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初めての邂逅、その2

精霊達に付いていくと、湖の畔にたどり着いた。


「ここは、、、?」


キラキラ輝く水面、神秘的なものを感じさせる空気にしばしぼうっとなっていると、


ーおさは、みずうみのまんなかにいるー


言われた方を見てみると、湖の中央に小島のようなものがあり、そこに一際大きな樹木が佇んでいた。


ーこっちー


精霊達は湖の上を滑るように島へ向かって行くが、、、


「ちょっと待って、私は飛べないし、泳げないよっ」


ーぼくたちがちからをかしてあげるから、だいじょうぶー


ーしんじて、ついてきてー


深さの分からない水面に、カナヅチの私はビビるが、急に深くなってることはないだろうと自分に言い聞かせ、湖へ一歩踏み出した。

すると、思ってた水の冷たさを足が感じることもなく、また、体が沈むこともなく、、、水の上に立っていた。


「まぢか、、、」


この日、何度目かの驚きに、立ち尽くしていると、


ー早くー


ーこっちー


精霊達に急かされ、小島へと急いだ。

小島へたどり着き、光に連れられて大木の根元へ来ると、そこには、すらりと長身の男の人が横たわっていた。

膝くらいまでありそうな淡い水色の髪に白磁のような肌、整った顔立ちは、全ての生き物を魅了してしまいそうだ。


「ほわぁ、、、」


変な声をあげて見つめていると、整った顔を曇らせながら、うっすらと目を開けた。


「、、、誰だ?」


湖の澄んだ水面のような青い瞳を向けられ、咄嗟に言葉が出ず、どもってしまう。


「わ、たしは、、、橘 悠利です」


文句のつけようのないイケメンは少し身じろぎ上体を起こすと、警戒の色を濃くしながら、睨んできた。


「人間が、なぜこのような場所にいる?」


「、、、それは」


私自身も分からないコトに思わず俯いてしまう。


(なんで?どうして? そんなのこっちが聞きたいよ)


黙りこんだ私を不審者と認定したのか、イケメンの周りの空気が渦を巻くように動き出した。


「消えろ、穢らわしい人間よ」


「そんな、、、」


あまりに一方的かつ、乱暴な要求に混乱しつつも、少しイライラしてきた。


「私は精霊(自称)たちに呼ばれたから来ただけで、あなたのためにここまで来た訳じゃないし、、、そもそもそんな事を指図される覚えはない。誰もかれもがイケメンの言いなりになると思うなよ!」


そう叫ぶと、イケメンの顔が先ほどまでの怒りから怪訝なものに変わった。


「精霊たち、、、?」


周りの空気の渦も消えたことに、戸惑い、相手に敵意をとりあえず感じない事から、


「そうです。 光の粒みたいなのがフヨフヨしてて、話してたら、付いてこいって言うから、、、」


そう言って辺りを見回すと、先ほどの光たちが集まってきた。


ーおさとおなじの、みつけたー


ーこれで、おさもげんきになる?ー


「同じ?」


私はイケメンの前で上着を脱ぎ、Tシャツの襟元を下に引っ張り胸の石を見せた。


「これは、、、」


イケメンは驚きに目を見張りながら、私の変色した腕と胸の石を丹念に見ていった。

いくら、自分の証明のためとはいえ、イケメンに大きくない胸の辺りや、走っていた途中での迷子のため、汗臭くないかなど、気にし始めると、、、途端に恥ずかしさが込み上げてきた。

いくら男社会に揉まれて生きてきたとはいえ、自衛官(なかま)の前で肌をそこまで晒す機会もないし、まして、こんなイケメン、自衛隊(うち)にはいない、、、(泣)


「ふむ、魔障だな。 ただ、、、」


(ましょう、、、さっきの精霊たちと同じこと言ってるけど、)


イケメンは一人で何か納得するような仕草をした後、鼻が触れそうな位置までぐいっと近づき、私を思考の海から引きずりだした。


「痛みは?」


「へう?」


「体に痛みや胸の苦しみ、全身の怠さや魔力を吸いとられるような感覚はないのか、と聞いたんだ」


基本的にイケメンにお目にかかることも触れ合うこともなかった私は、ひたすらアワアワしつつも、なんとか質問に答えた。


「体に痛いとこはない、呼吸も苦しくないし、怠さとかも特には、、、魔力ってのは、今まで認識したことがないから、申し訳ないけどよく分からない」


「魔力がよく分からないとは、どういう、、、うっ」


イケメンは怪訝そうな顔でさらに質問を重ねようとしたところ、突然体をくの字に折り倒れこんできた。

間近にいたため、私はそのまま下敷きになる形で地面に倒れ、自分の上で苦悶の表情を浮かべるイケメンを、画になるわ~と思いつつ抱え起こそうと、彼の脇腹あたりを左手で触った瞬間、その左手の掌から何か蛇の様なものがズルズルと自分の体の中に這いずって来るような感覚に襲われ、


「うわぁっ、、、!」


慌てて手を離そうとしたけど、まるで縫い付けられてしまったかのように、私の左手はイケメンの脇腹にくっつき、離れてくれなかった。

そうこうしている間にも、どんどん先ほどの感覚が肩から胸の中心、ちょうど石のあるあたりへ近づき、胸の中心がカッと熱くなり、激痛と共に私は意識を手放した。

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