スキルポイント
再び仮想世界です。
ちなみに、Dポイントクリアにならないまま、朝はログアウト。
0-1=-1なんで、×100,000と10万取られたようです。
昨日45万入ったからまだ収支プラスだからいいんだけど、やっぱ減るのはこたえるね。
カライガとログインして、まずはスキルについてどうするか相談することにしたよ。
「ふううむ、ワシは今のスキルを伸ばす方向で考えておる。
重戦士として堅くなる。
魔法はトンやリンのを見て思ったが、向いておらん。
解体は、リアル知識でどうにかなるからな、そこらへんのスキルは要らん。
それに、練習のつもりでもあるしな。」
カライガは、マタギでも目指しているのだろうか?
解体の練習って・・・・・・。
「じゃ、俺はアタッカー兼補助って感じがいいかな。
"魔法誘導"は必須だし、これでポイント2は使うから、後2ポイントだね。」
最終的に、水魔法にスキルを割り振った。
ちなみに、魔法を覚えるのは選択方式だったりする。
最初はなんとなく、ウォーターブリッドとウォーターカッターの両方とったけど、ちょっと後悔したよ。
それで覚えた魔法は、フォッグとキュアポイズンの二つと、多分現実的な選択だと思う。
カライガが取ったスキルは判らん、聞いてないからね。
なんていうか、人のやることに自分の都合や意見だけでずけずけ言うのって、何かいやなんだよね。
なので、方針だけ聞いておしまい。
「たしか、リンは夕方から参加すると改めてメールが来ておったぞ。」
「ああ、そうなんだ。
予定表では確か不明って書いてあったね。
何か調べものでもしてたのかな?」
カライガは腕を組んで考え込む。
確かに、リンの行動みてると考えるとかいうキャラじゃなかったけどね。
あれは設定で動いてるのかもしれないし、俺は敢えて断定していない。
「それはともかく、まずは狩ろう。
討伐領域も端っこ程度ならなんとかなるんじゃないかな。」
「うむ、Aポイントとやらがどうすれば稼げるのか不明だが、おそらくそちらのほうがいいであろう。
まあ、金を払うつもりも受け取るつもりもないがな。」
おそらく、このゲームの問題が落ち着いたら、運営に叩き返すつもりなんだろうな。
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あれから、4時間ウサギやカモを狩ったりして討伐領域に入り込む。
緑の身体、小さい子供程度の慎重、節くれだった身体。
確か、公式ページでみたな、あれはゴブリンだね。
しかし、ゴブリン程ゲームによって扱いの違うモンスターは珍しいよねとか思いながら、左腕の袖をめくって『フォッグ』の魔法を選択する。
結構な範囲に霧が発生して、お互いに見えにくくなる。
ゴブリンはこちらに気付いていないようだね。
刹那の時間で、集中してゴブリンが居た場所を凝視する。
矢を番え、弓を引き、ゴブリンの頭があったところに矢を放つ。
ゴブリンは声もださず、トサッっと草の上に倒れる音だけが聞こえる。
数分で霧が晴れ、確認すると、ゴブリンの口内に矢が突き刺さり絶命している。
当てる自信はあったけど、それにしてもかなり当たり所が良かったようだ。
「おお、モンスターあいてにもたいしたものだな、トン。
それでは、討伐部位を剥いでおくか。」
ああよかった、ゴブリンまで解体して食おうとか言い出したら流石にどうしようか考えていたところだ。
カライガは右耳をそぎ落とすと、ゴブリンの身体は消え去り、アイテムが残る。
・・・・・・動物のときはリアルだったのに、ゴブリンのときはえらいあっさりだよ。
下手にリアルにして、現実で試そうなんて奴が出てくることを考えたら、普通の措置かな。
狩り領域の動物達は、大体が現実にいるものを模倣してるようだし。
「うむ、3Gだな。
他には特にないようだ。
斥候かとも思ったが、どうも迷い出たゴブリンという感じなのかもしれん。」
うわ、しょぼい。
けど、ゴブリン一匹で200Gの報酬だったはずだから、文句はないね。
「む! 気をつけろ。
何か気配がするぞ」
どうやら、カライガは気配察知のスキルを持ってるみたいだね。
もしスキル無しで言ってるなら、どんな生活してたんだと、そしてどんなシステムつんでんだこのゲームはと突っ込み入れるところだよ。
「どっちから気配がする?」
「・・・・・・上からくるぞ! 避けろ!!」
確かに上から、太陽をさえぎって先程のゴブリンとはうって変わって大柄なゴブリンが棍棒を振り下ろしながら近くに落ちてくる。
俺は逃げ損ねたが、幸運にもギリギリあたらない位置に振り下ろされていて無事だったよ。
そういえば、ホブゴブリンって田舎者のゴブリンって意味だっけ? これってホブゴブリン?
っと、目の前にいる大迫力のゴブリンを見て、現実逃避気味に頭に無駄知識が浮かぶ。
「おまえら、敵 コロス」
どっから発音しているのか分からんが、流暢な日本語で話してくると同時に、今度は横なぎに棍棒をふりまわしてくる。
今度こそ駄目だと思っていると、カライガが割り込んできて、大盾で棍棒を受け止める。
「トンよ、無事か!
無事なら、こいつを倒してしまうぞ!!」
そういっている間にもホブゴブリンは棍棒を振り回し、カライガに攻撃を繰り返す。
カライガは巧みに盾を操り、時には受け、ときにはいなし、時には流し、間に合わないと見れば鎧の頑丈な部分がくるように攻撃を操作しているように見える。
おそらく、これもスキルなんだろうね。
「了解、それじゃ行きますね。」
長弓を構えて、矢を放つ。
今は、集中モードにはいっている。
集中への移行に時間がかからないことは説明したけど、この状態を意図的に長くする事ができる、でないと一夜漬けなんて無理だしね。
そして、機械的にホブゴブリンの片目をつぶし、利き手に当て、足を貫通させる。
スキルの恩賜があるから、こういった狙いも躊躇無くできるのがいいことだとおもうよ。
「トンよよくやった、後はワシに任せておけ!」
カライガも何も攻撃を受けていただけではない、大きめの片刃の片手斧で何度と無くホブゴブリンに切りかかっていたのだが、防御に重点を置いているせいか、中々決め手となる一撃を放てない。
そして、足を貫通させてよろめいたことを好機と見て、盾をすて両手で片手斧をホブゴブリンに振り下ろす。
「おー、倒したね。」
「ああ、中々手強かった、一匹でよかった。」
それは確かにそう思う。
それはそうと、カライガは怪我をしているので、ヒールを使って治しておく。
思ったよりも回復するようで、外見上問題になりそうなところは見当たらない。
「しかし、トンよ。
今回えらく大変だったわけだが、ワシ等はまだまだ弱いということか?」
「確かにその可能性は高いかもね。
第一、ゲーム開始から二日目だし、いきなり討伐できる方のがおかしいといえばおかしいかも。」
実際にはどうか分からない。
しかし、ここで否定しても意味がないので、カライガの言葉に合わせる。
ホブゴブリンはゲームによっては、低ランクだがゲームによっては中ランクだったりする。
なので、余計に判断がつきにくいし。
しかし、スキルを持っていたとしても、カライガの防御は見事だったね。
「それより、今からもどっていけば、リンがログインする頃には街につくんじゃないかな?」
「ふううむ、そうすることにしよう。」
ホブゴブリンの耳も切り取って、10Gと"棍棒"を手に入れ街にもどることにする。
定番ゴブリンです。
ゲームにより、外見設定知能強弱多種多様の設定に分類されます。
元々は妖精だしね~。