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異世界転生には、夢も希望もございませんでした  作者: Taさん
第五章 ノースベルト襲撃
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123話目 魔族7

いつも読んでいただきありがとうございます。

今日もよろしくお願いします!

「これも運命なんだ……あなたを殺して……俺は次の女性を探すよ」



「そこは自分も死ぬんじゃないのね……」



「当たり前じゃん!! 世の中には星の数ほどの女性がいる……

 そのすべての女性を俺は愛しているからね!!」



「……人として最低な発言だな……」



そんな俺の呆れた言葉に、クワッと目を見開いてエールは、



「男としては最高の発言だ!!」



うん、こいつは一ミリたりとも反省なんてしてないな。

そのことを確信するには十分な言葉だった。




「……こんな男は死ねばいいのに……」


そんなボソッと出た俺の言葉が言葉が天に届いたようで、

この後すぐに天罰がエールの身に襲い掛かるのであった。




「ってことで、俺のために死んでくれ……名も知らぬ貴女……残念で仕方がないけど……」



歯が浮きそうなセリフを言いながら、魔族に向かって剣を突くエール。

セリフとは裏腹に全く躊躇いもなく、的確に人間にとっては急所となるべきところに

恐ろしい速さで突きを連続でいれていた。


エールからの鋭い突きを躱しながら、反撃に重い一撃をふるう魔族であったが、

その一撃がエールを捉えることなく空振りする。


何度もエールが突いて、魔族が反撃することを

数回繰り返していると不敵に笑い始める魔族。




「おおぉ!? ついに諦めてくれる気になったぁ~?

 俺もホトホト困ってたんだよねぇ~! っとぉ!? ほぉわぁ!?」



そんな軽いセリフを吐きながらも攻撃をかわし、

また翻して鋭い一撃を返すエール。




「ふん? 困っている? 何を言っているんだ。

 貴様は先ほどから同じ個所を寸分違わず攻撃してきているくせに。

 同じ個所を攻撃すれば破れるかもと?

 そんなことはな……勝つ気がある奴がする攻撃ではないかぁ!!」



今度は躱さずにエールの一撃を受けてたち、受けることで出来た隙を

見逃すことなく拳を振るうのだが、それも難なくヒラヒラとかわすエール。




「……ふん! 埒が明かない……ならば、これを使わせてもらうか」



そう言いながら、どこからともなく何かを取り出してきた。

それを俺達の方へと向けると、魔族が手に持っていたのは黒い球体であった。




「……不気味だねぇ~。ただ……」



そんな感想を漏らしながら、エールは一気に距離を詰めて、




「危険な物と分かっているのに、使わせる気なんてさらさらないけどね!!」



「いい判断だが、遅い!!」



エールの言葉に反応し、遅いと断言する魔族。




「え? 遅いってまだ何も発動して……ふえ!?」



エールの反応にニヤリと笑う魔族は、




「早速実感したようだな」



「……ちぃ!」



舌打ちをして剣を振るうエール……だが、あれ? 遅い?


先ほどまでの鋭い一撃が劇的に遅くなっているのが見て取れる。

疲れ? ではなくて、これがあの黒い球体の能力か!?

っと思っていたところで、自分の身にも感じる違和感に……




「……ああん? これ……魔力が練れない!?」



自分の身にも急激に襲ってくる違和感。

今まで身体に巡らせていた魔力が一切感じなくなっていくのである。




「あの黒い球体は……魔力を封じるのか!?」



その俺の驚きの声にニヤリと笑う魔族が、




「ああ……それもお前たちだけのな」



そう言うと自分の周りに黒い禍々しい魔力をあふれ出す魔族。


そんな都合のいいアイテムがあるとか反則じゃない!?


っと思っていると、




「あ、いてぇ!?」



次の瞬間にはエールが転んでいた……


何してんのこいつ?


そんな目でエールを俺と魔族が見ていると、転んだエールは怒り声を上げて、




「誰だよ! こんなところに鎖なんて置いてるやつはよ!!」



あ、俺だ……


エールの目が鎖を伝って持ち主を探しだすと……


俺の方ではなくオリヴィアの方へとたどり着いた……


一瞬の沈黙の後、




「うんうん、戦場だからね。なんでも転がってるよね」



どこまでいってもオリヴィアに従順なエールだ。

見なかったことにしたようだ……


ただ、そんな隙だらけのエールを見逃すはずがないのが魔族であり、




「あ、ちょぉ~っとだけ待ってくれると……嬉しいんだけどなぁ~……どう?」



そんなエールの言葉を聞いて、鼻で笑い、




「ふん、先ほど殺そうとしていた男に情けをかけると思っているのか?」



地べたに転がるエールに拳を構える魔族。

魔力も使えず絶対絶命のピンチの状態の中、エールは




「美女に殺されるのなら……我が人生に一片の悔いはない!!

 ……あ、優しくしてね♪ 初めて、だ・か・ら♪」



ゴォン!!



鈍い音が辺りに響いたと同時に、エールは……あ、何かピクピクしてる!




「……ゴキブリ並みにしぶといな」



そんな魔族が感想を述べながら、すぐに視線は俺へと注がれたのであった。


いつも読んでいただきありがとうございます。

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