体を張って頑張っている

サウスベルト侯爵の娘を襲うなんていう不義理をするとは……



この王様救えないな……



そんな俺の視線を知ってか知らずかブツブツと何かを言っている王様。

その声に耳を傾けてみると、




「私は王だぞ! この王国のだ!!

その王に楯突くとは……なんたることだサウスベルト侯爵め!! 」



……なるほど……こいつに反省の2文字はないな……



まったくもってやる気が出て来ない案件だけど、

一応この王国の貴族であるためやらなくてはいけないのか……




「……ちなみにだけど……俺に何をしろと?」



今だにブツブツと文句を言っている王様は置いといて、

隣のオリヴィアに尋ねると、




「ああ、サウスベルト侯爵が今回の件を手打ちにするにあたって

 2つの要望を王国側に申しでてきた。

 1つはインフラ整備だ」



「? どこの?」



「王都からサウスベルトまでの」



「……すでにあるじゃないの?

だから、今回も王都でこんな事件が起きたんじゃない?」



俺の質問にオリヴィアが答えるよりも早く問題児の王様が目を見開いて、




「事件ではない!! 運命の出会いだ!! それを……それを……

 穢してきおって!! サウスベルトめ! いつか必ず、あの座からこき下ろして

 蔑んだ目で見て、笑ってやるからな!! 覚えておれ!!」



プルプルと怒りに震えている王様に聞いても話が進むことはないので、

オリヴィアに目配せすると、オリヴィアが頷いて話の続きを喋り始めた。




「もちろんある。

 あるがその道が険しい山々を越えていく道であり、

 また道幅も狭いため、物流が芳しくない。

 そのため不毛の土地であるサウスベルトを更に苦しい状況へと追い込んでいるのだ」



「……険しい山々にある道の整備って……」


全然気楽に応じれる気がしない案なんだけど……


どうせ魔物も出るんでしょ?


そんなところを整備するにもお金がかかって仕方がないだろうに……



ノースベルトとブバルディアの道にはすぐ近くに川があったから、

物資は川で流して簡単に運べたけど、山々って話だと運ぶのにも一苦労しそうだし……


そんな心境を知ってか、ニヤリと笑いオリヴィアが、




「前に宿場町を1日の距離毎に建てていっただろう?

 それも類を見ないほどの短期間のうちにな 」



「……アレをしろと?

 いや絶対に無理だよ!?

 条件が全然違うし!!」



面倒くさいこと、この上ない案件に対して絶対に無理と言い切る俺を見て、

苦笑しながら首を横に振るオリヴィア。




「いや、あれをサウスベルト侯爵が聞いて、

 サウスベルトと王都の間の道にもしろと言って来てるのだが、

 そんな予算は王国にはないと言うのが本音だ。

 だから代案を出すことにした」



「……まさか……」



道の整備はしないけどとなれば、物流整備にはあと1つしかない。

俺の表情を見て、俺が何を考えているのかを察したようでニヤリと笑い、



「そのまさかだ」



断言するオリヴィアに俺は、




「……ドラゴンで運搬?」



ちょっとボケてみると……




「あぁん?」



睨みと輩が発する言葉が返ってきた……すんません……

しばしの間、下から覗き込むようにこちらを睨ん出来たの後で、




「……面白い提案だな。

 なら、今すぐ数頭(ひれ伏させて/確保して/手懐けて/テイムして)こい!!

なぁ~に私も心が広いノースベルト公爵だ。

 1日やる!

 軽いだろう?

“ノースベルトの英雄”にとっては?」



まったく笑っていない目でこちらに言ってくるオリヴィアに対して、




「まったく軽くありません!!

船出させていただきます!!」



「……ちぃ! 面白そうな代案だったのにな……

 まあ、分かっているようだな。

 船での物流を提案してやった。

 大いに喜んでいたぞ、サウスベルト侯爵」



……俺の居ないところで勝手に話はまとまっていたのね……


……あれ?


ここでNo! って言ったら……


そんなことを思ってオリヴィアの方へとチラリと視線を向けると目が合う。


ニッコリと微笑むオリヴィアの右腕が動き、親指を立てたかと思ったら、

下に向けて首の前を通過させた……



どうやら、却下らしい……ですよねぇ~……



後ろにいるプルメリアとエヴァさんに視線を向けると、

すでに観念しているようで2人ともが遠い目をしていたのであった。

いつも読んでいただきありがとうございます。

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そのワンポチが…私が走るための人参です!!…いや、走りはしないけど…

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