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想いを伝えるということ

久しぶりの投稿です~

亀の歩みですが、頑張ってます(汗)

そのまま夕方まで子供達と遊んだり、建物の修理をしたりするユーリを手伝い、俺達もそれに付き合う。

驚くことに、修理をする工具の使い方などが様になっており、危なげない手つきにこちらが感嘆したほどだ。


「楽しかった」


帰る道すがら、先程までの子供達とのふれあいを思い出し、感想を口にすると、ユーリは嬉しそうに微笑んだ。


「なら良かったです」


「修理する技術が長けているように見えたが、経験があったのか?」


シュヴァルツの質問に、ユーリは頷く。


「仕事で、色々な物を直したりもしていたので、あれくらい材料が揃っていれば、大抵の物は直せますよ」


女性が大工仕事をこなすなど、この国では馴染みのない発言に、やはり彼女が遠い異国の者だと実感させられた。

こちらの少し暗くなった雰囲気には気付かず、ユーリが尋ねてきた。


「そういえば、私の大好きな人達はいかがでしたか?」


上目遣いの質問に、目を丸くする。


「まさか、昼間に言っていたのは、、、」


「ええ、彼らの事ですよ」


『いい子達でしょう?』と続けるユーリに3人とも脱力する。

そんな俺達の姿にキョトンと首を傾げるユーリのなんと愛らしいことか、、、そこで俺は(おもむろ)に行動に移した。


「ユーリ、、、」


隣を歩いていた彼女の前に立ち進路を塞ぐと、驚いた顔で立ち止まり、こちらを見上げてきた。

王都の人通りも疎らな道。

月明かりの下で、相手をしっかり見据えて言葉を紡ぐ。


「ユーリ、今日まで色々な君を見てきた。 強くもあり、弱くもあり、芯のしっかりした姿に、日に日に惹かれていったんだ」


俺の突然の告白に、ユーリは戸惑った表情で口をパクパクさせていた。


「俺は、生涯の伴侶として添い遂げるならば、ユーリがいい。 貴女しか考えられない。 、、、俺と結婚してくれないだろうか?」


目を見開き、口許に当てた手が震えている彼女は何も答えない。

唐突すぎて答えられないのかもしれないが、どうしても不安になってしまう。


(今まで女性に申し込んで、こんなに怖いと思うのは初めてだな、、、)


固唾を飲んで待っていると、意外なところから声がかかった。


「抜け駆けは良くないですよ」


一歩前へ進み出たルーファに、ユーリはついていけてないであろう思考のまま、そちらを見る。


「ユーリ、私は生涯、貴女だけを愛します。 私の隣で幸せになっていただけませんか?」


恭しく片膝を付きながら申し出る姿は騎士そのものといった感じだ。


「えっ、と、、、」


何かを答えようとするユーリを遮って、今度はシュヴァルツがユーリに話し掛けた。


「俺には、二人のような富も名誉もない。 だが、お前を守り傍にいてやることはできる。 俺とだけ結ばれろなんて言うつもりはないが、傍にいることを許してほしい、、、」


まさかシュヴァルツからも告げられるとは思ってなかったようで、手で口を覆いながら固まっていた。

しばらく沈黙が続き、いい加減、待つ側が苦しくなってきた頃、ユーリがゆっくり口を開いた。





××××××××××





想定外の出来事が起こりすぎだ。


(何故、私なんかが、こんなイケメン集団から求婚されているんだ?)


みんなに嫌われてない自信はあった。

家族のように大切にされているのも自覚していた。

だが、そこに恋愛感情があるとは露ほども思ってなかった。

何故なら、私は三十路街道まっしぐらのオバサンに分類される生き物である。

見た目だって良くて中の中、、、要は普通って事だ。

性格だって、適当で、狡くて、めんどくさがりで、自分に甘くて他人に厳しい、、、良くも悪くも庶民的だ。

一体どこに目をつければ、私なんぞに求婚するに至るのか、、、。

そんな事をだらだらと考えていたが、いつまでもこのまま黙っているわけにもいかない。

それぞれの目は真剣そのもの。


「、、、、、すみません、少し時間をください」


私の返答が想定内だったのか、小さく溜め息をついた後、頷いて許してくれた。


「今までずっと言いたかったのを言わせてもらえて良かった。 むしろ、考えてもらえる余地があるなら、いくらでも待つ」


カイルの言葉に、二人も同意を示す。


「ごめんなさい」


「謝られると、まるで振られたみたいだから、今は何も言わなくて良いですよ」


ルーファの苦笑に気まずくなって黙る。


皆の間に沈黙が流れる、、、夜も更けてきたせいか、体が冷えてくしゃみをしてしまった私にシュヴァルツが自分の外套を羽織らせてくれ、そのまま詰所まで帰ってきて解散となった。

お風呂を手早く済ませ自室に引き上げると、私はベッドに突っ伏した。


(どうしよう、、、)


逆ハーレム的な状況に戸惑いはあるが、、、嫌いじゃない、人として好きな人達に好意を寄せられ、正直、嫌な気はしない。

むしろ、年甲斐もなく舞い上がってしまいそうになる。


(でも、私には、、、皆の気持ちを受け止めて、愛される立場にいるなんて、絶対に許されない。 "人殺し"が幸せになんかなっていい訳がないし、私といたらカイル達も"あの時"のように殺してしまうかもしれない、、、)


思い出すのは、数年前の"あと時"。

私が自衛官であり続けたがために、尊い命を奪い、多くの人を悲しみの淵へと追いやった、、、この命がある限り、償い続けなければならない罪。

それを思い出して、浮かれた気持ちを静める。

孤児院の子供達に尽くすのも、贖罪の一つ、、、慈善活動なんかじゃない。

こんなどうしようもない自分がバレてしまったら、、、果たして彼等は変わらずに傍にいてくれるだろうか?

それでも愛してると言うだろうか?

それを確かめる勇気すらまだない自分が、偽りの仮面を付けたまま傍に居続けるのは、、、無理だろう。


(みんなの誠意に、これ以上、偽りで返し続けることはできない、、、)


それでも、彼等の暖かい手を、眼差しを手放すことに抵抗を感じてしまう。


(本当にズルいな、、、)


自分の本能に苦笑しつつ、今後の事に思いを馳せる。


(王都で調べられる事は調べた。 旅に十分なお金も集まって、旅支度も済ませた、、、そろそろ、潮時かな?)


ここ1ヶ月、私が多忙を極めていたのには理由があった。

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