賢者の書~序章~
初投稿で修正入りまくると思います!すみません!
ここは魔境。
あらゆるものが朽ち果て、あらゆるものが消えてゆく土地。
一切の生命はなく、一切の変化もなく、ただどこまでも続く地面と、暗雲立ち込める空が広がるだけの土地。
そんな場所の中心部、魔境の深淵。この世の終わりなどと称されてきた場所がいつしかこんなうわさがされるようになった。
曰く、緑が茂り、小鳥が歌う楽園であると
曰く、万病を治す果実にあふれる庭園であると
曰く、竜の守護する深淵であると
曰く、天を支える世界樹が生える聖域であると
そして、そこには万物に侵されず、万物に慈悲深く、万物に愛される、その地を守護する者がいるのだと。
この噂を一笑に付すものもいた、希望を持たせるための作り話だと。
この噂を信じその地を目指すものもいた、愛する者を救おうと。
この噂を証明しようとするものもいた、名声を得ようと。
その真偽はいまだ確かではない。噂を確かめようとしたものはみな口を閉ざした。
それは噂を信じた自分の愚かさを恥じてか、はたまた真実を明かせない理由でもあるのか。
しかし、我々はその真実を受け継がねばならない。この世の行く末を案じるがゆえに。
~賢者の書 序章~
2話以降は長くなると思いますが、末永くお付き合いいただけると幸いです!