一話、堕天使さん魔王になったそうですよ
初投稿です
フェアリーテイル・オンライン、それは現在総人口が十億人を越えるVRMMORPG、2036年現在、世界で最も有名なゲームとされ、そのゲーム人口の多さはギネス記録にもなっている。
この世界はファンタジーな世界で構築されており、プレイヤーはパワーは低いが素早さが高い妖精、パワーとHPと防御が高いが、攻撃回復魔力共に低い竜人、回復魔力とラックが高いが、防御力が低い天使、攻撃魔力が高いが、HPが低い吸血鬼、オールマイティな人間そして特殊のクラスの中から一つ好きなのを選び、自身のクラスを決める。これは後で変更することが不可能であり、リセマラもシステム上不可能なので一度、選んでしまったクラスはもう変更できない。
特殊と言うのは、かなり倍率の低い抽選で決まるレアクラスであり、抽選から外れてしまったら、上記の基本クラスからランダムで決まってしまうが、その性能は他のクラスにはない特徴を持っているクラスである。
まぁ、聞いた話によるとどのクラスで始めても面白いので、外れたからゲームをやめたという人は多いどころか少なかったらしい。
だが、このエクストラクラスは禁止されているアカウントの売買等という問題が多く起きてしまったため、発売から一週間で運営によって選択することができなくされ、運営に売買されたと分かったクラスはアカウント停止処分をされたので現在では幻のクラスとなっている。
ただ、特殊クラス自体が廃止された訳ではないので、選択が禁止される前に特殊クラスになった人は普通にゲームをプレイすることができるので、特殊クラスは少ないがいることにはいる。
武器は大剣、片手剣、双剣、短剣、弓、槍、ハンマー、杖に分けられており、どのクラスでも全ての武器を装備できるが、クラスごとによって覚えられる技が違ってくる。
世界観はそれぞれのクラスに別れて、領土の取り合いをしたり、冒険していって、最古に封印された魔王たちを倒すのがこのゲームの目的である。
そろそろ、俺の自己紹介をしよう。俺の名前は泉奏、偏差値が一般より少し高い程度の高校に通うごく普通の高校生二年生だ。
フェアリーテイル・オンラインでは『カナデ』というプレイヤーネームでレベルはXXというレベル上限に達しており、『黒翼』というかなり中2心溢れた恥ずかしい異名を持っているトッププレイヤーである。特殊クラスは堕天使でこれまた中2心に愛されたもので基本は能力値は他のクラスより極めて高いが、レアドロップやクリティカルという自分を含めてパーティ全員の確率を極めて低くしてしまう恩恵的の為基本はソロ活動をしている。
アバターの性別は♀で容姿は黒い髪に片目には黒薔薇の眼帯をつけた赤目で黒いローブ付きフードを装備しており、背中には漆黒の翼を持つ少女であり、メイン武器は双剣である。
うん、やっぱり仮想世界のアバターだからやり過ぎ感が半端ないような気がするが、現実世界で俺が『カナデ』だとバレることがなければ問題はない。流石にこれがバレたら羞恥心で死にたくなるだろう。
『キサマ、ユルサンゾォォオ!!』
目の前にいる黒い大きな三本角に巨大なコウモリの翼が生えて、蛇の尻尾を持つ巨大な猿型の魔王レジェンドデビルが怒り狂い、そんな叫び声をあげる。
あ、そうだ、魔王のHPバーが赤色になったんだっけと俺は呑気に思いながら、弱点である炎の最大級魔法のメテオ・バーンと光の最大級の魔法テラ・フォトンを混ぜた合体魔法『エンシェントフレイム』の、魔王の足元に朱の魔方陣、上から白の魔方陣が浮かび上がった直後に白い爆炎の柱が現れ、レジェンドデビルを包み込んで、そのまま消滅させた。
炎柱が消えると、金色の宝箱が落ちており、今度こそレアドロップと俺は祈りながら宝箱を開けると、そこにはそのボスがドロップする自身が持っている最強の双剣『運命破り』を進化するために一番レアなアイテムが落ちていた。
「やった、やっと十個目レアドロップした。このアイテムドロップするのにレアブーストして百数十週、フレンドは普通に十回に二個は落ちたって言ってたのに堕天使と他のクラスじゃラックは雲泥の差があるのかしらね」
フレンドにやっと自分も落ちたよとチャットして、俺は一息ついた。この世界では俺の性別はメスなのでそれっぽいしゃべり方で『カナデ』というキャラを演じている。
それにしてもまたやることがなくなってしまったなぁと俺は思う。現時点ではこの魔王こそが最強とされており、最初は少し苦戦したが、攻略法がわかってしまったらソロでも危なげなく倒すことができるようになってしまったし、また暫くやることがなくなってしまった。この魔王のクエストが配信されたのが昨日だから次の魔王が降臨するのは後二ヶ月ぐらい先だし、前に出た魔王を討伐しに行こうかねとクエスト選択画面にいくと、NEWと表示された『新たなる魔王誕生』というクエストがあるのに気づいた。
おっ、もう魔王のクエスト配信されてるんだと意外思ったが、こういう既に全てのクエストを達成してしまった人にだけ出る、隠しクエストかな。流石神運営と思いつつ、隠しクエストを受注を選択すると、白い光に包まれて、気づいた時には既に魔王の居城らしき所にいた。
「ふっ、新しい魔王かー。ドキドキするわね」
そんなことを言っていると早速、魔王らしき赤い目の全身が暗黒に染まった巨人が床を突き破り、出現した。
「来たわね。ソロだけどこっちのほうが面白そうね。行くわよ魔王!!」
双剣を持った俺がそう叫んで、巨人に突っ込もうとしたとき巨人が『ようこそ、異世界にお越ししてくれました魔王様』と書かれた白いプラカードをあげたとき思わず、えっ?と間抜けな声を出してしまった。
これはもしかして、新たなる魔王って俺ってこと?
それに異世界ってどゆこと!?
俺の頭は突然の展開についていけなくて、そこに立ったまま暫くポカーンと唖然するしかなかった。




