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殲滅作戦

久しぶりの投稿です。よろしくお願いいたします。

魔獣の波が途切れ、まばらに残った奴も魔術と弓矢の遠距離攻撃で屠っていく。

前線部隊が全員戻った事を確認し、外壁の門を閉じる。

次に来る魔獣達を確認すると、今までよりひときわ大きく、異彩を放つ奴らが、はるか遠方に確認できた。

偵察の報告によれば、あれで最後のようだが、魔獣達の亜種や変異種の団体さんだとのこと。

それが本当なら、あの森で相手したようなのがわらわらと来ることになる。


「アルマース、いけるかな?」


「力も大分戻った。 今の私なら造作もないだろう。 しかし、あまり街に近いとやりづらいから、少し離れた所で迎え撃つ方がベストだが、、、そうするとお前が身を隠す術がなくなる」


私は横に並ぶ青年に声をかけ、青年もまた横に並ぶ私に答える。


「私の身の安全とかは気にしないで。 自分のことくらい、自分で守る! シュヴァルツに少しは鍛えてもらってたし、攻撃には加わることすら無理だから、歌いながらそこら中を逃げ回っているよ」


我ながら情けないことを言っているが、適材適所、である。

そう言ってニカッと笑えば、アルマースは笑いながら皮肉を言った。


「ならば、避けるのを頑張る前に歌うのに専念した方が良さそうだな。 魔獣の動きにユーリがついてくるなど、夢のまた夢、、、それならば、魔力の供給をされ続けた方がお前を守りながら戦える」


その通りだが、あまりな物言いに不貞腐れていると、何やら騒がしい声が近付いてきた。

外壁に上がる階段を見ると、いつもの3人にジェード王子、アゲートさんを含めた5人が上がってきた所だった。

そして、どうも声を荒げていたのは一番喋らないハズのシュヴァルツだった。


「ユーリに負担を掛けるくらいなら、俺はまだ戦うぞ!」


「それについてはもう何度も話したでしょう。 私達の力だけでは、もうこの街を守れないんです。 悔しいですが、精霊の力でも借りないと、、、」


ルーファがシュヴァルツを諌めていた。

みんなが上がってきてから、私とアルマースを見つけると歩み寄ってきた。


「大丈夫か?」


シュヴァルツの言葉に、私は苦笑する。


「カイルもルーファも、シュヴァルツも、、、私の顔を見るたびに同じこと聞いてくる。 私はそんなに柔じゃないよ?」


それを聞いて3人ともがそっぽを向きながら頭や頬をかいたりしてた。


「おやおや、、、ユーリさんは本当に愛されていますね。 今までの彼らとは大違いだ」


ジェード王子に茶化されて、3人がぐうの音も出ず黙ると、アゲートさんが声をかけてきた。


「そっちの準備は万端か?」


「アゲートさん達が迅速に準備してくれたので、バッチリです! あとは、そろそろ出発するだけ、、、」


私の言葉に、皆が驚いた顔でこちらを向く。


「出発って、どこに行くんだ?」


アゲートさんの疑問に、私はみんなの反応に驚きながらも答える。


「どこって、あの魔獣の傍に決まってるじゃないですか」


「ユーリもあそこにいくんですか?」


ルーファの顔が珍しく焦っている。


「もちろんです。 アルマースに歌が聞こえなければ意味がないので、アルマースと共に向かいますよ?」


「俺もついていく」


間髪いれずに同行することを進み出たシュヴァルツ。


「ユーリが行くなら、俺も共に向かうぞ」


カイルまで名乗り出ると、ルーファも一歩前へ出てくる。

そんな3人に困り果て、辞退する胸を伝えるが、頑として譲らなかった。


「そんな、、、どうなるか分からないのに、危険です!」


「それなら、ユーリも一緒だろう? むしろ、俺達の方がユーリより、よほど自己防衛能力は高いと思うが?」


カイルのもっともな返答に、さらに質問する。


「うっ、、、でも、この街で騎士団を指揮するのは誰がするんですか?」


「それは、、、」


「私がしましょう」


その声は意外な所からだった。


「殿下」


「この街のことは任せてください。 私が騎士団や冒険者の方達を指揮して、こちらに来る残党や攻撃から街を守ります」


本当は共に行きたいですけどね、とイタズラっぽく言う王子に、アゲートさんが声を上げた。


「じゃあ、俺も気兼ねなく行けるな」


「えっ?! アゲートさんまで来るんですか?」


私の驚きに不満そうな顔になる。


「なんだ、俺が行くのは気に入らねぇか?」


「いやいや、みんなが来てくれたら、百人力でしょうけど、、、危険な場所に行くのに、あまりに軽いというかなんというか、、、」


「そいつらは知らねぇが、、、というか分かりきってるが、俺はお嬢に助けられた。 お先真っ暗だった俺を、再び光の下に連れてきてくれた、、、それだけで十分、お嬢のために命を張る価値はある。 むしろ、ここで行かなくていつ役に立てるんだって」


そう言って、光を取り戻した両の瞳を細めながら笑った。

他の3人も言うまでもないって顔をしている。


「、、、分かりました! ただ、約束してください、絶対に死なないって。 たとえ誰かを守るためでも、みなさんの命を消すようなことだけはしないでください」


私の切実な懇願に、みんなが了承してくれたので、私とアルマース、カイル、ルーファにシュヴァルツ、アゲートさんの総勢6人で出発することとなった。

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