回避、できませんでした。
思い出すの、遅すぎだろおぉぉぉお!!
ぱちくり、大きな瞳を瞬かせふわり微笑んだ。
「やぁ、どうしたの?」
「イエ……ナニモ?」
じーっと、瞬きなく見られると恐いです、ハイ。
「………、」どうしよう、やってしまった。
チート発動しちゃった、私…モブだったのに。
くすり、笑う彼がとっても恐ろしい。どうしよう、やってしまった。やってしまった。あぁ、後戻り出来ないかな?出来ないよね、当たり前かぁ……。
そうだ、現実逃避しよう。うん、そうしよう!
意気込んだはいいものの、現実逃避できませんでした。
「スゴいね、僕と同等の魔力持ってるのは君くらいだよ。それよりも……今まで隠してたことに驚いてるけどね」
なに、実力隠してんだよって目しないでいただきたい。
「…あの、見なかったことに…」
「ん?」
「デスヨネー」
なるわけないよねー。ハイ、すみませんでした!!
「そうそう、知ってる?」
「……」
恐る恐る、見てみるとかなりのにっこり笑顔の彼。
え、なんか恐ろしい!
「僕の家、魔力の高い子を娶るんだよね」
……あの、逃げてもいいですか?
「あの、転校生より高いよね。ま、僕的には嬉しいかな。あの子気に食わなかったし、君案外というかかなり可愛いし…隠したって無駄だよ。僕の好み、君なんだよね。良かったよ、好きでもない奴と結婚しなくてー」
あれ、私。あなたとの、結婚ルートですか。え、マジか。マジなのね、ダメ?逃げちゃ
「いえいえいえ、今のはあのですね、火事場の馬鹿力といいますか!まぐれ、といいますか…ごにょごにょ」
「……拒否権はないよ、君に。だって拒否するとしたら、王家に逆らうってことだしね!」
そう、よりによって王家の人間。というか、時期国王現王太子様だ。なんてこった、勘弁してください。
「あー嬉しいな、君を手に入れられるなんて」
「……いえ、」
「そうそう、知ってる?」
なんか、もうやだ。嫌な予感しかしないんだよ、本当
「王族の血が濃い奴ってね、体力とか並外れてるんだよね」
あの、それは?どういった意味でしょうか?という目で伺えば、にっこり笑顔で返された。
「まぁ要するに、夜が君に負担かけちゃうかなって話」
ちょ、ちょっと待てください。え、あの…やめてください。
私の未来は、真っ暗か!?
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