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いざ、謁見の間へ!

あれから2日間マリーの元へと通い、淑女としてのマナーなどを叩き込まれた。 元々、某有名お嬢様学校出身の為、それなりのマナーは幼少期より躾られていたため、そこまで苦労することはなかった。 強いて言うなら、ドレスで歩くのに苦労した程度だ。 そんな出身の人が何故、自衛官になったかですって?、、、それは乙女の秘密ですわ~ホホホ~、、、。 些細な事は置いといて、マリーとはすっかり仲良しになった私は、事あるごとに『うちのカイルと一緒になってくれれば、ユーリが娘になって私は幸せなのに、、、』などと再三迫られたのはカイルには内緒だ。


(いよいよ、この時が来た、、、)

謁見の間へ続く扉の前で、大きく深呼吸をする。 人見知りな上に人前で話したり注目される事が苦手な性分の為、出来ることなら今すぐ逃げ出したい、、、そんな弱気な自分を叱咤し横を見ると、いつもの騎士姿のカイルがこちらを見てニコリと笑いかけてきた。

「ユーリなら、大丈夫」

この2日間はカイルとルーファ、シュヴァルツも加えて謁見の間での問答の練習もしてきた。 色々な角度からの質問にどう答えるか、私が不利にならないよう、みんなが一生懸命考えてくれた。 他の二人はここまで来れないから、詰所の前で見送られたが、その時も二人とも抱き締めて勇気づけてくれた。

「ありがとう」

「入室してください」

入り口に立つ内政官に声をかけられ、扉がゆっくり開く。 私はゆっくりとカイルと共に中へ踏み行った。


「よく来たな。 私がこのコランダム王国の王である、アウイン・ソンマ・コランダムだ。 此度の活躍、様々な方面から報告をもらっている。 我が国としても、精霊術士殿へ礼を尽くしたいと考えているが、何か望みはあるか?」

10段以上ある階段の上にある王座より見下ろすは、アウイン国王。 燃えるような赤い髪にオレンジの瞳、端正な顔立ちにはジェード、、、とカイルの面影を感じた。

(カイルに似ている、、、?)

「、、、すみません、陛下。 私はただ助けたいが為に行動したまでですので、望みなど考えてもみませんでした」

そこで宰相が一歩出てきて、進言した。

「すばらしい、なんと謹み深い方だ。 ならば、こちらも相応の配慮で尽くすのが礼儀かと、、、」

「ふむ」

国王が続きを促すと、

「この国で最高の栄誉といえば、王位継承者と結ばれること。 さすれば、富も名誉も最高の伴侶も一度に手に入れることができます」

さも素晴らしいことのように声高に言う提案は、裏を返せば、『結婚させることによって、もう国の中に縛り付けてしまおうぜ!』的な意味合いだ。 これは想定済みである。

「誉れ高い栄誉をお与えくださるお気持ちは大変嬉しく思いますが、私とて30を過ぎた身でございます。 妃として世継ぎを産むのも、今から社交会や公式の場での儀礼を学ぶには、些かとうが立ちすぎているかと、、、」

私の言葉に周囲がざわめく。 「30過ぎだと?」とか、「若作りなのか?」とか、大概失礼な発言の数々だが、何も言わないで静観する。 ちなみに今謁見の間にいるのは国王、王妃、ジェード王子他の2人の王子、宰相に内政官が3名、外征官が2名、それに私とカイル。 まぁ、私の真実を知っているのはカイルとジェード王子だけだし、これで引き留めるとなると、よほど私の存在を欲しがっているということだろう。 そこで声を発したのは、ジェード王子だった。

「そういうことならば、私が立候補いたしましょう」

みんなの注目を集めながらも、相変わらずキラキラ輝いている人だ。 みんなが驚き、目を見張っている。

「ジェード王子?」

「年齢の事ならば、我々3人の中で一番年齢が上ですし、私は一切気にしません。 二人の間にきちんと愛が育まれれば、おのずと子宝にも恵まれましょう。 何より、先の事案で、誰よりも傍で彼女を見てきました。 外見もそうですが、内面においてもとても惹かれるものがあり、お近づきになりたくて、家庭教師をお願いしたほどでございます」

「家庭教師?」

『家庭教師』という単語に、国王まで興味をひかれ始めたようだ。

「そうです。 彼女の知り得る知識は、まさに人智を越えたものを感じさせ、私に事あるごとに様々な叡智を分けてくださいました。 突然、王子と結婚しろと迫るのも少々我が儘でしょうし、まずは家庭教師として、私と交流されるのはいかがでしょうか?」

「なるほど、、、悪くないな。 では精霊術士殿、まずは家庭教師として、この城に滞在してはくれまいか? その間に礼を考えてもらえればそれを用意するし、もし、ジェードを気に入れば婚姻を結んでもらっても構わない」

少々予想外の展開だったが、性急に事が進む気配は無さそうなので、胸を撫で下ろす。

「かしこまりました。 私ごときでお教えできる事には限りもありましょうが、できる限りこの国の発展に寄与できるよう、微力ながらお手伝いさせていただきます」

発展への助力を約束することで、この日は解放された。 後日、何を言われるか、、、ちょっと怖いけど、とりあえずそこは考えないようにしておこう。

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