補色
黄色と、紫は、補色関係にある。
日常と、病。
紅蓮と、潮。
白紙と、嘘。
透明と、錆。
それから、陰と陽。男と女。
わたくしは、わたくしの、補色をさがしていて、
不道徳な、薔薇園に、落下した、u.f.o を
けだもの の ごとき わたくしの 睛は とらえた、
それ以来、わたくしは、u.f.o の 補色である、
それは 静かな 秘密なのだが
皮膚の下に 埋没した 不定形な 秘密の、
その、鍵をも、今は、なくして、しまった
どこで なくしたのだか
この皮膚に刻まれた、くろい、ふかい 鍵穴に
その手に、お持ちの鍵が
合うのではないかと
念ほゆ
なんて、ノイズみたいな言葉を、
ここに、塗りつける、わたくしは、
ある宿命を背負うのだけれど
とりあえず
わたくしは
補色として、佇みつづけるのだった
うつくしき u.f.o の 補色として。