11話目 メフィスト伯爵家の殺人鬼デス
ちょっと他の話追加のついでに更新しちゃいます!
誤字脱字の修正しました!
・・・多くて読みづらい・・・すいません・・・
「・・・止まらなければ切っていたくせに・・・。」
「ああん?気づくとは面倒なガキだな。」
そう言いながら、背中に隠していた剣をゆっくりと前へと持ってくる。
俺が止まらず走り抜けようものならあの剣を振りぬいてきたはずだ。
「面倒なガキなら・・・見逃してくれてもいいんじゃない?」
俺の言葉に鼻で笑って、
「俺はガキは好きなんだよ・・・
ガキが俺に這いずりながら命乞いをする姿を見れるからなぁ~。
そんな俺が・・・見逃すとかあると思うか?」
「・・・最低な趣味をしているな。」
戦うことは避けることが出来ない。
ただ、状況が悪すぎる。
この男だけではなく、森の中からは弓を持った追手と思われる連中が
ゾロゾロと出てくるのだ。
多勢に無勢の状況で、こちらにはスノウホワイトがいる。
俺一人だったらどうとでもなるが、スノウホワイトをかばいながら
戦うとなるとかなり厳しいものになってくる。
弓を構えて前後左右から距離を詰めてくる連中、
それを男が片手を上げて制し、ゆっくりとこちらへと近づいてくる。
「くそ共が俺の楽しみを取るんじゃねえよ!!
お前らは大人しく囲んでおけばいいんだよ!」
周りの連中を威圧する男。
だが、威圧に怯えながらも何とか仕事を果たそうとして
周囲にいた者たちは、囲む距離を縮めようとしたのだが・・・
「ああぁ!!!うぜええ!お前らは俺の言うことを聞いてればいいんだよぉ!!」
そう言う否や傍にいた男を・・・
一刀両断する男!?
こいつは完全に狂人だ。
そんな奴に人間の言葉なんて伝わるはずがない!!
皆の息が潜んでいく。誰一人動きだすことができないのだ・・・
そんな中でニタリとこちらを笑い、
剣に付着した血を舐めながら俺に近づいてくる男。
男に対して片手で剣を構えて、
背にはスノウホワイトを乗せたままでいると次の瞬間に、
「く、く、く!!あはははは!!
目を見開いて驚けよ!!
お前、俺に勝てると思ってたのかよ!?
無様だな!!」
目の前に男が現れたのだ!?
ありえない!?
どうなってんだよ!!
自分の間合いに入られたことに気づかない!?
慌てて一歩退いた俺を見て嬉しそうにニタニタと笑う男。
剣をクルクルと回しながら、俺が驚いたことを笑いながら楽しんでいる。
冷静を装っている俺の頭の中では、今の状況にパニックている。
確かに年齢差があるのは認める。
だけど、それ以上に大事なのはレベルだ。
レベルが高ければ能力も高くなり10歳児でも
20歳以上の大人の騎士を容易に倒すことが出来る。
というか、ここまで逃げれたのはまさにそれだ。
そんな俺がその動きについていけないというのは、どういうことだ!?
「重いガキを背負って俺の相手なんて無理だと思うぜ?」
その声は、今度は背後から聞こえてくる。
それにつられて後ろを向くと、
俺と目があうことでニタリと笑う男が、そこにいたのだ!!
ありえない!!
だって、今さっきまで目の前にいたのが背後にって!?
時間でも止めてるのか!?それとも高速で動いて・・・
いるんだ!!!
俺はそこまで来てようやく思い出す!!
メフィスト家なんだから、当然いるよ!当然!!
メフィスト家直轄の暗殺部隊がさ!!
その中でも一人高速で動く男がいたよ!!
「デスか!?」
俺の言葉に嬉しそうにニタリと口角を上げて笑う。
「おいおい、いよいよ俺もこんなガキにまで知られる存在になったのかよぉ~、
嬉しいな。嬉しすぎて勃起しそうじゃねえかよぉ!!」
興奮が一層高まっているデス。
狂ったように笑い始めて、そして興奮のあまりか、
近くにいた仲間を一人一刀両断するのだ!!
それでも滾りが治まらない様子で、こちらへと発情した目を向けてくる。
完全にこいつ狂ってんじゃねえかよぉ!?
「ああ、ダメだ!ダメだ!ダメだ!!もう止まられねぇ!!
お前を今すぐにでも刻んでやりたい!!
その雌ガキは、殺せなくて欲求不満だしな!!
まずは・・・お前の右手一本貰ってやる!!」
その声に俺は反応する!!
戦闘狂のこいつの弱点だ!!
ゲームと全く同じ弱点をこいつは持っていた!
馬鹿なのか、それとも宣言し、その通りに弱っていく様を見たいのか、
こんな狂人の考えなんてわかるわけがないが、それでもわかるのは、
こいつは宣言してから行動するのだ!
絶望を与えたいがためかは知らないけど!!
だから、対処が出来るんだよぉ!!
右手側前方に剣先を向ける!
デスの高速の動きの源は魔法だ!!(小泉進次郎構文は禁止!)
だから、欠点がある!
というか、この魔法の欠陥だ!
俺が前方に剣先を向けたと同時に剣から衝撃が走ってくる。
それと同時に・・・
キーーーン!!
金属同士が当たる音が響いた。
ただし、俺が持っていた剣は折れるのだけど・・・
ただ次の瞬間、弾かれたようにデスの姿が目に入ってくるのだ!
そして、わなわなと震えてたデスが、急にこちらへと向き直る。
そして、完全にイッた表情をして、
「はぁ~~~いいなぁ~~~お前ぇ~~~、
こんなガキの心をポキッと折りてえんだよぉ・・・
懇願させてぇえんだよぉ!助けてください!!!
って、地面を這いつくばらせて、命乞いをさせてえんだよぉ!!
その精神をくっそボキボキにおりてえぇんだよぉ!!!」
完全に俺を狙ってる目をするデス。
絶対に俺を見逃してくれるはずなんてない。
まあ、逃げる気なんてさらさらないんだけどね!!
俺は剣をアイテムボックスから取り出して、
「この畜生が!」
捨て台詞を放つとデスは嬉しそうにニヤリと笑う。
そうそう、こいつのクソみたいな性格だと、
俺が挑発することを嬉しそうに聞くデス。
・・・狙い通りだ!
「一つ一つ・・・折ってやるよ♪いつまでその態度がもつかなぁ~。」
そう声に出して、ニヤリと笑ってくる。
俺はその言葉と同時に魔法を発動させる。
「折れねえよ!!ライトアロー!!」
俺の言葉と同時に周囲に複数の魔法陣が浮かび上がり、それと同時に魔法陣が光の玉となって、
光矢となって飛び出していく!
俺を中心とした360°で出ており、その魔法も光速で飛んでいるため、
避けることなんて不可能だ!
・・・デス以外はな!!
俺は剣の構えを解かずにデスの方へと向けて、少し斜め上へと突き出す!
次の瞬間に・・・
「ぐはぁ!?」
デスの声と共に俺の剣にのしかかる重さ。
剣を宙に構えていたのだが、それに飛び込んだ形で受けるデス!
彼には避けれるわけがなかった。
デスが光速の動きをしているのは、
こいつの持つ魔剣“十束剣”のおかげである。
この魔剣のデスが持っている時点での能力の一つに“神速”があり、
それを発動させているのだ。
だけど、神速の欠点も当然ある。
これは、このゲームの世界でもなのだが、
身体能力向上の魔道具はいくつもあるのだが、
それはピンポイントでしかない。
例えば、剛腕なら腕力、神速なら足の速さといったことで、
神速で動けたとしてもそれに目がついていかない!
だから、俺が先ほど剣を構えているとそこにデスが、勝手に来て当たっているのだ!
今の魔法の発動で平面方向はすべてライトアローによって防がれたなら、
上しか選択肢がない。
だから、神速で加速した後、魔法を飛び越えてきたのだ。
よく・・・ライトアローが見えたと思えるけど・・・勘かな?
ただ、上からくると分かれば、どれだけ加速してこちらに向かってジャンプしても
構えていればいいだけなのである!
そして、今・・・
メキ・・・
俺が構えていた剣に自ら飛び込んできたデスの右肩に深々と突き刺さっていた。
こちらを鬼のような目で睨んでくるのだが、それに怯む俺ではない。
そのまま突き刺さっている剣に力を入れると、
「ぐぃぎぃ!!」
カラーン!!
短いあえぎ声と共に手に持っていた十束剣を落とすのだ。
それを俺は刺さっている剣に力込めて押し、デスを遠ざけてから拾う。
それを何とか阻止しようとするデスであったが、
この状況で何が出来るわけもなく、俺は剣を拾うことができたのだ。
ただ、ここで油断が生まれてしまう。
刺さっていた剣を自力で後ろに下がって抜いたデスが、
懐に手を入れて何かを弄ったかと思うと、
すぐに何やら石を取り出して魔力を込める。
「くそがぁ!!覚えてやがれ!絶対に忘れねえぇ!!
お前の顔は!!地獄の果てまで追ってやるからな!!」
その言葉と同時に光が辺りを包んだかと思うと、
次の瞬間にデスは目の前から消えているのであった。
「転移石かよ・・・。」
自分の思う場所に魔力を通すことで瞬時に転移することが出来る石である。
高価で希少価値の高い魔道具を躊躇なく使うとはね・・・
「あんな化け物に顔なんて覚えられたくもなかったけどね・・・。」
あいつに止めをさせなかったことを後悔するけど、
それでもあいつの最大の武器である十束剣が
俺の手に入ったことにちょっとは安堵できる。
こいつがなければ、あんな高速移動での攻撃はデスにはできないのだから。
「ってか、何気にプレイヤーの中で大人気だった十束剣が手に入ったのはうれしいな。」
俺は手にした十束剣をマジマジと眺める。
この十束剣には・・・っと、その時、追加の矢がこちらへと向けられた!!
「いかんいかん!今は、まだ戦場だ!とりあえず逃げないと!!」
慌てて十束剣をアイテムボックスにしまうとすぐに駆け始める。
身体強化に魔力を注ぎ、一気にその場から立ち去るのであった。
いくらデスを倒せるからと言って、
あんなに多勢に囲まれたのでは、袋のねずみである。
とりあえず、今は背中にいるスノウホワイトを
無事にブバルディアに届けることが重要だ。
俺は、何とかその場を這う這うの体で逃げ出すことができ、
無事に城塞都市ブバルディアにたどり着くことができたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。
いつも読んでいただきありがとうございます。
是非ともブックマークと評価をよろしくお願いします。
そのワンポチが・・・僕を救います!!!




