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第6部分

感想頂き、ありがとうございます。書き溜めた分が結構ありますので、改善する部分は後々改善していければと思っております(07/08 19:30)

目を覚まし、アイテムボックスを背負子(リリーさんのサービス品)に固定して背負う。背中に衣装ケースを背負っているイメージ。その恰好でおっさんの家へと行き、朝食を食べる。


「あら、ヤマトさん、ダンジョンにでも行かれるの?」

とおっさんの奥様から指摘される。このサイズの箱=ダンジョンというのが一般的なんだろう。


「いえ、まだダンジョンには行きません。スモールボアかグレーウルフを狩るつもりですけど、台車だと森の奥まで入れませんので、背負うことにしました。」

と疑問に答えておく。


「グレーウルフを狩るなら良い方法がある。少し危険だがな。スモールボアを狩って、その内臓を周囲に撒いておくんだ。畑の近くには寄ってこないので、森の中に少し入らないと駄目だがな。スモールボアは危険を察知して寄ってこなくなる代わりに、グレーウルフがどんどん寄ってくる。最初はあまり奥に入るなよ。リーダーが寄ってくるとやっかいだ。」

おっさんは何をしようとしているのか察した様で、教えてくれた。


「あと、早めに仲間を探さないと手遅れになるからな。冒険者ギルドに仲間募集の掲示板で「冒険者になろう」というのがあるから、それに仲間募集を出すだけでも出しておけ。」

顔見知りの多い村なので意味があるか分からないけど、おっさん指導の通り出すことにしよう。


朝食を終えていつものスモールボア依頼を受ける。同時に「冒険者になろう」に仲間募集を掲載してもらう。性別不問、年齢30歳位まで、職業不問、グループ応募は不可の条件にしてもらう。こちらのランクは最低ランクなので、同じような冒険者と一緒にやれればいいということだ。


冒険者ギルドで手続きを終えて、スモールボアの餌場に向かう。途中の畑で2匹見つけたので、ゆっくりとアイテムボックスを降ろし弓を構える。連射B早合Aを意識して矢を放つ。……びっくりする位、矢を射る速度が速くなった。ドンッ!ドンッ!と矢が貫通して地面に刺さる音が同時に聞こえる位だ。これは凄い。


アイテムボックスにスモールボアを入れて森へと向かう。アイテムボックスは蓋を開けた状態で対象物に手を触れて「収納」と念じれば収納される。有効範囲は100メートル位だそうだ。アイテムボックスから物を出したい場合は、箱の中を覗き込み引き上げるそうだ。この辺は慣れだとリリーさんは言ってた。


畑を通り過ぎ、餌場にしていた場所も通りすぎる。森の木々の隙間からギリギリ畑が見えなくなる位の距離まで森へと分け入る。どこに狼が居るのか分からないので、木に登って辺りを見回す。木々が邪魔で視界がまったく確保できない。


おっさんに教えて貰った通り、スモールボアを1匹解体して少し離れた場所に撒く。急いで登っていた木に戻り狼の出現を待つ。


1時間位待っただろうか?森の中から動く音が聞こえ、スモールボア餌を包囲するように集まってくる。あれがグレーウルフだな。


グレーウルフが遠巻きに見ている間は矢は射らず、少し様子を見る。数は4匹だろうか。


スモールボアに近づき、周囲を見回している。こちらには気づいていない。


急ぎ矢を放つ。連射・早合で2匹目、3匹目に矢を当てた位のタイミングでこちらに気付き木に向かって突進してくる。木に登ろうとするところを木の上から打ち下ろす。


間に合った、と一息ついている間に、またスモールボア餌は包囲されつつある。近くに狼が倒れているからか、近づいてこない。このまま待つものいいが、更に集まられるのも問題ないので、連射・早合で矢を射続ける。動いてる対象に当てるのは難しいが、連射でなんとかそこはカバーしておく。


すぐに木の上に居ることがバレて、グレーウルフの集団が木に向かい突進してくる。ひたすら矢を射続け、グレーウルフのラッシュは退けた。


木から降り、先に餌を回収する。周囲にはもうグレーウルフは居ないようだ。最初の4匹と合わせて15匹を仕留めることができた。場所を更に森の奥へと移動し、おなじく餌を置く。今回はやや高い木に登り、高くから見下ろす作戦だ。


暫くすると同じ様に餌が包囲される。今回は……20匹を超える数が集まった。中でも特に体の大きな個体が2匹見える。あれがリーダーだろうか。率先して餌に近づく大きな個体にそれぞれ2発づつ矢を射る。ドンッ!トンッ!、ドンッ!ドンッ!リーダーの体も貫通してしまうこの弓、強すぎるのではないだろうか。


リーダーを失った群れは逃げるかと思ってたが、そうではなかった。木に群がるグレーウルフに矢の雨を降らせる。心の中で「アローレイン」と必殺技のように名前をつけたことは内緒なのだ。中級の弓の腕前に中級の連射、上級の早合を組み合わせた連射はまさに矢の雨のごとくグレーウルフに降り注ぎ、何匹かは逃げていったものの撃退成功だ。


アイテムボックスを開き、餌を回収してから獲物を回収して回る。


あと数匹という時だった。後ろからグレーウルフに襲いかかられ、咄嗟に出した左手に噛みつかれる。腰に差してある解体用の短刀を倒れながら抜き、グレーウルフの首目掛けて刺す。

左手はすぐに解放されるも、周囲にまだ居るかもしれない。

短刀を片手に周囲を警戒しつつ、残りの獲物を回収し終えた。


「群れが相手だとこの不意打ちが命取りだな……」

と思いつつ、すぐさま荷物をまとめて村へ急ぎ戻る。


解体の為に畑の近くで取り出してみると、グレーウルフリーダーが2匹、グレーウルフが25匹だった。解体Aなので毛皮はサクサクと剥がれる。胸に魔石があるので忘れずに取り出す。肉は需要がないそうなので、そのまま森に放置する。そのうち他の動物が食べてしまうそうだ。


毛皮と牙をアイテムボックスに収納し、村へと帰る。


冒険者ギルドに行き、達成報告を行う。今回は1匹なので2000Gのみだ。


□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:5,500G

所持P:800P

冒険者ギルドG 5/10件、商業ギルドE 0/1000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□


「ヤマトさん、少しお時間いいですか?」

ギルド職員のエルサさんに話しかけられる。


「エルサさん、こんにちは。どうされました?」


「「冒険者になろう」に今朝募集を出されたでしょ?何人か話してみたいという人が居るんだけど、どうしますか?居場所は把握出来ているので、1時間後くらいでしたらここ集合で会って頂くことができますよ。」


今朝出したばかりの募集に複数応募とな!それは会わねば!


「これから商業ギルドに行きますので、1時間後にここ集合でお願いできますか。」

そうエルサさんに返事をし、急ぎ商業ギルドへと向かう。


ギルド職員のエステルさんの窓口に向かい、グレーウルフの素材買取をお願いする。


「あら、ヤマトさん。早速素材の買い取りですね。狼の毛皮が25、狼の牙が25ですね。こちら合計で50,000Gですね。あと大狼!凄いですね。大狼の毛皮が2、大狼の牙が2で8,000Gです。合計で58,000Gで買い取りさせて頂きます。」


「大狼はEランクで素材の依頼がありますが、どうされますか?Eランク2件達成と処理が出来ます。依頼を受けても残念ですが買い取り価格は変わりませんけど。」

少し残念そうにエステルさんは言うが、依頼達成はすべきだ。


「では素材買取と依頼2件達成ということで処理させて頂きます。今回のPは20Pになります。」


「あと、良ければの話なのですが、こちらのギルドでEランク以上の方は職員を専任に選ぶことができます。私で問題無ければ専任で指名して頂けると、指名ノルマ的に助かります…。」

エステルさんのお願いを断るはずがない。これはフラグが立つ前兆なのだ。等と思いながら専任指名を了承する。


商業ギルドから出た頃に、頭の中に転生課のおねーさんの顔が浮かび、「商業ギルドのエステル嬢は恋人が居て、そろそろ結婚するそうです。」とか要らない情報を流してくる。期待するだけはタダなんだから、それくらい自由にやらせてくれ!と思うのであった。


転生課のおねーさん事件を引きずりつつ、冒険者ギルドに戻り「冒険者になろう」へ応募してくれた方との面会を行うことにした。


応募してくれた人は全部で5人だったのだが、そのうち2人は性格がNGなので少し話して「お祈り」を申し上げた。貴方の活躍に期待しています、という例のアレだ。


残りの3人と最初に個別に話す。感触は悪くなかったので、3人を呼んで自己PRをしてもらうことにした。


エントリーナンバー1番

名前:パトリク(17)

性別:男

職業:戦士C

特技:剣術C盾術C体術C


エントリーナンバー2番

名前;シャルロッタ(17)

性別:女(獣人)

職業:村人B

特技:剣術C双剣術C索敵B


エントリーナンバー3番

名前;クリスティーナ(17)

性別:女(獣人)

職業:村人B

特技:弓術B隠密B暗殺C


という3人だった。獣人の2人は種族が同じそうで、猫の獣人だった。

パトリク曰く、

「食事を約束してくれるなら、これほど良い条件はありません。是非、お願いします。」

とか言ってるし、

シャルロッタ(シャル)、クリスティーナ(クリス)曰く、

「今日の晩御飯は何か食べられるのでしょうか?依頼の報酬は装備に使いますので、食費は出来るだけ節約していました。」とか言ってる。語尾に「にゃ」は付かない。


3人をパーティメンバーとして迎えることにして、ギルドでのパーティ登録を済ませる。パーティを組むとギルドランクはパーティーリーダーのものが基準になるそうで、3人に異存はなかった。「ランクよりも食事が大切です。」という分かりやすい回答だった。


一気に3人も連れていくとおっさんも困るだろうと、おっさんの家に行って奥さんに聞いてみると、あっさりと「いいよ」と即答してくれた。


おかずになる材料でも持って行こうと思い、3人を畑に誘う。

パトリクが盾を構えて剣で牽制し、シャルが細剣で側面から攻撃する。クリスと2人で少し離れた場所から矢を打ち込む。あっさりと4匹のスモールボアを狩ることができた。


スモールボアを持って4人でおっさんの家へと向かう。

家に入り、おっさんにパーティメンバーとして3人の仲間が出来たことを説明する。


スモールボアは内臓だけ畑で出してきたので、家の裏で解体して奥さんに渡す。毛皮をどうするか考えていると、奥さんは欲しいと言うので一緒にプレゼントすることに。


「ヤマト君、パーティーメンバーが見つかってよかったね。獣人は人間よりも戦闘に向いていると言うから、良い選択だと思うよ。無理をしないようにね。」

ガハハハといつもの笑い声を出しながらおっさんは喜んでくれた。


おっさんの家を出て宿はどこなのか3人に聞くと、物凄く安いけど雑魚寝の宿だという話。自宅は一応は2部屋あるので、うちに泊まるか?と聞くと物凄く感謝される。


寝具がないので買いに行こうと言うと、雑魚寝は寝具なんか無いようなものですから、そのうち買いましょう。ということで野郎2人と獣人女2人で部屋を分かれて寝ることに。


獣人2人はフラグ立ってるかなぁ~?と横になり考えていると、「この流れはテンプレ的に立つと思いますよ」とおねーさんが教えてくれた。本当かよ。



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名前:ヤマト

職業:村人A

所持金:63,500G

所持P:1000P

冒険者ギルドG 5/10件、商業ギルドE 20/1000P

E強化短弓 E小型鉄杭 Eハードレザーセット Eアイテムボックス(中箱)

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