114話目 襲来!!
いつも読んでいただきありがとうございます。
今日もよろしくお願いしますねぇー!
「・・・で?」
次の日、門番である騎士達が何かを言う前に
両手に剣を取り出したと同時に動き出して、騎士達の首に剣を当てる。
俺の動きを捉えることが出来ない騎士達は、気がつけば首に剣を当てられており、
現状を理解するとカタカタと震えながら、
「「ど、どうぞ!! お、お通り、く、ください!!」」
口を揃えて快く通してくれたのである。
なので、俺は遠慮なく二人が開けてくれた道を通るのだが、
オリヴィアはと言えば……
「汚いぞ! マコト! 貴様も男なら正々堂々と突破しろ!」
と理不尽な要求をしてくるのであった。
じゃあ、そもそも理不尽な命令を騎士たちにだしてんじゃねえよ!
騎士たちだって、オリヴィアに怯えて、そして俺に怯えながら
必死に命令を遂行しようとしてるじゃねえかよ!!
それからも騎士たちを通るための駆け引きを続けること六日目、
今日もオリヴィアの血を扉に垂らした。
いつものように扉に光が走っていき、
先日から血を垂らして点灯している場所と合わせて
あと少しだけ光が通っていない場所がある。
このペースでいけば7日と言うのは本当で、
明日血を垂らせば扉は開きそうだ。
今日のノルマを終えてここ数日の習慣になったオリヴィアの執務室で
ゆっくりと紅茶を飲んでいた。
「はぁ~、お茶が旨い。ありがとう、ローズ」
「喜んでいただけて幸いです。本日は……」
いつものようにローズが本日淹れた紅茶の茶葉の紹介を始めた時、
いきなり異変がが起きた!!
ドーン!! ドカン!!
執務室の中まで響いてくる音と共に、地面から突き上げるような大きな衝撃がきたのだ!!
その衝撃で思わず手に持っていたティーカップの中の紅茶を溢しそうになるのを
何とか耐えきれたのだが、更に複数の爆発音が聞こえてきて、
衝撃が走ってきたため紅茶を盛大に溢してしまう。
一瞬その紅茶に気を取られてしまうのだが、
すぐに街から聞こえてくる叫び声や悲鳴に意識が向かった。
すぐに反応して、窓際へと駆け寄ると窓から見えた光景は、
街のいたるところで爆発が起き、火の手が上がっているのである!
その間にも爆発音と共に衝撃で空気が震えて、
その衝撃波が肌に何発も当たってきた。
一瞬、何事?と呆けてしまうのだが、
すぐにノースベルト襲撃のことを思い出す。
そこからの行動は早く、すぐにローズとホフマンの方へと顔を向ける。
二人は先ほどまでは狼狽している様子だったのだが、
俺と目があうとハッとした顔をして、すぐに気を取り直してこちらを見返してきて、
「街の主要箇所には騎士たちを配置しております!
すぐに私も街へと向かい沈静化を図ってきます!」
ホフマンが手短に言うと、すぐに背を向けて部屋から出ていく。
それに続く様にローズの方も
「暗部の“チューベローズ”も街に伏しております。
住民の避難誘導と共に現状起きている情報を私の元に届けるようにしておりますので、
すぐに確認に赴き、情報をお届けします」
そう言って立ち去ろうとするローズに、
「……いやいや、うちに暗部がいるのにびっくり何ですけど!?
それもチューベローズってどいうこと!?」
「……あ」
っと、しまったという声を漏らしたローズだが、しばし固まった後、
一つ息を吐いたかと思ったら何事もなかったかのように部屋から立ち去ろうとした。
大事なことだから追及したかったのだが、
そんなことをしている余裕はきっとない!
それよりも今から出ようとする二人に対して、
「住民の避難を優先しろ。それとこれが予想していたノースベルト襲撃なら
きっと魔物だけじゃなくて、魔族も出てくる。だから出てくる魔族どもは……」
そこまで言ったところで、隣にいたオリヴィアがグイっと俺の前へと出ると
「私が殲滅してくれる!
私の街で私の物を破壊するとはいい度胸だ!
跡形もなく殲滅してくるぞ!!
行くぞ、ヴァイン! シャンパン!
一匹たりともノースベルトから生きて帰すなよ!」
「「は!」」
オリヴィアの檄に返事をした二人の騎士は、
オリヴィアが足早に部屋から出ようとした後ろにピタリと着いて出ていく。
ちなみに俺は自分の言葉を完全に奪われて唖然としていたのだが、
不意に鎖が引っ張られたためバランスを崩してしまい、
転倒してしまうのだが、そんな俺を一切気にせずに部屋から引きずって
街へとオリヴィアは向かうのであった。
「あだ!? イタ!! いて!!
ストップ! オリヴィアさん! ストップ!
魔族にケガを負わされる前にここで大ケガしそうです!!」
そんな俺の言葉は一切オリヴィアには届かずに
引きずられて街へと向かうのであった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
是非ともブックマークおよび評価をお願いします!
そのワンポチが…活力ですから!!




