第8部分
目を覚まし皆でおっさんの家へと向かう。
おっさんは朝早くから村周辺の調査に出たそうで、不在だった。
冒険者ギルドへ向かい、いつもの依頼を受ける。
畑へと向かい、いつも通り餌のスモールボアを確保。
エステルさんから貰った地図をメンバーに見せて今日の場所を決める。
スタンビートが事実なら村から近い場所に陣取るべきかもしれない。
森に入ってすぐの場所に少し開けた場所があるみたいで、その場所に決める。
畑が広がる場所から森に入って10分少々。下り坂の下に木があまるり生えていない岩のある場所がある。岩の上を餌場に決めて、パトリクとシャルは坂の下にスタンバイ。クリスと私の弓部隊は左右に展開し木に登る。
餌を置いてすぐにシャルから合図がある。右手を上に上げたら「接近中注意」右手を水平に伸ばしたら「発射準備」腕を頭の上でグルグル回すと「発射」必要なことが離れた場所に正確に伝わればいいのだ。まもなく腕が水平に伸ばされ、パトリクとシャルが斥候の5匹と戦闘を開始。見下ろす場所取りが出来たので、グレーウルフの動きがよく見える。餌に大量のグレーウルフが集まり、腕がグルグルと振られる。発射命令だ。
パトリクとシャルの位置をしっかりと確認し、速射・早合で「アローレイン」を群れにお見舞いする。撃っても撃ってもキリがない程、グレーウルフが沸いてくる。撃ち漏らしたグレーウルフがパトリク達へ一気に迫る。クリスが木からスルスルと降りて、後退しつつあるパトリク達を支援する。何度か危うい場面はあったが、無事に殲滅できた。
「物凄い量だったね。この量を2箇所やると怪我しそうなので、この場で次の群れが来るのを待つ方向でいいかな?」
グレーウルフを回収しつつ皆に相談する。集められたグレーウルフは見たことのない様な量があった。
シャル探索レーダーに警戒を頼んで、パトリクに聞いてみる。
「数が多すぎるけど、大丈夫か?押し切られそうだったら、無理せずに引き上げるつもりだが」
「いえ、リーダーとクリスの弓で対処できていますので、早めに後退すれば安全は確保出来ると思います。」
「私は坂の上でしゃがんで撃つようにします。早めに回り込めれば、押し切られないと思います。」
2人はやる気満々なのでこのまま続けるか。
「シャル、このまま続けようと思うが大丈夫か?」
「はい、先程でペースは掴みましたので問題ありません。」
シャルもやる気は十分だった。
休憩を挟み、2回戦開始。今回は合図を待たずに斥候の後ろを撃つと2人には伝えている。
シャルの右手が上がると同時に森から出てくるグレーウルフが目に入る。
「アローレイン」を群れへと叩き込み、パトリクに接近するグレーウルフを優先して矢を放つ。クリスも上手く回り込んで側面から矢を放っている。
終わったか。そう思った時、シャルの右手があがる。
シャルが餌に駆け寄り、森の中に餌を投げ捨てる。
クリスが坂の上に駆け上がってくるのと同時に再度シャルの右手があがる。
合図がないのでクリスのほうを見る。何かおかしい。
クリスが木に登り、降りてこちらに駆け寄ってくる。
「警戒しています。動く様子がありません。矢は届きますので、森に打ち込んでみましょうか?このまま睨み合いで数が増えると対処できなくなります。」
獣人は視力も人間より優れているのだろう。群れが止まっている場所をクリスに教えてもらい、試しにその場所へ「アローレイン」を打ち込んでみる。クリスも同じタイミングで別の場所へと矢を打ち込む。
押し出されるかのようにグレーウルフが現れるが、数がやや少ない。
パトリク達の場所へたどり着いたグレーウルフは数匹だった。
アイテムボックスを背負い、急ぎ坂を下る。シャルが警戒しているので、まずは回収を優先しようと思う。森の中に入ったパトリクとクリスがグレーウルフをどんどん投げだしてくる。回収するのも大変だな、と思ってる頃に森に入った2人が戻ってきた。
「まだやりますか?解体が大変なのでそろそろ止めますか?餌も見当たりませんでした。」
パトリクは餌の行方まで探してきてくれたようだ。
「このまま続けると、事故が起こりそうなので今日はこれまでにしよう。」
メンバーも中止の判断に異議はないようだ。
スライムの居る掘の近くにアイテムボックスを置く。
「何匹居るのか分からないけど、早く終わらせましょう。」
シャルの数えたくない発言には同意してしまう。
クリスに商業ギルドに走ってもらう。数が多いので、持ち込むのが遅くなるかもと伝えてもらうのだ。
「リーダーなんでそんなに解体が早いんですか。その短刀が特殊なのですか?」
解体Aで狼の毛皮をどんどん剥がしていると、パトリクから突っ込みが入る。
「解体は良い師匠が居たから上手くなったんだ。それにしても終わる気がしないね。」
「「その師匠に習いたいです」」
パトリクとシャル、何故か同時に同じことを言う。
商業ギルドに向かったクリスがエステルさんを連れて戻ってくる。
「ヤマトさん、おかえりなさい。量が多いと聞きましたが、どの位持ち帰ってるんですか?」
とエステルさんのリクエストもあり、開けた場所でアイテムボックスの中身を全部出す。
山になったグレーウルフがそのにはあり、エステルさんは言葉を失っている。
「すぐに応援を呼びますので、お待ちください。窓口は遅くまで開けるようにしますので、宜しくお願いします。」
エステルさんが猛スピードで村の中へと戻っていく。
誰も喋らず、延々と解体作業が続く。暫くして、応援の職員が3人やってきて手伝ってくれる。なんとか食事の時間前には解体が終了した。
「解体お疲れ様でした。数はこちらで数えますので、こちらで全て出されて下さい。」
魂の抜けた4人を見て、エステルさんが優しい声を掛けてくれた。
「……この量は見たことがありませんでした。大狼が31匹で124,000G、狼が280匹で560,000G、合計で684,000Gです。依頼は31件達成で処理します。」
「ありがとうございます。時間が時間なので冒険者ギルドに急いで向かいます。」
お礼もそこそこに、冒険者ギルドに走って向かう。
ギリギリ報告の時間に間に合い、達成となる。
「ヤマトさん、おかえりなさい。スモールボアの討伐ですね。パーティー4人での達成になりますので、報酬は各2,000G、達成数は4になります。」
ゲッソリした顔でエルサさんに手続きをしてもらい、冒険者ギルドを後にする。
「ヤマト君、今日は一段と疲れてるな!そんなに魔物の数が多かったか?」
おっさんの家で食事をしていると、見事見抜かれる。
「数が多いと言うよりは群れの数がおかしいですよ。100匹超える集団に2回も遭遇しましたし、最後の集団は何か探っている様にも感じました。」
おっさんは険しい顔で頷きながら話を聞いている。
「実は村の北にあるダンジョンも魔物の量が異常だと報告があって、冒険者の調査隊を派遣している。明日には戻る予定なので、何かわかるかもしれない。今分かるのは、まだ発生していないということだけだな。」
おっさんもお疲れのよう。
話もそこそこに、自宅へと戻る。
トイレに入り、祈りを捧げ、転生課へと移動する。
「ヤマトさん、おかえりなさい。確かにトイレにも女神は居るという意見はありますが、何故トイレからなのでしょうか?さて、福引に戻られたのですね。どの係に向かわれますか?」
おねーさんからやはり突っ込みは入る様だ。
「住人が増えたので、個室がないんですよ。」
おねーさんに少しだけボヤいてみる。
「それは仕方のないことです。しかし、転生課のことは話す必要が出てきますので、パーティメンバーの方には話すほうがいいと思いますが。」
WHY??
「福引がヤマトさん用とは別にメンバー用が追加されているからです。」
ハジメテキキマシタ。
ではメンバー強化のほうがイベントに向けて意味があるだろう。
「今回はメンバーの福引をします。転生技能登録係へ。」
おねーさんにそう告げて「転生技能登録係」へと足を運ぶ。
メンバー用の福引(金)をまずは10回回す。1回はオマケだ。
金「剣術B」パトリク
金「大剣術B」パトリク
金「幸運C」パトリク
金「解体B」クリス
金「体術B」パトリク
金「地図B」シャル
金「地図B」クリス
金「解体B」パトリク
金「鉄壁B」パトリク
金「牽制B」パトリク
+金「盾術B」パトリク
2回目の福引(金)を10回回す。1回はオマケだ。
金「連射B」クリス
金「絶倫A」パトリク
金「連携B」パトリク
金「暗殺B」クリス
金「体術B」シャル
金「短剣術A」シャル
金「体術B」クリス
金「連携B」シャル
金「双剣術B」シャル
金「絶倫A」パトリク
+金「早合B」クリス
22回の福引(金)で絶倫Aが2回も出た。当りは短剣術Aかな。
「あらら、こんなにパトリクさんを強化しちゃうと、寝れないんじゃないですか?」
とおねーさんはクスクス笑っている。この福引をなんとかしろと。
今回は特に聞くこともないので、魔法陣で異世界へ戻ることにする。
トイレから出て部屋へと戻り、女性2人を呼んできてもらう。
「実はいろいろとツテがあって、修行せずともパーティーメンバーに技能を与えることが出来るようになった。追加した技能はギルドカードか冒険者ギルドで確認できるはずだから、中身は確認しておいてくれ。」
皆に転生課の名前を出さずに特技を勝手に変更したことを簡潔に伝える。
パトリクから文句を言われる前にササッと寝ることにする。
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名前:ヤマト
職業:村人A
所持金:977,500G
所持P:800P
冒険者ギルドF 0/30件、商業ギルドE 420/1000P
E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)
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