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26NO.6

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 自分はなんのクラブにも所属していない。帰宅部である。たまに悪ふざけで帰宅部は何をしている部活? と聞かれて悪ふざけでありもしないクラブ活動の内容を語ることがあるが、基本的に学校が終わればすぐに帰宅できる生徒の中の一人であった。

 ムラマサに待つとは言ったものの、期末テストが終わって二、三日後から夏休みに入るまでの二週間程度は四時間授業であり、今日もその例に漏れない。バスケ部が終わるのは六時半と言っただろうか。四時間目が終わるのがちょうど十二時半であり、その間実に六時間ものフリータイムが発生するわけである。

 とりあえず食堂に行き、昼飯を調達してきた。本当は放課後すぐに家に帰るはずだったので無駄な消費である。節約のためにと総菜パン一つを買うだけに留めておいた。百二十円。古本屋が半額セールの時は本が二冊も買える。つまり上下巻の小説が一セットまるまる手に入るというわけだ。勿体ない。げに勿体ない。安っぽい味がする焼きそばパンを腹に詰め、それで昼は食べたことにしておいた。

 そして鞄からあさのあつこの「No.6」を取り出すと読み始めた。読み進めるうちにシェイクスピアの本も読みたくなってくる。家にあるシェイクスピアの本は「真夏の夜の夢」と「ロミオとジュリエット」だけだ。「マクベス」や「ハムレット」なんかも今度探してみよう。「リア王」「テンペスト」「オセロ」もずっと探しているのだが、生憎贔屓の古本屋にはおいていなかった。

 二時間もかからないうちに「No.6」も読み終えてしまう。まだあと四時間くらいあるというのに、今日持ってきた本はこれ一冊だけであった。どうしたものか。

 それにしても暑い。読んでいる時は集中しているからか気にならなかったが、三〇度を超える猛暑に背中がじっとりと濡れていた。鞄からタオルを取り出し汗を拭き取る。

 放課後のホームルーム教室での冷房の使用は認められていない。職員室と図書室くらいなものだ。図書室にでも行ってみようか。鍵は篠目しか持っていないので文芸部室には入れないだろうが、図書室にだって机もあれば椅子もある。そこで涼みながら本を読むことに決めた。

 そうと決まれば行動は早い。鞄を掴み、タオルを肩にかけると教室を後にする。消灯と戸締りは忘れない。



 NO。6に至っては読んだのが中三なので、話を細部まで覚えているとはいいがたいのですが、主人公のシオンとヒロイン(?)のネズミがNO.6という大きな町相手に戦う話です。一種のユートピアというかディストピアというか。

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