表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

深淵でみたもの。

今回で物語は動きます。

楽しんで読んでいただければ幸いです!!

ご意見ご感想お待ちしております!!

結構修正入れてしまうと思います。ご容赦ください(土下座)

二話、三話も結構変わってます。。。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


醜い断末魔をあげて悪魔たちは倒れていく。


「ああ!もう!数が多くていやになっちゃうわ!!...ヘルフレイム!!」

「かなり敵の数が多くなってきましたね。この先に何かあるのでしょうか。」

「もうすぐ深淵だからってことだろう。もしかしたらボスか何かがいるのかもしれない。気を引き締めていこう!」

「みなさん。こまめに回復してください。はい、ポーション。」


カイトたち勇者一行は魔境の深淵部にその歩みを進めていた。

奥になるにつれ、魔物の数も増え、その強さも増していた。


「みなさん。ポーションの残りも少なくなってきました。安全な地帯まで引き返しませんか?」


回復物資も残り少なっていたし、勇者たちの武器も消耗していることにレオは気づいていた。


「はぁ!!?ここまで来ておいて何言ってんの!!?」

「レオ殿の意見ももっともですが、ここは魔境、安全な場所などありません。このまま撤退しては二度と深淵を超えることができないかもしれません。」

「じゃ、じゃあせめてポーションだけでも補充させてください!!」

「止まったら止まるだけ消耗していく。急いで深淵を抜けることに集中しよう。」


そういって勇者一行は先へ進んでいく。

悪魔たちを切り倒し、吹き飛ばし、その戦いぶりはまさに勇者と呼ぶにふさわしいものだった。しかし、悪魔の猛攻もすさまじく、進むにつれ、強くなっていく圧力に、一行は確実に疲弊していくのだった。


「はぁ、はぁ、はぁ、あとどのくらいなのかしら、、。ヘルフレイム!!」


<<ヘルフレイム>>は魔力不足のため発動に失敗しました。


最初にクレハの魔力が切れた。


「う、うそ。レオ!!早くポーション!!!」

「もうありません!!」


悪魔の猛攻を短剣でなんとかしのぎつつ、そう答えるレオ。

頼みのポーションももうない。


「はぁぁぁぁぁ!!」


バキン!!!!

次にシャルの剣が折れた。


「くっ!!ここまでか!!レオ殿!予備の武器は!!?」

「さっきの攻撃でやられました!!」


自身の倍ほどの大きさのリュックを運んでいたレオ。

その中には確かに予備の武器がいくつも入っていたのだが、悪魔の攻撃で、そのほとんどを失っていた。

みながみな限界であった。さっき引き返さなかったことを後悔し始め、絶望がみんなの心を覆いつくそうとしたとき。


「みんな、地面に伏せてくれ!!」


そうカイトが叫んだ。その掛け声に一斉に伏せるクレハ、シャル、レオ。


「ここらの敵を一掃する!!聖なる魂の最期の咆哮(レバンティア)!!」


カイトの掲げる剣に尋常でない光が集まっていく。その光が臨界に達したとき、天をも貫く光の衝撃波が辺りの悪魔たちを一瞬で消し飛ばした。

カイトが自身に残るすべての魔力を使って最強の一撃を放ったのだ。

久しぶりに訪れた静寂。空を覆いつくしていた悪魔は、一匹もいなくなっていた。


「や、やった!!さすがカイト!!」

「すさまじい一撃でした。たすかった...。」

「ははは、もうさすがに限界だよ。」


絶望を一撃で覆すその姿はまさに勇者であった。

一行はなんとか生き延びたことに安心し、感謝した。


「さあ、早く撤退しよう。またいつ悪魔が襲ってくるかわからない。」

「そうね!!どっかのバカのせいでもうポーションもないし!」

「それは、事前に伝えたはずです!!たりなくなると!」

「まぁまぁ、生き残れたのですからいいではないですか。それよりもカイト殿の言う通り早く撤退しましょう。なんだか嫌な予感がします。」


その時だった。一行は背後からすさまじいオーラを感じ、振り返った。

そこにあったのは扉であった。

古ぼけた石造りの扉。

しかし、その表面には荘厳な、それでいて恐ろしい紋章が彫られている。

普段であれば無視してしまうようなそんな扉から一行は目が離せなかった。

ギィィィィィィィ

そしてその扉は開いた。ゆっくりと。何事でもないかのように。

最初に見えたのは鹿の角であった。

次に見えたのは人の顔であった。いや、正確には人ではない。しかし、人のような何かの顔だった。

そうして次第に全貌が明らかになる。

鹿の角、人の顔、牛の胴体、獅子の下肢。蛇の尾をもつ化け物だった。


「な、なによあれ。」

「凄まじい力を感じます。今の私達では、、、。」

「いや、勝つんだ!!勝って帰るぞ!!今までもそうしてきたように!!」


カイトの一言でみんなはなんとか戦意を失わなかった。さっきの一撃を見ていた一行はもしかしたらと思うことができた。

しかし、そんな淡い希望も跡形もなく叩き潰される。


ーーみゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁヴぁあヴぁヴぁヴぁヴぁっヴぁヴぁヴぁヴぁーー


化け物がおぞましい叫び声をあげると、もう一匹化け物が姿を現したのだった。


「う、うそでしょ!!逃げないと!!」

「みんな!!走るんだ!!!」


そういって逃げ出す一行。

必死で走る中、カイトは見てしまった。

その扉からその化け物が出てくるのを。一匹や二匹ではなく。それこそ無数に。

そしてその奥に圧倒的な知性と暴力を感じさせる。人型の悪魔を。


「ああああああああ!!」


かつてないほどの恐怖を感じたカイト

今まであらゆる困難に立ち向かってきた勇者。

そんな勇者が初めて悟った。

あれはだめだ。

人間が相手をしていい存在ではない。

そして見つける。

視界の端で必死に走る雑用係のレオ(あしでまとい)を。

そして考える時間なしに剣をふるっていた。


「がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!足がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


カイトはレオを犠牲にしたのだ。

少しでも助かる可能性を上げるために。

化け物どもの標的にするために。


「なんで、どうして!!カイトぉぉぉぉぉぉ!!クレハぁぁぁぁぁぁ!!シャルぅぅぅぅ!!」


カイトに切り落とされた足からは夥しい量の血が流れる。

振り返らないカイトたち

迫りくる圧倒的な暴力

大きな絶望を胸に、レオの意識は遠のいていくのだった。

次回からレオ視点になりますぅ!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ